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まさか想像のつかない新生活だった~4月~

「仰げば尊し、わが師の恩。教の庭にも、はやいくとせ。」

3月1日青山高校卒業式

「仰げば尊し」を歌うといよいよ俺たちも卒業かと思う

青山高での高校生活はとても充実したものだった

部活ではサッカー部のエースストライカーとしてチームを牽引した

県大会決勝では敗れはしたが、全校応援の声援は今でも忘れない

学校行事では学祭、体育祭、修学旅行どれもかけがえのない思い出だ

そして、俺には1年生の冬から付き合っている彼女がいる

今でもラブラブで、学校一のカップルと呼ばれている

高校でのクラスの友達、部活の仲間、恋人は一生の宝だ

そんな高校生活を100%エンジョイした俺は大学でもキャンパスライフ全力で楽しむつもりだった...


4月、雪が解け、桜が咲き、少しまだ肌寒いがついに新生活が始まる

毎日のように着ていた制服から私服が当たり前になる

親元を離れ今日から一人暮らし生活が始まる

高校とは比べものにならないくらいの校舎の広さ、生徒の数

いろんな所から来た人たちとの新たな出会い

友達と一緒に宅飲みしたり、ゲームしたりしてオールする

そんな楽しいキャンパスライフを夢見ていた...


「あいつらは今頃入学式かぁ」

俺(桐ケ崎光弌)が今いるのは大学ではなく、予備校である

そう、俺は大学受験に失敗し、1年間の浪人生活をすることになった

学校での成績も常に10位内に入っていて入試も8割をマークしていた

合格判定もA判定がでていて、第一志望の合格も確実だと思っていた

しかし、卒業式の1週間後の合格発表

そこには俺の番号がなかった...

あまりにショックでその日はずっと部屋に閉じこもっていた

それから2週間は受験に落ちたことから食事もまともに取ることができなかった

「あんなに死に物狂いで勉強したのに、、、なんで俺が落ちるんだよ、、、」

今まで挫折など味わったことのなかった俺にとって今まで生きている中で一番の挫折だった。

第一志望しか興味がなかったし合格の自信もあった

当然、滑り止めとしての大学も受けていなかった


そんなもぬけの殻のようになった俺がこうして再び受験生としてリスタートを切れてたのは高校1年の時の担任で2年前に青山高を離任した恩師(三上修也)に大学受験に失敗したことを話した。

すると彼は俺にこう言葉をかけた

「大学受験に失敗したことなんて気にするな!

 終わったことはもう仕方ない

 そんなの人生にとって大きな問題にならない

 落ちたならもう1度受ければいい

 桐ケ崎もう1回受験生としてやり直せ

 今よりもきっと強くなれる

 だから、いつまでもくよくよするな

 来年の3月お前が笑顔で俺のところに合格の報告に来ることを待っているぜ」

この言葉を聞いて俺は涙が止まらなかった

1年からクラスの人気者で部活でもレギュラーだった俺は少々浮かれていた

だんだん学校内でも生活態度がだらしなくなっていた俺を叱ってくれたのが

当時の担任だった三上だった

みんなは俺のことを褒めることしかしなかったが、彼だけは違った

俺は彼がいたからこそ自分に厳しくなり、今まで以上に他人に優しくなれた

だからこそ高校生活も100%エンジョイできたのだと思う。

正直あんなにつらかった受験勉強をもう一度やるなんて嫌だし、

自分と1つ下の学年のやつらと同級生になるなんてもっと嫌だった

だが、浪人なんて社会人になったら関係ない

この挫折を糧にして絶対に今よりも一回りも二回りも大きくなってやる

俺は決めた第一志望へのリベンジ、そしてレベルアップ


俺は大学でのキャンパスライフを1度あきらめ、1年間の浪人生活を決意した

すぐに家に帰り、両親に浪人することを告げ、俺の地元には予備校がないので

親元を離れ予備校付属の寮で一人暮らしをすることになった

自分のプライドが許せなかったので高校の奴らには浪人することを告げないことにし、大学生のふりをすることにした

そして、勉強に集中するために彼女と別れることにした


この1年をすべて勉強に捧げ、絶対に合格する

今日から辛くてしんどくて、楽しく愛しい浪人生活が始まる


 

















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