2(****side)
ウワサを頼りにアルバの森の中に有る湖にやっとの事でたどり着けた。
元々は、些細な言い伝えからだったらしい。だけど、どんな些細な物でも確かめずには居られなかった。
【アルバの森の湖には、月灯りが写る時精霊が現れる。その時精霊に気に入られる事が出来たら、交換する事が出来るだろう】
そんな言い伝えらしい。
実際に、気に入られ交換出来た者も確かに居てその物も残っているが、何に使う物か解らない物が多く只の見せ物に過ぎないようだ。
だが、中には薬の入っていた様な物も有り、それこそ絶対に手に入れたい物だ。私達の可愛い子供らを救う為に!
それは突然だった……朝、いつもの様に元気に駆け寄って可愛い声を聴かせてくれる筈の子供らが、誰1人として起きて来なかった……おかしく思って部屋に入れば、ぐったりし、青白い顔に玉の様な汗を流し喘いでいる子供らが!!
慌てて熱を確かめて診れば、かなりの高熱を出して居る。
汗を拭き、着替えさせてから薬を飲ませても下がらない!治癒師を呼ぶも、何の病かも解らないと言われてしまった。
傷から来る物かも知れないと、身体を調べても傷等見当たらない。
翁に聞いても、思い当たる病など無いと言われてしまった……村中の子供らが同じ様に寝込んで居る。今のままでは10日保たない。何かしら無いかと、血眼に成りながら皆と探して藁にも縋る思いでたどり着けた。
子供らは、纏めて翁の部屋(中の1日が、外の5日に成るらしい)に避難させ、看病して貰う内に足の速い者で来たが4日掛かった……祈りながら、月灯りを待ち視線を感じた。
『消えないで!行かないで下さい!子供らを!!助けて下さい!お願いします!!』
必死に叫んで、湖に入って行こうとしたが!!壁に阻まれた?なぜ!?
『お願いします!!お願い……します!!』
見えない壁を、手のひらが破れ血が出ながら叩く!行かないで!逝かない!