第六十一話 覚悟の覚醒
上杉達の呼びかけによって、イスバール・カシミールそしてミリアの各国が世界戦略を企むアイリスへ戦いを挑む事を約束した情報はすぐにアイリスへも入り、リレイズの世界はまさに一色触発の状況を迎えつつあった。
対アイリス側で最初に動き出したのが、この戦いを発起したイスバールで、カシミールとミリアへこれから始まる戦いを告げるかのように城内に巨大な狼煙を上げる。
その理由は参戦する他国に戦争の始まりを告げる目的もあったが、敵であるアイリスへ出陣を知らせる事で敵が自国の防御を固める方が奇襲攻撃よりも相手の行動が掴み易いとスミスが提案し、それを上杉達と協議した結果この手法を取る事を決めた。
だが、この戦法では出陣を知ったアイリスの待ち伏せ攻撃を受ける可能性に不安を残していた上杉だったが、『負のエネルギー』の補充が完了していない事でリプレイスを使う事が出来なかった今のアイリスは幻想の兵を作る事が出来なかった為、この戦法と仕掛けるタイミングが絶妙だった事はこの時点で上杉達は知る由もなかった。
イスバール城を背に先陣を切る上杉は、自身の後ろに控える多数のプレイヤーとキャラクターへ気合を入れ叫ぶと、その声に答えるように大勢の兵士が上杉の言葉に続き叫ぶ。
上杉達の掛け声に集まったプレイヤーは三万。
これはリレイズ時代に日本でプレイしていた人数としては半数に近い人数であり、その数は転移後の世界でアイリスがプレイヤーを独占している事を考えれば驚異的な数値で、その実態をほぼ把握しているアイリスは、これまで各国へ分散して派遣していた兵を全て城へ戻し襲撃に備える必要が迫られる程の規模であった。
リレイズを討伐した事でプレイヤー達から反感を買っていると感じていた上杉であったが、それこそが現実世界へ戻れないプレイヤー達の覚悟を決めさせる切っ掛けになった事もあり、これからの世界は自分達で切り開く決意と、今まで積っていたリレイズを我がものにしよとするアイリスへの不満が爆発した事で上杉達との利害が一致し、その情報を把握していたスミスは上杉やリシタニアと共にイスバール内で呼び掛けを行なった事で、イスバール内のプレイヤーとキャラクター達はアイリス討伐へ立ちあがる事を決意した。
イスバールからテネシーを経由し大陸綴りになるアイリスの領地へ辿り着いたイスバール軍は翌朝に控える戦を前にここでキャンプを行う事にし、その日の夜会は明日の戦を前に豪華な食事と酒が振る舞われ、『バウンダリー(境界)の破壊』により不死の体で無くなったプレイヤーは、キャラクターと同じ境遇になった事で意気投合し、最後の晩餐とばかりに羽目を外し賑やかに夜会は進む。
その賑やかさを嫌うかのように近くを流れる川へ移動したリシタニアは、近くにあった大木に腰をおろし、静かに流れる川の音を聞きながら物思いに更ける。
リシタニアは思い悩む。
結局、私は戦いでしか解決できない事なのだろうか。
これまで戦場の中で生きた人間であったが、上杉達と出会った事で多少の思想を持つ事は出来た。だが、それでも考えた末の結果は、これから自身の母国を攻める事で、その戦いの後に私に待っている物は一体何だろうか。
河原を歩いていた上杉はリシタニアの存在に気付き近づくと、いつもの凛とした彼女の姿ではない神妙な表情をするリシタニアに心配する上杉が話し出す。
「リシタニア、どうしたのですか?」
「・・・いや、別に何もない」
「遠目からみると、いつものリシタニアと違って、元気というか、いつもらしさが感じられなかったから」
