人形を作った人間の話。
世界は残酷で、でも。だからこそ世界は美しい。
何かの犠牲の上に成り立つ世界。
生きる為に犠牲は付きもので。
人間の世でボクは、その「犠牲」になった。
蔑まれて
追われて
逃げて
逃げても逃げても追ってきて
ボクの居場所は何処にも無くて
だからボクは
総てを諦めた
ボクを犠牲に望む人間達に
ボクは
総てを奪われた
そう。ボクの生命も
ボクは唯「シアワセ」になりたかっただけなのに
世界はボクを受け入れてくれなくて
ボクは犠牲にされて
美しい筈の残酷な世界で
ボクは独り
生命を散らした
この世界ではボクは
どんなに希んでも
「シアワセ」にはなれない
だからボクは
ボクの代わりに「シアワセ」になってと
人形を作ったんだ
人形に
願いを託したんだ
生命の欠片と不思議な力
混ぜ合わせて形にすれば
人間の形をした人形が生まれる
ボクが得られなかったシアワセを
その人形が得られるとは限らない
ボクの生命の使っているのだもの
もしかしたら
ボクと同じ路を辿ってしまうかもしれない
それでもボクは
願わずにはいられなかった
「どうか、幸せになって・・・」
それは
ボクが人形に託した願い
ボクが欲しかったモノ
そして
ボクが遺した 最期の言葉
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以上、譲葉でした!!