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理想の島/運命の赤い糸  作者: 大和香織子
第一章 はじまり
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10

そして、みんなそれぞれ名前を書いてもらって人数をまず確認する。36人。


ホワイトボードに全員の名前を写していく。


その後は、ホール内で自由に過ごすこととなり、私はその紙を見ながら、


「閻魔祭まで行ける船って何人くらい乗れるんだっけ?六十人?」と鉄三さんに聞いた。


「いや、最大70人だ」


「それじゃあ二回に分けて行ったって事は、70人があの船いっぱいに乗ったって事になるわよね?」私がそういうと鉄三さんは「そうだ」といって頷いた。


「この島の人口って何人だか分かる?」


「それは……おい二郎さんこの島の人口って百何人だっけか?」


「156人だ。間違いない。このまえ静雄さんが亡くなる前にその話になったから間違いねえ」


「156人か。銀さんが運転する小型船には何人乗ったか分かる?」


「10人乗せてたよ。もう一人行きたそうだったけど定員オーバーだからと言っていたしな」二郎さんがそう言って少し呆れているように見えた。


さっき、和室にいたメンバーを数えると、9人でしょ?あれ?そういえば和夫さんの姿が見当たらない。


 紙を見て確認するが和夫さんの名前が見当たらない。


「ねえ和夫さんが見当たらないんだけど。さっき、和夫さんを探しにトイレまで出て行ったんだけど、どこにもいないのよそれで紙にも名前がない……どうしよう嫌な予感がする」


 その時、急にホールの電気が次々と点き始めた。

「電気が点いたぞ」


「停電が直ったんだ」


そんな声と共に、パチパチと拍手をする人もいる。

しかし、そのうちにシャーッと遮光カーテンが勝手に閉まり始めて、そして灯りが再び消え舞台からスクリーンがゆっくりと下り始めそして急に映像が流れ始めた。


みんな呆気にとられながらも、上映が始まると皆スクリーンの方に目を向け始めた。


 そこに映し出された映像は、畑が広がり農作業をしているこの町の人々が映し出されていた。


「銀さんが真面目に畑仕事しよるじゃないか」


「鉄三さんの軽トラ運転する姿は何回も見とるし、いらんよねぇ」その声で皆がドッと笑った。


そして、島の自然豊かな街並みが流れた後に、今度は静子さんとヨネコさんが二人で外のベンチに腰掛け話をしている様子や、木のテーブルの上に並んだ料理をつつきながら、玉緒さんや金子さんら6人ぐらいが集まって楽しそうにしている姿、井戸端会議の様子が映し出されていた。


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