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岡部涼音 朗読シリーズ 涼音色~言の葉 音の葉~

愛してる

作者: 風音沙矢

ごめん、待った?

連絡すれば良かったんだけど。

なかなか、タイミングが無くて。

えっ?

仕事だよ。

日曜日だって、しなきゃいけないことあるよ。

ホント、ごめん。

これでも、走って来たんだ。

早く、会いたいから。


ねえ、手、繋ごう?

いいじゃないか。

繋ぎたい。ね? ね?


フ。フ。

何、喜んでんのって、聞く?

うれしいの。

だって、いっつも、恥ずかしがって

外で、手、繋いでくれなかったじゃないか。

あー!

し・あ・わ・せ!


いいだろ。

このままで。

急に、何、恥ずかしそうにしてるんだよ。

えっ? 暑い?

何がだよ。もう、秋だぜ。

風が気持ちいいよ。

ほら、イチョウの葉が、金色に光ってきれいだ。


見せたかったんだ。

君にさ。

この公園、好きなんだ。

俺の住んでいた街の公園に似てる。

仕事に疲れた時とか、ここのベンチにぼーっと座って、

空を見上げるのさ。

たまに、星が見えるとうれしくなる。

あっ、一番星!

ほら、あそこ!

なんか、もうかった気分。

えっ、ロマンチックじゃないって?

そうかな。

けっこう、俺って、ロマンチストだと思うけど。


風で、イチョウの葉がさわさわ動いてる。

気持ちいいなあ。

そうだろ。

気持ちいいよな。

ほら、こうやって、手をつないで

空を見上げる。

俺、ずっと、こうしたかった。

君と、いろんなこと一緒に感動したいよ。



俺の育った街は、星が降って来るようなんだ。

当然、流れ星だって見える。

満月のお月さまは、輝いて、

影ふみだってできるくらい、明るいんだ。

嘘じゃないよ。

空気がきれいなの。

見せたいな。君に。


今度の休み、

一緒に、行こう!

うん。

俺が育った街を、いっぱい見せたい。

中学の友達にも会ってくれ。

親父とも、

お袋とも、

姉ちゃんにも。

大げさなんかじゃないよ。

俺が、大好きなやつらなんだよ。

君にも、好きになってもらいたい。

そして、あいつらに、俺の大切な君を紹介したい。

好きになってもらいたい。


ここで、笑うなよ。

そりゃ、マジにもなるよ。

当然だろ。

俺の人生、一番決めなきゃならない所なんだから。

いいか?

言うぞ。


俺と結婚してくれ。

君と結婚出来たら、最高に幸せな人生が送れるよ。

色々、大変なことがあったとしても、

俺、負けない。

俺、戦える。

そして、君を守るよ。

どんなことがあっても。


君と一緒に、手をつないで歩いていきたい。


これ、受け取ってくれ。


あー! 笑うなよ。

手が震えて、なかなか、はめられないよ。

こんなこと、慣れてないのが当然だろ。


ふー。


ありがとう。

泣くなよ。

さっきまで、笑ってたじゃん。

うん。

誓うよ。

君と神様に。


愛してる。


最後まで、お読みいただきまして ありがとうございました。

よろしければ、「愛してる」の朗読をお聞きいただけませんか?

涼音色~言ノ葉 音ノ葉~ 第25回 愛してる と検索してください。

声優 岡部涼音が朗読しています。

よろしくお願いします。


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