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理想の島/運命の赤い糸  作者: 大和香織子
第三章窮追
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第三章窮追


名簿を確認する。


『 花丸ハナ 花丸二次 遠山銀二 徳永浩 酒井恵子 野下修 渡山博 口谷達也 木高勉 藤石隆 山橋智子 池伊久美子 浦田フネ 佐本ツネ 土吉崇 秋部ヨシ 田浜文子 星石清子 崎谷義男 横萩一郎 石月実 本浦はる 浅方トミ 篠栗三子 早山千代

井鳥正子 関石ハナ 尾下茂 坂倉正一 多山フミ 寺野田きみ 野島ヨシ 嶋岸秀雄 榎山一郎 好岡貞子 日井正 石赤勇 丹谷清子 城黒千代子 柳青正雄 平園一 桐石静子 永宮キヨミ 堀柳久子 柏崎勇 難谷四朗 米井サチ 松加信子 緑清二 千田賢吾 酒井敏子 立今弘 脇西昭 袋山八重子 呂戸早紀江 高沖明 白内昇 猪田良子 』

 

 花丸夫妻の家から参りましょう。

 軽トラックに乗り込み、花丸夫妻の家の近くに車を停め、銃に弾が入っていることをしっかりと確認し、インターホンを押す。


「はいはい」と中から声が聞こえてくる。

銃を右手でしっかりと持ちそして左手人差し指を左耳の穴の中へと入れる。中からもんぺ姿のおばあさんが出てきたところで拳銃の引き金を引きバンッと一発撃つ。

 おばあさんは、その衝撃で後ろに倒れ込み、動かなくなった。


 おばあさんの身体を跨いで、中へと入っていく。

「なにごとだ?ばあさん、猟銃のような音がしたが……」のそのそと足の悪いおじいさんが杖を突きながらこちらにやってきくる音を訊いてもう一度引き金を引く。


 そして、おじいさんが廊下に来たところで、左耳を塞ぎそして一発心臓を目掛けて打ち込む。

 銃声が耳の中に響き渡り、周囲の音が聞こえなくなる。そしてそれを解消させるようにブルブルッと頭を左右に揺らす。台所に行き、冷蔵庫を勝手に開け近くの椅子に腰かけ、そして浅漬けに醤油をたらし、水をゴクリと飲む。


 名簿上の花丸ハナと花丸二次の名前を赤線で消す。<残人口57名>


 

 続いて、少し離れた隣の家の猪田良子の家に向かう。

ドアにはきちんと鍵がかけられている。インターホンを鳴らす。

しかし、応答はなく雨戸が強風でカタカタ鳴る音が聞こえるだけであった。


 更に隣の家の榎山一郎の家に周り、インターホンを鳴らす。

 ガチャがガチャと鍵を開ける音が聞こえた後に扉は開いた。

「誰だ」


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