ようやく目的を果たした件
数分後、ようやく解放されたユリウスは
ミシェルの近くに避難していた。
「...なんで私の後ろに?」
「ミシェルさんが一番危険性が低いからです」
「危険性って...ああ、そういうことね...」
はぁ...と二人同時に溜め息を吐くと、
メルが、そう言えばと切り出し
「君達三人はあの噂知ってる?」
「噂...?」
ユーリが発した言葉に、メルは
自慢気になりながら
「凄腕の氷と風属性使いの冒険者が
居るっていうーーーー」
(またそれか)
一通り話し終わったあと、レミナとユーリは
顔を見合わせた。
「知ってる? レミナ?」
「クラスメイトの会話に出てきたのが
偶然聞こえて知ってはいたけど...。
当事者が目の前に居るんじゃ疑う余地はないね」
「んふふー、素直に信じてくれて
私は嬉しいのですよ。
私はあの人にもう一度会ってお礼が言いたいん
です」
お礼ねぇ...とユリウスがボソッと呟き
「ちなみにその人が見つかったとしたら
この国はその人にどのような処置を
するんですかね?」
「最低でも二属性持ちで、
しかもジオドラゴンを瞬殺するレベル
だし、国は躍起になって手に入れようと
すると思うよ? ジオドラゴンを単独で
瞬殺するのはそれこそ最高峰の冒険者くらい
しか出来ないからね」
(絶対に正体はバラさないようにしよう...)
「ところで貴女達、もう登録はしたの?」
「...あ、まだだ」
「そう。 なら、あそこのカウンターで
出来るわ。 見てもらいなさい」
それを聞いたユリウス達はそのカウンターへと
向かった。




