死にたがりは進む
目の前には先程まで私をバラバラにしていた怪物が横たわっている。
「これが怠惰の力…」
私から出た黒い霧は周囲に広がりその霧の中に入った怪物は死んだように眠ってしまった。
相手を眠らせる力かな?
逃げる時間を稼ぐのには最適な能力だね。
「今のうちに先に進もう。」
私はこの怪物が目を覚まめる前に先へ進むことにした。
「ふぅ」
帝国騎士団長のシリュースは、約50人の騎士と共に森の中を歩いていた。この時期になると出てくる森の主キマイラを討伐するために、
「妙だな。」
この森の中は常にモンスターが徘徊しており一度森の中に入ると戦闘は避けられないほど危険な場所のはずだが…
いくらキマイラが出てくる時期とはいえ森の中に入ってもう3時間は探索しているのにモンスターと1匹も出会わない。
これは明らかに異常事態だ。
考えられる理由としては、この辺りのモンスターはすでにキマイラに狩られた後、これはモンスターの残骸がないので可能性は低いか…
他には通常の個体のキマイラがなんらかの形で
特異個体になったか…
この場合少々厄介だ、騎士達の中から何名か犠牲者が出るだろう。
もしくはキマイラよりはるかに強いモンスターが出現したか…
もしそうなら俺も死ぬかもしれんな、撤退をする準備をしておいた方がいいかもしれん。
「シリュース隊長!緊急事態です!」
「キマイラか!?」
「はい!今回の討伐対象キマイラを発見し、したのですが…」
「…すぐ案内しろ」
部下の同様を見て最悪の事態を覚悟する。
「はい!こちらです。」
部下に案内されキマイラの元に向かう。
「こっこれは!?」
シリュースは自分の目をこすり、見間違いでないことを確認する。
シリュースの目のに入ってきたのは、騎士たちによって拘束されながらも目を覚ます気配が全くなくい、キマイラだった。
「団長…これはもしかすると、」
どうやら部下も気づいたようだ。
「あぁ 間違いなくキマイラより、強力な何かがいる。キマイラの拘束ができ次第撤退の準備を急げ!」
「はっ!」
遠くなる部下の背中を見ながらシリュースは考える。
あれはまず間違いなく睡眠系の状態異常だ。
一体何がキマイラを眠らせた?
キマイラの平均LVは30前後で戦闘力が高く、強力な状態異常耐性を持っているはずだが、
私の知るかぎりではキマイラに状態異常を付与することができるモンスターなど存在しない。
「早く帝国に帰還し、対策を考えなければ。」
その頃紅葉は、
「うぉおぉおお!町だー!」
やっとついた!
ここにたどり着くまでに何回モンスターと出会ったことだろう
長く険しい道のりだったけど、
そのおかげで知れたことも多いし悪くはなかったのかなぁ。
まず私はこの辺りにいるモンスターでは死なないということ、これは嬉しい!
私は自分の手、以外では死にたくないからね。
不死様 万歳! いつか殺してやる。
そして怠惰の力がある程度わかったこと。
思った通りかなり強力で、今まで出会ったモンスターは、全て眠らせることができた。
この力にはこれからもお世話になると思う。
そして夢にまで見た人が住む町!
町と勘違いしてモンスターの集落に迷い込んだ時はショックで倒れそうになったけど、でも今回は大丈夫!
ちゃんと人がいるのが目で確認できる!
いや〜助かった〜これでこの世界のことが少しは 知ることができる。
………よく考えたら私、前の世界も含めて人と喋ったことほとんどないぞ?
あ、あれ?足が震えてきた、前に進むことを
人と話すことを身体が拒んでいる!?
この私が!お喋り程度でビビっているだと!
いやいやいやいやまず落ち着け私!
所詮相手は人間だ!
数々の化け物と戦ってきた私の敵ではない!
「嬢ちゃん、悪いけどもっとはっきり喋ってくれ何を言っているのかさっぱり分からん」
「……(・ω・`))」
門番で詰みました。




