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サイバー・バウンダリー  作者: りょーじぃ
第二章 転移後の世界
19/73

第十七話 それぞれの思想

2015/12/20 文構成を修正実施

 ロワングから船で出航した上杉達は、そこから数週間掛けイスバール国のある大陸に辿りつき、船はイスバールより南にある港町ロッテルダムに着く。


 その港町で三人は驚きの事実を知る。

 この大陸の国は既にイスバールではなくアイリスと化していて、リレイズの世界は大陸毎に分けられた勢力図に変わり、現在の王位はリシタニアの弟にあたるピボットが即位し城下町もアイリスの信仰が根付きつつある。


 その話を聞き上杉は、さも今回の転移を知っていたかのようなアイリスのあまりにも迅速な行動力に危険を感じ、このままイスバールへ向かう事は行動が後手に回る可能性を覚える。


「今回のアイリスの行動の早さは異常で、このままでは世界の力の均衡が崩れる恐れがある。だから、一旦カシミールに戻ってアイリスの襲撃に備えようと思っている」


 街の中にある喫茶店のようなオープンテラスの席に座る上杉は、二人にアイリスの次のターゲットの可能性が高いカシミールへ戻りアイリスを迎え撃つ事を提案する。


 上杉はアイリスがカシミールを侵略した場合のシナリオを想定していて、アイリスが世界の半数以上を侵略すれば世界の勢力の均衡が崩れ、間違いなく現実世界との『バウンダリー(境界)の破壊』が起きると考え、それは今回の転移騒ぎの物理的な破壊ではなくプレイヤーの思想によって起こる破壊でアイリス教の思想が神となる、恐怖政治の始まりを恐れていた。


 その話を聞きアイリス教をあまり知らない鮫島はあまりピンと来ていない表情をしているが、その横で静かに話を聞いていた木村は、上杉の提案に意義を唱えるかのように小さなため息を一つ吐いた。


「別に、上杉達が行かないのであればいいわよ。・・・私は行くけどね」

「国自体が不安定な今のイスバールへ行くのは危険過ぎる。それ程までして、一体お前の目的って何なんだ?」


 リレイズでロードになれたプレイヤーであればアイリス教と世界の均衡が崩れる事の恐ろしさを知らない筈はないと上杉は思っていたが、危険と諭したにも関わらずイスバールへ向う事を止めない木村に、そこまでしてイスバールに向う目的を上杉は木村へ問いただす。


「話す程の大した目的じゃないよ」

「だったら、それにこの世界での単独行動が危険なのはお前だって分かっている筈だろ」

「私は高級職業ロードよ、そんな簡単にやられはしないわよ」

「だけど、リヴァイアサンの時言っていたろ。このゲームの攻略は死ぬのが前提になっているから、数回の全滅を繰り返して攻略法を見つけるって。なら、いくらロードでも無双までの強さでは無いのは分かるだろ」


 テラス席で上杉と木村は互いのすれ違う意見に苛立ちを覚えだすと、横で見ていた鮫島が口を開く。


「木村さんは目的があってここまで来たのだからしょうがないでしょ。なら上杉君も一緒にイスバールへ行けばいいんじゃないの」

「だけど・・・」

「元々木村さんとはここまでの約束なんだから、これ以上行くのであれば今度は私達が要望を飲むべきだわ」

「あなた達も付いて来るって事?」

「私も上杉君も、木村さんを一人にする事は出来ないわ。なら、今度は私達が木村さんについて行くわ。それに、一回はあのアジトに戻った方がいいと思うの。川上さんや清水さんが合流するのを待っているかも知れないから」

「まぁ、確かにそうだけど」


 二人の会話の喧嘩をうまくまとめた形で話した鮫島は、自身の考える意見も述べ上杉のその意見に反論無く納得する。


 その日はロッテルダムで宿を取り翌日出発する事にする。


 上杉が自室で明日の出発の準備をしていると扉の叩く音がする。

 扉に向かい返事をすると、室へ入って来たのは木村だった。


「上杉、今大丈夫かな?」

「あ、ああ、別に大丈夫だよ」


 夜も更けた時間の意外な来客に上杉は動揺を隠せないでいるが、木村の真剣な表情を見ると、心の奥に僅かにあったいやらしい期待感は颯爽と上杉の心の中から消え去っていた。


「上杉は現実世界じゃ目立たないようにしているから、こうやってゆっくり話す事は出来ないと思ってね」

「べ、別に好きで目立たなくしてる訳じゃないけどな・・・」


 上杉は部屋の隅にある椅子を木村に差し出すと、自分はベッドに腰を掛け木村の言葉に返答する。


「今回、一緒にリヴァイアサンと戦った時のあなたの動きを不思議に思ってね。あの緻密で軽快な動きは、魔法使いのような後衛職ではなくて前衛で剣を振るう戦士職に近くないかって」

