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第一章:幼き日の私

…あれ?ここは、何処だろう。私が見える。いや、自分自身ではなくて、もう一人いるのだ。布団に横になっている。しかも、相当小さい頃だ。幼稚園の制服を着ている。お父さんとお母さんが幼少時の私の顔を覗きこんでいる。「綾乃、大丈夫か?」お父さんが私の名前を呼ぶ。私は「え、何が?」と返す。私の名前は《栗原 綾乃》、そう、確かに綾乃とは私の事…何ら変では…いや、やっぱり変だ。大体、なんで私が二人いるのよ?


いま、状況としては自分が我が家の寝室にいて、幼少時の自分を見ているんだけど…意味が分からない。私は寝ようとしてたのに、どうして幽体離脱のような現象が起こっているの?しかも、タイムリープまで一緒に起こしてるみたいだわ…さっき返事したのに無表情で何も返してこないってことは、まさか、私、回りから見えてない?!ど、どうすればいいんだろう…?とりあえず、必死に叫ぶ。


「おーい、聞こえる?私だよ、綾乃でーす!聞こえてるなら返事してー!」


……返事はこない。どうしようもないから、ちょっと様子でも見ることにしよう。それに正直な所、平凡な人生を送ってきた私にとって、こういう不思議な現象が最悪かどうか聞かれると、完璧に「はい」とは答えられないのよね♪


「おーい、大丈夫か?綾乃。心配して帰ってきちゃたぞ、お父さん。」

心配そうに聞くお父さん。私、風邪でも引いているのね。なんて答えるのかしら。

「うん、大丈夫。結構良くなったみたいだよぉ。」

そう答えると、お父さんとお母さんは安堵の表情を浮かべた。

…あれ?そういえば妹の琴乃がいない。まだお腹にいるんだね。だからお母さん、お腹が大きいんだ。それにしても、両親に囲まれている幼少時の私、なんだか幸せそう。タイムリープする前の現実では、お父さんは家ではいっつも怠けてるし、お母さんはイライラしてるし、琴乃は生意気だしで大変なんだよね。こんなに優しいから、何だか現実と重ねると涙ぐんじゃうな。


あれ?な、なんだか眠くなってきた…と、思ったら幼少時の私があくびをしている。お母さんに絵本の読み聞かせをしてもたっているみたい。あ、三匹の子豚かあ、私、あれお気に入りだったなぁ…と、そろそろ本格的に眠くなってきちゃったし、机に置いてあった紙にとりあえず日記でも書こうかな。うんうん、これは結構グッドアイデアだわね。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

×月○日 今日、タイムリープのような現象が私の身に起こり、幼稚園の頃に戻った。両親が凄く優しい。何だか感激しちゃうな。琴乃はまだいない。お母さんのお腹にいるみたい。三匹の子豚を読み聞かせしてもらっていた。なんだかいつもより眠くなる時間が早い。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

…書き終わったところで私は眠りについた。



~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~


今日で二日目ね。正直、寝たら元に戻ってるんじゃないかと思ってたけど、違ったみたい。まあ、その内現実に戻っちゃうんだろうけどね。そろそろ私もタイムリープの主人公になったんだし、自己紹介でもしておこうかしら。現実世界では、私みたいな凡人の事なんて…って思って紹介はしなかったけど、今はタイムリープしちゃった女の子なんだから!


「名前は先述してあるけど、《栗原 綾乃》。中学二年生、年で言うと14だよ。特技とかは恥ずかしながら特にないかな…血液型はOだよ!」こんな感じかな?よく分からないけど、まあいいよね!O型は大雑把、ってよく言うでしょ!


…こんな事しているうちに、幼少時の私が起きたみたい。早速お母さんが機嫌とってるよ、優しいんだなぁ。風邪ひいてたっていうのもあると思うけど、やっぱり優しいね。お父さんも、起きてくるのがすごい遅いのに、私のために早く起きてくれてるみたい。


それと、一つ気付いた事があるよ。幼少時の私が寝ると私も寝ちゃうみたい。あ、でも起きるときはバラバラだったけどね。


~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~☆~

そんなこんなで、二日目の今日も、色々あったよ。そろそろ眠くなってきたから、日記でも書こうかな。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

○月×日 リープしてから二日目。今日も平常運転ながら、多くの愛を貰ってたよ!

お母さんも、お父さんも凄く優しくしてくれていた。眠くなる時間は幼少時の私と一緒みたい。起きるときはバラバラだったよ。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

さて、これでいつ寝ても大丈夫。いつでも寝れるよ…!    綾乃が日記を書いて、ファイルに入れた瞬間だった。周りが急に眩しくなり、辺りが真っ白になった――

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