「・・・そうか、そなたに私がそう見えているか」
上杉の言葉に納得したかのようにリシタニアは軽い笑みを見せると、河原の光に照らされ妖艶に輝くブロンドの髪を揺らし上杉に手を差し出し自身の隣へ案内し座らせると、一つ大きく溜息をつき口を開く。
「・・・私は、戦争でしか成し得ない平和があると思いこれまで戦って来たが、その先にあるのは真の平和だと信じていいものだろうか。私がこれからしようとしている事は、自身の母国であるアイリスを力で抑え込もうとしている事だ。民を守る為に使う力を母国へ向ける事で、その先に本当に平和な未来があるのだろうかと・・・」
「人は平和の裏で危険を冒していて、その危険がある事で平和が存在すると俺は思いますけどね。平和は裏表のバランスの上で成り立っているんじゃないですかね」
「そなたは、戦争を悪ではないと言うのか」
「・・・いや、川上と違って俺はリアルな戦争での繋がりをこの世界で体験したばかりの人間だから、リシタニアや川上に意見出来る立場じゃ無いとは思ってるけど・・・」
「いや、そなた達のそう言った率直の考えは私に無い思想だ。是非聞かせて欲しい」
リシタニアの質問に、リアルな戦争環境に身を置いてまだ日が浅い自身が戦争と平和を語る事に抵抗を感じ照れる表情を見せる上杉は、リシタニアの言葉を受け少し照れくさそうな表情で話す。
「・・・俺達はリレイズの中でしか戦争は知らないし、それまでは死んでも再び生き返る不死の体だったから、死はリレイズを攻略する為に必要不可欠だったゲームでの過程に過ぎなかったけど、自分の好きだった場所や人を守る事は、『バウンダリー(境界)の破壊』で俺達もリシタニア同様に不死の体じゃ無くなった今でも変わっていない。俺は、この世界になり、唯一残った大切な『家族』を守る為に戦う。例え、その先に待っている敵がどんな者であろうと・・・。だから、リレイズでは戦争を嫌っていた川上も、守るものがいたから自ら戦場へ行ったと思うんだ。」
「・・・そうだな、そなたと同じで守るものがあれば他の理由なんて二の次なのかも知れないな。私は正直、自身の母国であるアイリスを攻める事なんて今まで考えた事も無かった。だが、迷いは無くなった。私はイスバールの一兵士としてアイリスを攻め『家族』を守る。それが、今の私の思想だ」
「リシタニア・・・」
上杉の表情を見ながらダークゲートの時と変わらない彼の思想を感じていたリシタニアは、今まで踏ん切りが付かなかった生まれ故郷であるアイリスを攻める事への迷いが消え、その先に見えた上杉同様の『家族』を守る決意をしたリシタニアは力強く立ち上がる。
翌日、悲しい程に淀んだ厚い雲が重なり合い、その隙間から大量の雨が降り注ぐ薄暗い天候の朝。
上杉率いるイスバール軍は、アイリス城が目の前に見える丘まで進出する。
城壁から見える無数のイスバール兵を見つめるアイリス軍の師団長ムスカが、居心地が悪そうな表情で隣に居る村雨に話す。
「まずはイスバールの奴らが来たのか・・・。村雨殿、今回ばかりは江殿の作戦は失敗ではなかったのではないですか?」
「まぁ、ちと後手を踏んでいたかもしれねぇが、菊池が奇襲に失敗した時点でこの事は江も感づいていた筈だし、イスバールが攻めて来る情報は数日前にはアイリスにも入っていたからな。多分あんたが考えている後手ではねぇと俺は思うんだがな」
「・・・では、村雨殿は我が軍が敵を迎え撃つ為に、江殿はわざと行動を起こさなかったと?」
「まぁ、とりあえず俺達は俺達の仕事をしようや。・・・なぁ、ムスカ殿」
「まぁ・・・それだけは貴方と意見が合う所ですな。全員!戦闘配置に着け!」