「別にいいんじゃないか?軽快な動きが出来る魔法使いが居たって。だから、俺の二つ名は『妖術士』で前衛が出来る魔法使いが売りなんだから」

「ならなぜ、魔法剣士かロードを目指さないの。今の上杉ならカサードでロードにだってなれる条件は揃ってる筈よ」


 木村が聞きたかった事は上杉の職業の事で、リヴァイアサンと戦った時の上杉の動きや判断力は間違いなく前衛向きで、ヴィショップとしてより、戦士として職業を選んだ方がもっと力があると話す。


 リレイズの職業は、自身の体を基本にしてプレイヤーが出来ているので、現実世界の特技や技を生かした方が圧倒的に有利になるのは知られている事で、それでも上杉が自身の技量に合わないヴィショップを選択している事に疑問を持っている。


「それはお前と同じで、話す程大した事じゃないよ」

「・・・知ってるわよ。あなたが、元剣道を極めようとしていた事をね」

「・・・!?なぜそれを!?」


 本当に、木村はそんな事を知るはずはなかった。

 現実世界では二人の接点は殆ど無く会話すらろくにした事のない関係だったが、リレイズに来れば木村には『見透かしの目』があり、木村は上杉の目から質問した内容の本音を目から読み取る事で、上杉が元剣道部に所属していて全国で名の知れる程の実力の持ち主だと知る。


「あなた、実は剣を持つ職業の方が向いている筈よ。なぜ、魔法使いなんて真逆な後衛職に就いているの?」


 木村の質問を聞き、憂愁ゆうしゅうを感じる表情で俯きながら口を開く。


「俺はその大会以降、剣を持つのが怖くなった。負けた原因は自分の筈なのに、周りに当たり尽くし全て他人のせいにして逃げた。あの時から俺は剣を持つとあの時の逃げ腰の気持ちが過ぎて、上手く剣を振るえなくなったんだ」

「でも、あなたは分かっている筈よ。この世界になってから一番重要なのはメンタルだって事をね。貴方はこのままじゃ、これ程強大になったアイリスに勝てない」

「お前って、予言士か何かか?」

「まっ、深い事は気にしない」

「それより、そこまで話したんだからお前の目的も教えて貰えないか」

「え、私の?」


 『見透かしの目』を使った事で上杉の心を読み過ぎた為の落とし穴に、木村はバツが悪そうな表情で小さくため息をつき口を開く。


「・・・まぁ、上杉の言ってる事も正しいわね。まっ、こんな世界になっちゃ隠す必要は無くなったからいいけど。イスバールへ来た目的は『恩義』なのよ」

「恩義?」

「つまらない話よ、私は初代イスバール王から代々イスバールに使える家臣だったのよ」

「初代って・・・。じゃぁ、お前がこのゲームを始めたのって」

「ええ、私がリレイズの世界へ入り始めたのはゲームが発売される前のβ版だった時よ」


 上杉がリレイズを始めたのは約一年前、その時のイスバールは既に現在の七世でリレイズが始まった時は二世だったのを上杉は知っている。

 しかし木村の話す初代イスバール王はリレイズが正式発表される前、つまりそれは開発段階の話で、初代イスバール王はゲームの最終目的とされる『リレイズの洞窟』で行方不明になる所から正式なゲームが始まる流れになっていた。


 木村が話すβ版を知る人物はゲームを作る製作者側だけであり、そしてその人物はゲーム内の秩序の乱れを観察する衛兵としてリレイズに潜伏する『ゲームマスター』と呼ばれる人物である。


「β版って・・・。お前って、まさか『ゲームマスター』なのか?」

「私はリレイズのゲーム製作に携わったメンバーの一人で、リレイズ内部の秩序を正す為に常に巡回する『ゲームマスター』として、私は主にカシミールの巡回を担当していたの。『ゲームマスター』としての特殊能力は、通常の能力以外に管理用のコマンドと無敵などの設定もあったけど、この世界に転移された後はその特殊能力は使えなくなっているの」


 『ゲームマスター』はリレイズ内の不正や秩序を乱す者を取り締まる衛兵的存在で、ゲーム製作者が直接関わっているという話は周知の知る事だったが、木村はリレイズを作ったメンバーの一人であり、自身が『ゲームマスター』でもある事を話す。

 その時上杉の脳裏を過ぎったのは、リレイズの製作に携わった人物の中で僅か十一歳でありながらアシンメトリーのアルゴリズムを理解しゲーム製作に参加している天才が居ると噂では聞いた事があったが、まさか自分のクラスメイトだった事実に上杉は驚きを隠せずにいた。


