表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
海の声  作者: 如月アル
57/195

トクベツ

『海美ねぇに見せたかったんだ。』


俺は美雨のその言葉に違和感を覚えた。


「え、なんで?見せないの?」


そう、それは簡単な事な筈なのだ。それなのになんで美雨はこんなに切なそうにしているんだろう。


『ッ…たく、まぁいいや!おしまいッ!!もう喋んなくていいっ!』


「なんだよ、ったくお前はいつも勝手すぎんだよ。いいからさぁ、言えよ。」


『またボクにぶん殴られたいのかッ?』


「なんでそーなんだよ…」


『はは♪冗談ッ。…だからいいよ。せっかく…ううん、あ、そうだ、この家はボクが家族と住んでた家。もうずっと前なんだけどさ。』


そういうことか…それなら色々とつじつまが合うよな。

きっとこの家には特別な思いがあって、何でかわかんないけど急に悲しくなった。だけど恥ずかしいからもう追求するなとかそういう感じなんだろう、きっと。


「美雨ってさぁ、まぁ言いたくなかったら言わなくていいんだけどさ…もしかして両親は一緒に住んでないの?」


遠回しに親が居ないんじゃないかという疑問を投げかけると、その答えは意外にもあっさりしたものだった。


『両方居ないよ。2人が生きてた頃住んでたのがここでー、今住んでるのは父さんの知り合いのおじさんち。ちなみにこの家見せんのお前が初めてなんだからカンシャしろよー。』


俺が初めて?あぁ…だから"海美に見せたかった"なんて言ったのか。


「なんで俺なんかに見せてくれたんだよ。」


『ん?…見せる相手が"セイジ"しか居なかったから。別にトクベツな意味なんてないから勘違いすんなよっ。』


ふっ…セイジか。俺にはそれだけでもトクベツなんだけどな。


「そっかそっか、わかったわかった♪見せてくれてありがとなっ。」


『え…なにニヤニヤしてんだよキモいなぁ…』


「おぉそうかそうか♪ところでこの家の想い出話とかあったら聞かせろよっ。」


『はぁっ?なんだよイキナリ。』


「なんだよじゃねーよ、いきなり泣いたクセに。」


『うっっわ…サイアクッ!!あぁ!!サイアクー!!………でも、まぁ、聞きたいなら聞かせてやるケド…』


だろーな。

コイツの横顔に"誰かに話を聞いてもらいたい"って書いてあるもんな。


きっと俺もコイツに認められて…ってなんでコイツ主体に考えてんだろ。

とにかく、なんかコイツとは仲良くやれそうな気がするよ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