今回の戦略は明らかに後手に回っていると感じるムスカは村雨に江の作戦の真意を聞くと、村雨は言われた仕事をこなすだけと目の前のイスバール軍に背を向け指令室へ戻りながら話し、その意見に同意したムスカが城壁に兵を集め始める様子を背にしながら、江がミハエルと仁王時に別行動をさせている事が未だに心の隅から離れない村雨は、江の真意は別にあると感じていた。
イスバールとアイリスは互いに巨大な砲台を持ち出し遠距離攻撃を始め、互いの戦力削減を図り始めると、ラムダで開発した弾薬が入る砲弾が無数に飛びイスバール軍のプレイヤーやキャラクターへ着弾し砲弾の爆風を受け飛ばされると共に、イスバール軍の砲弾はアイリスの城壁へ激突し、前線で攻撃をするアイリス兵を城壁から弾き飛ばす。
その隙を突いて前線にいる無傷のイスバール兵がアイリス城へ向け出陣を始めると、アイリスも戦闘用の城門から兵を派遣し、城の前では兵士同氏の戦闘が、そして奥では砲台による攻撃が続き、その様子は正しく戦場と呼ばれる過激な姿に変わっていった。
アイリス城へ向かう兵の先陣を切る上杉とリシタニアは、向かって来る矢を薙ぎ払いながら迎え撃つアイリス兵を切り裂き、アイリス軍のみが持つ鉄砲兵を上杉の『神速』とリシタニアの『風竜の舞』で大勢のアイリス兵を薙ぎ倒す。
アイリスの城門前まで進んだイスバール軍は、イスバール側の召喚士が放った従者を使い城門をこじ開けると上杉達を先頭にアイリス城内へ潜入し、広大な城内を分散するイスバール軍は、戦闘に居た上杉軍は正面へ、その後ろに居たアイリス軍は上杉と違うルートを取る。
城構造を知り尽くすリシタニアが迷いなく最上階へ進む途中、その通路の途中で自身が知らないルートを発見し、自身の方へ少数の兵を分け分散させる。
暫く進んだ先にあったのは暗く湿った雰囲気の地下牢で、そこには既に腐敗した死体などが転がり辺りは異様な腐臭を漂わす。
「リシタニア殿、ここを御存じなのですか?」
「・・・いや、私も分からない。私も城の内部は詳しい筈なのだが、こんな所は見た事はない」
何かの実験を行っていたような不気味な牢獄を進んだ先には、リシタニアの到着を待っていたかのように、赤いラインが目を引く中国古代の甲冑を身にまとった戦士が立ちはだかり、その手には不気味に光る漆黒の弓を持っている。
即座に敵だと判断したリシタニアは剣を構え、それにつられるように他の兵士も武器を構え戦闘態勢を取った瞬間、無数の光が放たれるとプレイヤー以外のイスバール軍の戦士は射抜かれた矢が心臓を突き刺さされた事でその場に崩れ落ちた。
「今のは何だ!魔法か!?」
「皆の者落ち着け!その攻撃は目の前のヤツからのだ。ヤツから目を離すな」
混乱渦巻くイスバール軍を落ち着かせる為リシタニアは叫ぶが、生き残っていたプレイヤー達は襲い掛かる第二波を受け絶命し、リシタニアの軍は自身を残し全滅する。
鋭い視線を先に居る戦士へ向けたリシタニアに三度繰り出された光の攻撃を風竜の舞で弾き飛ばすと、戦士は口を開く。
「待っていたぞリシタニア。アイリスの裏切り者であるお前は俺の手で仕留める」
「そなたは何者だ。アイリスの回し者だな」
「俺はネクロマンサーの秦と申す。我がアイリスの神を裏切り愚かな人間どもに加勢したお前を、俺は絶対許さない。まずは異教徒のプレイヤーどもは始末した、次はお前だ!」
秦は手に持つ弓を上げ弦を引くと、そこにはそれまで無かった筈の矢が光となり現れ、リシタニアへ放たれたそれは目の前で拡散し襲い掛かる。
