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貴族と昼飯を一緒に食べた件

ユリウスはレミナと昼食を食べることになったが、

プレッシャーに潰されそうになっていた。


(やばいやばいやばいやばい...!

何でこの人と飯食う流れになってんだよ...?)


「しかし...貴方は不思議な方ですね」


「えっ?」


「私がノーツ家と名乗っても態度を

変えませんし...それに、初めて会ったときも

代価をまったく求めませんし...」


「代価...?」


なんのことだろうか? とユリウスが首を傾げて

考えていると、レミナはその答えを言った。


「私のバックを取り返してくれたことですよ。

貴族にそういう恩を売るような行為をする

場合は過剰な見返りを要求する場合が多いんです。

貴族の長女なのに意識が低すぎるんじゃないか?

このことが広まったらノーツ家はだらしないと

思われるんだろうな...なんて脅迫するような

こともあるようです。

お父さんにはよく『お前は可愛いんだから代価として

その身を差し出せなんて言われるかもしれない。

気を付けるように』なんて言われていまして...。

そんなことはないとは思っていたんですが

いざそういう場面になると怖くなってしまって...」


「ああ、そういうことですか...」


なるほど、とユリウスは納得し


「怖い思いをさせてしまって申し訳ありません」


「いえいえいえ! 謝らないでください!!

貴方のお陰で助かりましたので!!」


レミナはブンブンと腕を振り、ユリウスの負い目を

否定した。


「...そういえば、何故貴方はあのとき私を

助けてくれたのですか?」


レミナは不思議そうにユリウスに聞いたが、

ユリウスは一瞬考えたあと


「助けるのに理由なんていります?」


ユリウスは当たり前のようにそう言った。


「...え?」


レミナは愕然としていた。


「少なくとも俺は困っている人が居たら

出来る範囲で手を貸すように教えられて...

って...あれ?俺、変なこと言ったっけ...? あれ?」


ユリウスがわたわたと慌てていると、

レミナは満面の笑みを浮かべ


「変ではありません...とても素晴らしい

考えだと思います」


そう言うと、レミナはユリウスの手を

両手で掴んだ。


「うへぇあ!?」


「例え試験に不合格になっても...貴方とは

これからも仲良くしていきたいです。

改めて、よろしくお願いたします」


「っ...! はい...」


ユリウスは顔を真っ赤にして下に俯きながら

返事をした。


(うわぁぁぁ! なんなんだよこれ! なんで

不意に手を掴むんだよ! なんかすべすべだし

柔らかいし何がなんだかわからないぃぃぃ!

誰か助けてぇぇぇぇぇぇ!!)


そのとき、ユリウスに救いの手が差し伸ばされた


「昼休憩終了だ、これから実技試験の会場に

向かう。 着いてきてくれ」


(試験官さぁぁぁぁん!! ベストタイミング!!)


ユリウスは心の中で試験官にサムズアップした。


「あら、どうやら休憩が終わりのようですね。

それでは、共に会場に向かいましょうか」


(あ、でも逃げられないんですねわかります。

周りの視線が痛いんだよなぁ...)


ユリウスは周囲の視線に耐えながらも

実技の会場へと辿り着いた。


「それでは、これから"ディヴァイス学園

入学試験:実技の部"に入る。

実技の部では魔法の才能については問わない。

お前たちの純粋な力を試させてもらう。

そこに木製の武器が用意してあるだろう?

そこから好きなものを取り、我々試験官と

模擬戦をしてもらう。 ここには5つ試合場が

あるので、5名ずつ試験を受けてもらう。

ルールは魔法の使用禁止、制限時間は3分、

無理だと思えば降参するのも有りだ。

気絶したらその場で強制終了とさせてもらう。

いいな? 」


試験官の確認に試験者は頷いた。


「それでは、最初に試験を受ける者の

名前を呼ばせてもらう。 順番はランダムだから

いつ呼ばれてもすぐ対応できるようでに

準備しておけ。


それでは、名前の発表だ、呼ばれた者は

前に出てきてくれ!


ネヴルス・ブイルフ


チノル・カミユサス


レミナ・ノーツ


ゴープ・ブランシュ



そして最後

ユリウス・アーカイド


今呼ばれた奴等は前に出てこい!!」


(初っぱなかよチクショォォォォォォ!!)



自分は自らの運の無さを嘆きながらも

木製の剣を取り、試合場へと向かっていった。

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