「だけど恩義って、ゲーム内のキャラクターになぜそこまで」

「製作当時、まだ死についての設定がされていなかった時に一緒に携わったメンバーがゲーム内で不慮の死を遂げたの。その原因は、ゲーム内で捕らわれ拷問を受けた際の精神的ダメージが脳に蓄積され

 、まだバウンダリーが引かれていなかった脳が精神崩壊を起こし亡くなった。その原因が突き止められた後、死の直前に脳の神経を信号から切断しプレイヤーを消滅させるプログラムを作成する事によって問題は解決したけど、私がログインした時にそれと同時にログアウトが出来ないバグが起き、私はまだ問題の解決されていない未完成のリレイズに一人取り残されたの」


 β版製作中に死者が出た事は有名だった為その事は上杉も知っていたが、その裏で木村までもが命の危機にさらされた事実をこの時初めて知る。


「森で迷った私は途中でアイリス兵に捕らえられ、まだ小学生だった私は死への恐怖に脅えていた。その時に助けてくれたのが初代イスバール王だったのよ。王は見ず知らずの私を助ける為に、勇敢にアイリス兵へ立ち向かい救ってくれたの。それから私は、カシミールの治安を守る衛兵をしながら密かにイスバールの側近として国の繁栄に協力して来た。今回の転移騒ぎでアイリスの不穏な動きを知りイスバールへ来たけど、既にアイリスの手に落ちていたって所よ」

「じゃぁ、お前はこれからどうするんだ。イスバールは既にアイリスの手に落ちたのに」


 上杉の言葉に木村は眉をひそめ、先程までと違い狂気に満ちた表情を上杉をへ向けた。


「・・・私がイスバールを取り戻す、それだけよ」


 その木村の一言は上杉の心に深く突き刺さり、ゲーム内のキャラクタに対してこれ程までの感情を抱く木村の姿に上杉は異様なまでの忠誠心を感じた。


「取り戻した所で、既に王の居ないイスバールを奪還してもしょうがないだろ。イスバール七世はアイリスによって討伐されている筈だ」

「それがあなたの思想であるのなら、私とは考えが違うだけの話。私は必ず何処かで同じ志を持つ人間が居ると信じ、その人間達と再びイスバールを復権する。その為に、まずはアイリスからイスバールを奪還する。『信じる事』それが私の考えるこの世界での思想よ」


 話しを終えたと言わんばかりに会話を終えた木村は、椅子から立ち部屋を出ようと入り口のノブに手を掛ける。


「上杉は上杉の思想を貫けばいい。上杉は、これからアイリスと戦いにカシミールへ行くんでしょ。 私は私で、アイリスを倒しイスバールを奪還する」


 去り際に木村は、互いのこれからを確認するかのうようにドア越しに立ち語り始めると、静かにドアを閉め去っていった。


 翌日、木村が居ない事に気付いた鮫島が上杉の部屋にやって来る。


「上杉君、木村さんが部屋に居ないの!」

「・・・うん、昨日俺の所に来て話をしていった」

「木村さんが?」


 上杉の話に驚いた表情を見せる鮫島に話を続ける。


「木村は、自分の思想に従ってイスバールへ向かうと言って出て行ったよ」

「思想って言っても・・・。今の世界で一人で生きていく事の難しさを話したばかりじゃない」

「ああ、でも彼女はこのゲームの製作者の一人であり、ゲーム内の秩序を正す『ゲームマスター』でもあるんだ」

「彼女がこのゲームの製作者なの?」

「電脳システムであるアシンメトリーを若干十一歳で解明し、リレイズの製作に参加した天才プログラマーが彼女だ。彼女のゲーム暦はそこらのプレイヤーとは比べ物にならない程の達人で、ゲーム内の全てを知る人間だから簡単にはやられはしない。イスバールに恩義がある木村は、国を取り返しイスバールを再建し、イスバール再建を志す者が居る事を信じ待つと言っていた」

「なら、上杉君も一緒に・・・」

「いや、俺はカシミールへ戻りアイリスとの戦闘に備える。恐らくアイリスは間違いなくカシミールを攻める筈で、これ以上アイリスを強大化させるのは、この世界の均衡が崩れる危険がある。なら木村がイスバールを落とす事を期待し、俺がアイリスからカシミールを守れれば世界の勢力は元に戻り安定する」


 リレイズで戦争の経験のある上杉は、アイリスの侵略に危険感を覚えカシミールを守る為の戦争に参加すると話すが、戦争なんて経験の無い鮫島は突然の話に戸惑いを見せる。


 それは現代の日本人であれば当然の事で、それに躊躇無い上杉の方が異常であり、リレイズのクエストで世界の均衡を守る為に配布された戦争に参加した事がある上杉は、こう言った戦争はよくある事かのように説明をする。


「リレイズでは、世界の均衡が崩れそうになる時はクエストが配布されプレイヤーに戦争への参加を募集するんだけど、もしこの戦争をアイリス教団が進めていれば、クエストは配布されない。