リシタニアはその攻撃をかわしながら間合いを詰め、秦の間合いに入ると即座にサーベルを振ったリシタニアの攻撃を秦は後ろへ下がる事で紙一重でかわし再び弓を構えると、至近距離に居るリシタニアへ先程までとは違う巨大な光を発する矢を放ち、その攻撃を回避出来ないリシタニアは剣を前に出しその光を受け止めに入る。
だが、それを予想していたかの様な秦は腰に刺していた鞘から刀を抜きリシタニアが剣で攻撃を受け止めている死角側へ迫ると、突如現れた秦の刀の攻撃を防戦する為に左に持つ盾を向ける為状態を逸らすが、その行動分が防御に間に合わず秦の刀がリシタニアの脇を切り裂く。
戦闘の用の鎧を纏っていた為に内臓へのダメージは無かったが、かわし切れなかった秦の刃がリシタニアの鎧を切り裂いた事で脇からは血が滲み始めるが、今の攻撃で秦の職業を大よそ把握出来たリシタニアは、血がにじむ脇を抑えながら秦を睨む。
「・・・なるほど、その素早さは『アサシン』であったか。弓矢を持ちその機敏さから盗賊だと思っていたが、そなたの二次攻撃がこれ程高速で力強いものだと想定していなかったな」
「俺の職業を分かった所で、お前の動きを封じれば問題は無い。しかも、俺にはまだ隠し玉はあるからな」
「・・・そうか。なら、奥の手を見せて貰う為には、もうひと踏ん張りしないといけないようだな」
まだ奥の手を持つと話す秦の言葉に動揺を見せずおもむろに立ちあがるリシタニアに、秦は容赦なく弦を引き光の矢を放出し、動きの鈍ったリシタニアでは全てを避け切る事は出来ず、サーベルで防ぎ切れなかった矢がリシタニアの足に刺さりその場へ倒れ、その姿に秦はうすら笑いを浮かべる。
「『美しき暴君』と言われたリシタニアも、異教徒どもと共存した事で随分と弱くなったものだな」
「別にアイリスを抜けた事で実力が弱ったとは感じていない。もし、そうだったとしても、私自身で選んだ道だ、この結末にも後悔は無い」
「・・・そうか。だが、そう言った思想を持つ事が、俺が異教徒どもの考える事で一番恐れている事でもある。だからリシタニア、お前はアイリスの為に死んでもらう」
秦の話した言葉で、自身が弱くなっている事はリシタニア自身も感じている部分であり、これまでの力は幾度の戦場で生き死線を乗り越えて来た環境で得られた力で、『美しき暴君』と言われた二つ名を感じさせられない現在のリシタニア自身も環境で変わる戦闘能力に関しては実感していた。
だが、上杉達との出会いは自身にとって、それは戦力ではマイナスであったがそれ以上の有益だったと今も思っているリシタニアにこの場で死ぬ事への後悔は一切無く、命が尽きようとする今の心境にこれまでに感じた事のない程清々しい思いがよぎっている。
だが、命を賭けリレイズと仲間を守ろうとした東や川上を思い出したリシタニアは、世界の平和を願った彼らから引き継いだ意志に何一つ貢献出来ていないと感じ、秦の言葉に安堵していた自身はただ現実から逃げたいだけで己の自己満足だけだと気付く。
次の瞬間、意識が戻り目の前で刀を振り上げる秦の姿が目に映ったリシタニアは、無意識の内に剣を握る手に再び力を込め、目の前の秦へ叫ぶ。
「私は、まだ死ぬ訳には行かない。世界を・・・この世界を変える使命が私にはある!」
「何をたわけ事を。世界は我らアイリスの神が変えてくれる!」
リシタニアの言葉に反論した秦が頂点まで振り上げた刀をリシタニア目掛けて高速で振り下ろし、その刀がリシタニアの顔の手前へ到達した瞬間、刀は人を切った音では無い鈍い音を立て、その状況が唯一見えている秦は驚きの表情を見せる。
