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しかし、パニックになってしまっている野西ヨシは、そのまま逃げようにも腰が抜けて動けなくなっているようだった。
しっかりと横萩一郎の頭に狙いを定める。
そして、バンッと一発撃つ。
見事頭に命中した。
「ぎゃあああああああああああああああああああ」と動けなくなってしまっている野西ヨシはその場で悲鳴を上げた。
しっかりと野西ヨシの心臓に狙いを定めて、バンッと打つ。
今度もしっかりと命中し、自分の腕の良さには感心した。
名簿を取り出し横萩一郎、遠山銀二、野西ヨシの名前を線で消す。 <残人口41名>
――― 丹谷清子
「ヘブン様ヘブン様、お助け下さいませ。幸せになりたいんです~セブン様セブン様、お父ちゃんをどうかお助けくださいませ、幸せになりたいんです(※「一家」参照。小説家になろうにて掲載中)
これだけヘブン様にお祈りを捧げたんだから、きっとお父ちゃんは生きて帰る。間違いない。
「ヘブン様~ヘブン様のお力で、お父ちゃんの生命をお守りくださいませ。幸せになろう~」100回は繰り返し願い、救いを求めたのだから大丈夫だと言い聞かせるも、今日の色々な出来事を見聞きしてどうしても不安が収まることはない。
いつもならこれで大抵の怒りや不安やストレスが解消するというのに。
いやいや、そんな事を言えばヘブン様がお怒りになるに違いない。
しかし、ヨネコばあさんも、ヘブン様の教えに従っていさえすれば、あんな無残な事にならなかったというのに。
ヘブン様のお怒りを買って罰が当たったんだよ。
大体、天の風は宗教なんかじゃねえ。ヘブン様の教えが素晴らしくて人が集まっただけで宗教団体ではねえというのにヨネコばあさんは、頭が固いものだから宗教だ、宗教だって騒ぎ立てて。
ヘブン様の悪口なんていうもんだから、あんな死に方したんだよ。
おらが巻き込まれなかったのはヘブン様の教えを忠実に守っているからだ。きっと父ちゃんも大丈夫だ。
父ちゃんが帰ってきたら、天の風に電話して寄付を申し込むこもう。ますます幸せがおらの所にやってくる。




