やるっきゃない
…
「マジで言ってんの?!けどそれじゃぁ花火大会が…」
『ううん、いいの。私だっておっきな花火見たいよ?だけどね、私思い出したんだ。なんで私がああなっちゃったか。』
「ああなった??入院した事??」
『そう、私あの日、あの浜辺で海石を捨てたの。』
「えっ、どうして?」
『この島を守る為…かな。』
「ごめん、全然わかんね。どういう事?」
『あぁもう!!セイジは何聞いてんだよ!!海美ねぇの声聞こえないボクにだって何が言いたいか分かるぞ!!だからナァ…』
そう言って美雨が話した内容はこうだ。
ある日、海美は花火大会の日にリゾート開発の関係者が視察に来るコトを知った。
勿論、花火大会もこの島をアピールする為の材料で、"祭り"はその中でも1番の材料らしいと。
海美はこの島が大好きで、自然を壊して欲しくないと思い、祭りを中止にすれば開発の関係者に悪い印象を持たせる事ができ、沖洲島のリゾート計画を延期または中止に近づける事ができるんじゃないかと思った。
話が滞っているうちに何か他の作戦を考えて、反対派の人達と協力してその計画を無かった事にする…らしい。
『そう言う事でしょっ?海美ねぇ♪』
『うんっ♪』
「"うん"ってさ。けどそれだけでそんなデカイ計画を中止にできんのかなぁ…」
美雨は自慢げに微笑んでウンウンと頷く。
『それは…だけどやれる事思いつかなくて。』
『夢がねーぞッセイジっ、やるったらやるんだよっ!!』
それはそうだけど…
「てか同時に喋んなよ美雨。海美の声が聞けんだろ。」
『知らないよそんなんッ!!聞こえないもん!!』
「まぁ…とりあえずやれる事考えようぜっ、時間は無いけど。」
こうして俺たち3人の大きな計画がスタートした。はっきり言って無謀な計画だけど、真剣な2人を見ていたら何だかやれそうな気がしてくる。
いつのまにか止んだ雨が辺りを輝かせて眩い夕陽が窓から差し込んでいる。くっきりと部屋に伸びた2つの影が海美を見つめる俺の胸を掴んだ。