「・・・お前は風竜派の使いだった筈が、なぜ土竜派の技を・・・」
動揺を隠せずにいる秦の刀を受け止めているのは、土竜派が使える防御技である浄土壁で、風竜派であるリシタニアは出せる筈の無い技に動揺を見せる秦と共に、リシタニアも同様に驚きの表情を見せるが、自身のサーベルに纏わっている土を確認したリシタニアは、その技を繰り出したのが自身であり、なぜその技を繰り出せたのかが突如閃いたかのように浮かぶ。
それは、自身が使ったその技が以前シャーラで戦った東が使った土竜派の技であり、目の前で見たその技を無意識に繰り出した事で土竜派の技である浄土壁を作り出していた。
・・・結局、私はまだ死んではいけない人間なのかも知れない。
自身にそう東が語ったのかのように感じたリシタニアは、ここへ来て上杉達同様に『バウンダリー(境界)の破壊』により得られた相手の技を習得出来る特殊能力『プロフェッサー』を習得し、その技は竜派を問わず、戦士職であるリシタニアの使えない魔法関係以外であれば一度見た技を習得出来るようになったリシタニアは、その能力同様の二つ名を持つ『プロフェッサー』として生まれ変わった。
形勢はいまだに有利な状況であったが、先程の動揺から戻れない秦は、再び未知の攻撃を恐れ一旦距離を取ると、立ちあがったリシタニアは秦へ向け叫ぶ。
「私には、私を支えてくれる者達が居る!その者達の為にも、戦略を続けるアイリスを倒し、平和な世界を実現しようとする『家族』の為に、私は戦う!」
「たとえお前が新しい能力に目覚めようとも、その体ではどうしようもないだろう!」
「私には、まだやらなければならない事がある。だから、ここでお前にやられる訳にはいかないのだ!」
よろめきながら立ちがったリシタニアが、ありったけの力を振り絞り振り下ろされサーベルが地中深く刺さると、その刃先は突然秦の足元から突如現われる。
それは以前、東がリシタニアとの対決で見せた土竜派奥義『浸食』で、土に溶け込んだリシタニアのサーベルは不意を突かれた秦の真下から現れるが、それを交わす事を諦めたのか、秦はリシタニアの放ったサーベルを己の体で受け止める事でリシタニアの攻撃を封じ、喉元に刺さるサーベルをそのままに持っていた刀を鞘へ納め居合抜きのポーズをとった秦は、サーベルの攻撃を直に受けた事で喉元から大量の血を噴き出しがらリシタニアへ叫ぶ。
「この攻撃は確かに不意を突かれた、俺の負けを認めよう。だが、勝負は引き分けって事にしようや!」
最後の力を振り絞った秦は鞘に納められた刀を抜くと、その刃からは矢同様の光る衝撃波を繰り出され、既に動く事の出来ないリシタニアにはその高速攻撃を避ける事も、ましてや反撃する力も残っていない。
世界を平和にする目的は達していない現状に満足はしていない。
だが、この世界を守る為に礎となれた事は誇りに思う・・・。
アサシンのスキルでは考えられない程の高速な閃光を前に口を開く余裕もないリシタニアは、自身の心に最後の言葉を贈る。
これまで戦争を好み人から恐れられていた『美しき暴君』は、今『プロフェッサー』となり、リレイズを取り戻し世界に平和をもたらす為の使者として、完遂では無いがその任務を携われた事には満足していた。
秦の捨て身の衝撃波を受け止める覚悟を決めたリシタニアだったが、既に届いている筈の衝撃波はリシタニアの所へ届く事無く、目の前に現れた女性の奥義によってかき消された。
その女性に似合わない長剣を持つ人物は、リシタニアと同じサイレンスに所属する清水の放った『陽炎』であった。




