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帰宅した件

「驚きました、お強いんですね」


「あ、いや、別にそれほどでもないです...」


レミナと帰ることになったユリウスは、共に

街中を歩いていた。


「...そういえば気になってたんですけど、

レミナさんってまだ合格してないのに何故

制服を着てるんです?」


「ああ、制服(これ)ですか? ディヴァイス学園は

中等部と高等部があるんですが、私は中等部に

在籍していたのでそのときのものです」


まあ高等部になっても制服はちょっと色が変わる

だけなんですけどね、とレミナは笑った。


「中高一貫ってことですか? それなら試験を

受ける必要はないんじゃ...」


「いえ、中等に在籍していた場合は入学試験のとき

優遇はされますが、だからといって一定以上の

実力が無ければ当然落ちます。 そのほかにも

クラス分けの参考にするという意味もあるので

決して無駄というわけではないんです」


「へぇ、そこら辺はやっぱり名門ってことか」


うんうんと一人ユリウスが納得していると、

レミナはそういえばとこちらを向き。


「ユリウスの属性は何ですか?」


「教えても良いですけど、レミナさんに胸張って言える

ような属性じゃありませんよ?」


そう言うとレミナはジト目でユリウスを見つめた。


「え?」


レミナはユリウスの胸元にトンと人指し指を当て


「レミナ"さん"だなんて他人行儀ですよ。

レミナと呼び捨てでお願いします」


そう言ってレミナは『ね?』と首を傾げて

ユリウスに同意を求めた。


(ぐぉぉぉ!? わざとか!? わざとなのか

この人!? いや、これ天然か!?)


「...ユリウス? 大丈夫ですか?」


「大丈夫です、えっと...レミナ」


「...!!」


ユリウスが呼び捨てにすると、レミナは

喜んだ。


「できればタメ口にしてもらいたいなーなんて...

駄目ですか?」


レミナがさらなる要求を求めたが

ユリウスは首を縦に振らなかった。


「実は生まれてから人と話すときは敬語しか

使ってなくてですね...もうクセになっちゃって

まして」


面目ないといった感じでユリウスは

頭を掻いた。


「そうなのですか、なら仕方ありませんね。

それで、話がそれてしまいましたが、

ユリウスの属性は何ですか?」


「治癒です」


「え?」


「治癒です」


レミナは足を止め、ユリウスを見て固まった。


「えっと...レミナ?」


「...いです」


「ん?」


「凄いです...凄いです凄いです!」


「うわっ!?」


いきなりはしゃぎだしたレミナにユリウスは

驚いた。


「凄いって...ただの治癒魔法使いですよ?」


「いえいえ! 治癒魔法の使い手の方が

ここまで強いだなんて聞いたことがありません!

一般的に治癒魔法士は診療所や教会などの

非戦闘員が多いので、ユリウスのような

強い治癒魔法士とは初めて会いました!」


そういうもんなのかね、とユリウスが

思っていると、レミナはユリウスの両肩に

手を置き、ズイッと顔をユリウスの顔に近づけ


「私、貴方に対する興味が尽きません!

もっともっと貴方のことが知りたいです! 」


レミナは興奮してキラキラとした目で

ユリウスに詰めかかった。


(これもはやちょっとしたプロポーズな

気ががががががががががが)


ユリウスはショートしそうになる頭を片手で

押さえ、この状況をどうするか考え始めた。
















実技試験終了がしたとき、試験官が

集まって会話をしていた。


「いやぁ、今年も骨があるやつが多いな、

喜ばしいことだ」


「特にお前が負けたところなんて驚いたぜ、

相当強かったのか? あの坊主」


「ああ...アイツは戦っているとき、俺のこと

なんてまったく眼中になかった。

むしろ周りで戦っている今後ライバルと

成りうる試験者の戦いを見て情報を集めていた」


「なんだと!? お前を相手にか!?」


「ああ、しかも、全員が勝負をつけ終わるやいなや

俺を軽くあしらって勝利を掴みやがった。

アイツ...只者じゃねぇ...」


「おいおい、唯一の手加減なしの鬼試験官

"ベルグ・キース"のお墨付きをもらうなんざ

恐ろしいやつも居たもんだなぁ」


ハッハッハと試験官全員が笑うと、

ベルグはニヤリと口角を上げ


「本当に楽しみだ。 あいつの...



ユリウス・アーカイドの本気の力が...な」

ベルグさんはこの日ユリウス以外に

負けていません。


それと、試験官に勝つのは普通ではありません。

あのときの5人が異常なだけです。

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