 それと今回の転移騒ぎもあって、誰もこの急激な異変に気が付かなかったんだ」

「でも、今は前とは違う世界になっている。もし戦争で何かあったら・・・」

「だけど、このまま事がアイリスの思いのままに動いていたら間違いなく物理的だけではなく、プレイヤーの思想によって『バウンダリー(境界)の破壊』が起こり、無秩序な世界が始まり、この世界はプレイヤーの手で崩壊されてしまう。この世界に来たからには戦闘は避けられない、それはモンスターと戦うリスクも一緒だ。それに、ヴィショップであれば回復魔法で戦士よりも生き残れる可能性は高い。・・・だけど」


 この世界になり戦争に参加する最大のリスクは『死』であり、その脅威を感じる鮫島は、戦争へ赴く上杉を心配する。

 その心配に上杉は、即死で無ければ回復魔法を使う事でリスクは回避は出来ると話すが、上杉は少し間を空けた後、覚悟を決めた表情で再び会話を始める。


「この世界になり、自分がリレイズへ転移されてから感じていた。俺の心の弱さは、この世界では命取りになると。それをアイツは・・・、木村が教えてくれた。俺は、この世界で生きて行く為に転職をする」

「転職って、職業を変えるって事?」

「自分の心の弱さを克服する為には、俺は転職するべきなんだ」

「どういう事、上杉君?」

「俺は中学まで剣道をしていて、家は剣術一家の家系だったんだ」

「じゃあ、なぜ上杉君は今までヴィショップなんて」


 リレイズのシステムを理解している鮫島は、上杉の話に疑問を持つ。

 この世界では現実世界での特技や仕事を生かした職業を選んだ方が有利だという事を、鮫島は目の前にいる上杉から教わった。

 だが上杉は、元々剣道を嗜み家系は剣術一家言う話をする限り、自身が話していた事と実際にゲームで行なっていた事への大きな矛盾を鮫島は感じる。


 戸惑う鮫島に上杉は虚ろな目をしながら下を向くと、力ない言葉で口を開く。


「それが、上杉 新作の正体なのさ。中学まで剣道に打ち込み結構名の知れた選手だったけど、絶対の自信を持って挑んだ中学最後の都大会でまさかの敗退。それを自身の弱さと受け止められず、周りに当り散らし全てを他人や他のせいにし勝手に殻に閉じこもって、剣道部の無い学校に進学して来たんだ。周りと関わりたくない。関わる事で他人に責任を押し付けるチームワークの無い人間。だから、周りを避け一人でいたって訳だ」

「上杉君・・・」


 自身を哀れむような表情で話す上杉は、人に知られる事は恥ずかしい自身の暗い過去を話しだす。

 この世界に転移させられ帰る術が絶望的な状況だからだろうか、その言葉の一言一言は今まで己を戒め新たな覚悟を誓うようにも感じ取れ、その話を聞いた鮫島はベッドの上で塞ぎ込む上杉の横に座り直す。


「でも、この世界を教えてくれたのは上杉君よ。私の無理矢理なお願いを聞いてくれたのもそう。確かに学校での上杉君はあまり目立たない存在だったけど、この世界での上杉君は、もの凄く輝いていて頼もしい存在で、それは現実世界の悩みよりもこのゲームに必死になっているからでしょ。この世界を生きる為に最善を尽くし必死に生きている今の上杉君が今のあなたの全てよ」

「鮫島・・・」

「まずは、上杉君の考える思想を目指しましょう。それは多分、世界の均衡を戻す事でしょ。なら、それに向かって進めばいいんじゃないの」


 鮫島と初めて会った頃は、才女のオーラもあり取っ付き難い性格だったが、リレイズという共通するツールを持つ事で、彼女の理解力や真面目さと、その包み込むような優しい包容力を上杉は感じている。


 上杉を優しく諭す目の前の彼女に転移後に見せた不安や恐怖は感じられず、今はこの世界を生き抜く為に自身がするべき事は何かを必死に考えている。

 その優しくも決意と信念を感じた上杉はそれが彼女の目指す思想だと感じ、うな垂れるように丸めていた背中を伸ばし、凛とした表情で横に居る鮫島を見る。


「俺は、アイリスを止めて世界の均衡を守る。その為には力が必要だ。鮫島、一緒に来てくれないか?」

「ええ、分かったわ」


 上杉の返事にいつも通り冷静な表情で答える鮫島だったが、その表情にはいつもより少し崩れた優しい表情が垣間見える。


 二人は、上杉の転職を行う為、イスバールよりさらに北にある転職の街『カサード』へ向かう。


 それから数日後の夜、一人イスバール城の入り口である大扉の前に夜の闇と共に一人の女性が姿を現した。


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