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理想の島/運命の赤い糸  作者: 大和香織子
運命の赤い糸
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 蓮って呼び捨て⁈いきなりそれはちょっと!でも結婚とかしたら蓮って呼んでみたいかも。蓮君と、もし、いやきっとそうなんだけど結婚したらさ、蓮君が主導権握る感じなのかな?

でも、最近は女の人が強いご家庭が多いし、その方がうまくいくって言うよね。

うちの母親だって、かかあ殿下ってやつだし。でも仲はいいから上手くいくって言うのは間違ってないとおもう。

 うちの場合は父親の方が母親を好きで好きでたまらなくて結婚したクチだから、そういうのも関係あるのかな?

 でも、蓮君になら、色々言われてもハイハイって言える気がするなあ私。


そして、迎えた待ちに待った金曜日の七時。

ひより和食の前で、スーツ姿の蓮君が立っていた。あまりのかっこよさにクルクルと眩暈がしそうだ。なんてスーツが似合う人なのかしら⁈


「蓮君、ごめんなさい待たせてしまって」そう言いながら駆け寄ると、ものすごい笑顔で私の顔を見ていた。


「ううん、大丈夫。中に入りましょうか?」

 中に入ると、医杉様という札がある座敷に案内され、ヒールを脱いで腰かけた。

「何飲みます?僕は生ビールにします」

「私も生ビールで」

「とりあえず生ビール二つください」


店員さんが障子を閉めるとそこは二人だけの空間になってしまって途端に恥ずかしくなってしまった。いきなり二人きり⁈店の中とは言え、周囲の目が届かないじゃない!心臓が大きく動く音が聞こえる。

 今日のスーツ姿がまた素敵で見ているだけでお腹がいっぱいになってしまいそうだし。


 

「いきなりこんなこと言うのも……ですが、僕あれからずっと可憐に会いたくてたまらなかったんです……」

「えっ……」面と向かってそんな照れ臭い事を言われたのは初めての経験だった。まるで自分がテレビ画面の中にいて、ラブストーリーを演じているようだった。


「あ、すみませんそんな事をいってしまって」

「ううん、ありがとう、嬉しくてなんて答えていいのか分からなくて……」


「そうですよね、僕も自分で毎回驚いてしまって。最近知りました。自分が積極的に動けるタイプなんだって事を」

なんで敬語なんだろう?私が年上みたいじゃない。


「え~本当に?あのさ、敬語はやめない?私だって敬語使わないから」

「そうですね」

「ほらまた敬語」

「本当だ。この前の可憐みたいです……みたいだ。すみませんってずっと言ってたよね」

「確かに(笑)」


「ねえ、何を食べようか?好きな物を適当に頼んでいいから」

 そう言われて蓮君に手渡されたお品書きを受け取り中を開くと、その値段の高さに目玉が飛び出しそうになった。


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