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海の声  作者: 如月アル
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結果は…

ふと母さんが海美の方を見て"フリーズ"したのだ。その視線はコップをただただ見つめ続け、無表情のまま微動だにせず時間が止まってしまったかのように錯覚するほどだった。

海美は困惑した表情で俺に助けを求めるが、母さんの"フリーズ"の意味が分からない以上、どうしたらいいのか俺にも判断する事は出来なかったのだ。


すると1本の糸が切れるように突然母さんが声にもならない掠れた悲鳴をあげた。


『せ…せいじぃーっ!!』


"ドスン"という音と共に母さんが床を這い蹲るようにこちらへと向かってくる。


俺が慌ててキッチンへと入ると母さんは俺の足を掴み、『コ…コップ!!浮かんでる!!』と海美の方を指差して言ったのだ。


俺は実験の成功を確信したと同時に母さんへの罪悪感が生まれ、「コップなんて浮かんでないって…母さん疲れてんだよきっと。」と言葉をかけ、海美へ目で合図を送った。


母さんが恐る恐る振り向いた頃にはコップは元どおりの位置へと戻っており、母さんは唖然とした表情のまま暫く"フリーズ"した後、"ハッ"と我に返ったように『あら…ホントにどうしちゃったのかしら…なんか、ごめんね誠司♪母さんちょっと横になるわね♪ほんと、どうしちゃったのかしら。』と呟きながらリビングのソファーへと横になった。



俺は海美と部屋に戻り、コップに注いだルイボスティーを一気に飲み干すと、海美と視線を合わせ「実験…大成功だ!!」と海美の肩に手をやった。

しかし海美は浮かない顔でコップを手に取り、周りに付いた水滴を指でなぞりながら呟いた。


『なんか、お母さんになんて謝ればいいか…悪いことしちゃった。』


「確かに…俺もあそこまで驚かせちゃうとは思わなかった。だけどさっ、俺の母さんならすぐに忘れてケロッとしてるから大丈夫だよ!!」


『そうかなぁ…それならいいんだけど。』


「それよりもジューヨーな研究結果を手に入れられたんだ、もっと喜ぼうぜっ♪」


『お母さんすいませんッ!!協力ありがとうございました!!』


海美は"パチン"と両手を合わせ軽く頭を下げると、『実験成功ッ、おめでとッ♪』と笑顔を見せた。

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