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友達が増えた件

夜が明け、朝になった。


(もう朝か...まだ眠いけど起きなきゃな)


ユリウスは布団をどかし、ベットから

起き上がり、カーテンと窓を開けて

伸びをすると、洗面所で顔を洗って

眠気を覚ました。


鏡を見ながら寝癖を直し、着替えを終らせると、

寮の食堂へと向かった。











食堂につくと、人数は少ないがユリウス

より早起きした生徒が朝食を取っていた。


先程から漂ってきている匂いに、ユリウスの

空腹が刺激されており、早く食べようと

メニューが書いてある看板を見ると、日替わり

定食やサンドイッチなどの他にもフラニル

という聞いたこともない料理もあった。


(わけわかんない料理に手を出すのは

やめておいてサンドイッチにしとくか)


そう決めるとユリウスは列に並び、

5分ほど待つと、ユリウスの番が

回ってきた。


「サンドイッチお願いします」


「はいよ! ちょっと待っててね!」


ユリウスの注文を受けたおばさんは、

予め作ってあったのか、サンドイッチを

すぐにユリウスに渡した。



「どうぞ」


「ありがとうございます」


サンドイッチを受け取り、席につくと

ユリウスはサンドイッチを手に取り


「いただきます」


パクッと一口食べ、よく味わいながら咀嚼して

飲み込んだ。


「うん、美味しい」


そのまましばらくサンドイッチを食べていると、


「隣、いいか?」


声をかけられを隣を見ると、金髪の少年が

立っていた。


「あ、どうぞ」


「すまないな」


その少年はユリウスの隣に座ると、

スープを一口飲んでから


「君には聞きたいことがあったんだ。

食べながらでいいから質問を聞いてくれ」


「俺に質問...ですか?」


ユリウスは食べながらでいいとは言われたが

一度食べる手を止め、少年の方を向いた。


「ぶっちゃけレミナ嬢とユーリ嬢

どっちが本命だ?」


「...........................................え?」


「いや、だからあの二人のどっちがーーー」


「いやいやいや! 本命とかそういうの

ないですよ!? ただの友達ですからね!?

恋愛感情なんて持ち合わせてないですよ!」


「そうなのか? てっきりどちらかを

狙っているとばかり思っていたが?

珍しいやつがいたものだ」


少年はそういえばと口にして


「まだ名前を言ってなかったな、

私の名前はエイト・メイギス。

よろしくな」


そう言ってエイトはユリウスに手を

伸ばした。


「じゃあこっちも、俺の名前は

ユリウス・アーカイド。 こちらこそよろしく」


ユリウスはエイトが差し出した手を握り、

握手をした。


「しかし、二人とも中等部の頃から

(主に男子に)かなりの人気があるが、

彼女たちとあそこまで仲良くなれた男子は

君以外に居ない。


君達はどうやって出会ったんだ?」


「ああ、それは最初にレミナさんが

盗られたバッーーー」


そこまで言ってユリウスは口を止めた


「レミナ嬢が盗られたバックをどうしたんだ?」


エイトは『バッ』という言葉でバックという

単語に辿り着き、その先を質問した。


「あ、すみません。 実は町中でレミナさんが

俺がバックを盗られて困っているところに

声をかけてくれて一緒に犯人を探して

くれて、取り返してくれたんです」


「そうかそうか、レミナ嬢が一緒に

バックを......くっくっくっ」


突然エイトが小さく笑いだした。


「エイトさん?」


「ああ、すまない。 実は私は

レミナ嬢と君の出会いを知っているんだ」


「え?」


「偶然見かけてな。 ユリウス、君は

今レミナ嬢がバックを盗られたことを

隠そうとして自分が盗られたことにしたな?

もし誰かに言えばレミナ嬢がだらしないと

思われるかもしれないからな。


これはあの二人も気に入るわけだ」


うんうんとエイトは一人頷き


「あのバックの中には恐らくペンダントが

入っていたんだろう」


「ペンダント?」


「ああ、貴族は自分の家を証明するために

ペンダントを持ち歩いているんだ」


エイトは首にかけられたペンダントを

持ち


「私の場合はこれだ。 ペンダントを盗られる

のは貴族として最も屈辱になる。

そのことが周囲に広がるのもな。

それなのに君は無償で助けたんだ。

気に入られるのは当たり前だろうな」


「無償ではないですよ?」


「そうなのか? 一体何を要求したんだ?」


「冒険者ギルドの場所を教えてくださいと

要求しました」


「.......................くっ」


「え?」


「あっはははははは!それのどこが

要求だ! そんなもの道を歩く赤の他人にでも

聞けば済むというのにそれを要求として

理解するとは...!」


エイトは心底愉快そうに笑い


「気に入った。 クラスは違うがこれから

私とも仲良くしてくれないか?」


「マジですか!? やったぁ!

ようやく最初の男友達作れた!!」


その言葉にエイトはまた笑いだした。

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