呪われていますから
闘技場から出た、私たちは目をマスクで隠され、何度も長い階段を下り歩いた
そして、地下の下層にある牢屋の前でマスクを取った後、青年だけが幽閉され、すぐ隣の牢に移る
(次は私の番か)
そう思っていたが、後ろから声を掛けられた
「いやはや、今回も会場を湧かせて貰いましたよ。あなたみたいに美しい女性は評判が良いんですよフハハハッ」
三人の人が立っていた、話たのは真ん中にいる人物でその後ろの両脇にいる二人は顔が良く見えずローブを被り体を覆い隠し立っている
話しかけていた人物は、黒いシルクハットを被り銀髪で左耳にチェスのキングのピアスをぶら下げ目鏡を掛け透き通る青い瞳と八重歯がキラリと光。黒のタキシードで身を包みネクタイの代わりに髑髏のネックレスで身を飾り腰には鞭が巻かれ手綱には赤い羽根が二枚ひらひら揺れる。手は白い手袋で覆い右手に人差し指と中指にゴールドリングをして、腕には時計を着け左の手首には蛇が自分の尾を噛んでる銀のブレスレットっと手に黒いステッキを持ち地面をコツコツっとテンポよく叩き、上等な革靴を履いている
いかにも、胡散臭いサーカス団の座長の雰囲気が出ている。彼がここの支配人なのだろうと感じるものがある
ご機嫌な彼を無視して、私は牢屋に入ろうとした
「おっと、お待ちにミツキさん。それは、外して貰いましょうかねぇ」
彼はボブゴブリンから取った胸当てを指を差してまた笑う
「さっきの彼は、盾を付けてるように見えましたよ」
「初めて生還できたお祝いですよ。それに、あなたが履いてる靴も私がプレゼントした物でしたね」
「では、今回はこれを貰いますね」
そう言って、牢に入ろうとした
「いやいや、だからお待ちを、ミツキさんにそれは似合って無いですよ」
いつも通りこの私『ナナシ』が用意してるものがありますと問いかけ、シルクハットを取り、軽い会釈をしてニヤリッと笑い掛ける
「分かりました、それも有り難く頂戴します」
そう言った私を鋭い目線でナナシは私を見る
私はすぐさま、皮の胸当てをその場に脱ぎ捨てた
ナナシの目線が和らぐ
「ご理解とご協力のほど感謝いたします」
(分かっているわよ、選択肢なんて無いことくらい)
ステッキで器用に皮の胸当てを持ち上げ、脇の左の者に投げる
見事、顔に当たる
「う、にゃ」
ローブが脱げ、後ろに倒れ転げる。すぐさま、立ち上がりこちらに近づいてくる
「痛いですよ、ご主人様ぁ〜」
甘い声をあげて、ナナシの腕にしがみつく。
「ミツキさんと私が話ているのに寝てるほうが悪いんですけどね」
そんにゃあ〜っといって少女は落ち込んでいた
少女は、150cmほどの背丈で麦藁帽子を頭の後ろに付け帽子には赤色の羽根を2枚飾っている。赤髪のショートヘアーから猫耳がピコンっと出てるのが特徴的でボーイシュな感じが出ていた。首には銅色の鈴をした首輪を付け皮のジャケットを着ておへそが見えるほどズタズタに破かれているTシャツとホットパンツを穿き、手には皮のグローブを装着し腰のフォルスターには銃をしまってブーツを履き腰から尻尾が生えていた、どこかカウボーイを思わせる格好である
私と少女の目が合う
「ミツキかにゃあぁ〜」
私の名前を読んで、勢い良く抱きついてきた
「わ、あ、ちょっとあなた」「あなたじゃなく、ルベルって呼んで、ご主人様がつけた名前にゃ、いい匂いにゃ」
誉めながらミツキの体を弄り、むにゅむにゅっと触る
「だから、ちょっと、あ、はなして」
むにゅむにゅっと時にさわさわと胸の周辺を触れる
「あなたは、あ、いや」
「ルベルにゃあ」
むにゅっと盛大に胸を揉んだ所でミツキはルベルをひっぺ剥がした
ミツキは軽く息を荒げながら呼吸する。そして、ルベルを睨む
「そんにゃに、怒らないで欲しいにゃ。」
「いい匂いで、それに、お姉ちゃんより大きかったよ」
「そんな事は、どうでもいいでしょ」
フードを被っている者が、私だってルベルよりはありますんだからっと呟いていた
「本当だにゃあ〜、私はツルペタにゃ」
そういって、尻尾を左右に気持ち良さそうに振る
「誉めても、駄目なものはダメなんだからね」
私は顔を少し赤らめて叫んだ
「いや〜眼福でしたねぇ」
今までの空気を変えるような間延びした声でナナシは言った
「フフ、良いものも見れましたし、ルベルさっきのことは許しましょう」
「ありがとうにゃ」
「では、ミツキさん『生者の特権』の時間です」
顔を赤くして俯いていた私はナナシの言葉を聞き正面を向く
いつの間にか、ナナシの後ろに用意されていた大きい棚があった
棚は上から黒い布で前が隠され中身が見えないようになっていた。棚の上にはA・B・C・D・E・Fと横に書かれ左横には1・2・3・4・5と縦に書かれていた
「それでは、いきますよ」
そういった、ナナシは砂時計を出しひっくり返した。それと同時にルベルとフードの方が黒い布を上に捲りあげ中のものが見える
棚は仕切りが五つあり、一段ずつに六個の物が置いてある。縦は仕切られているが棚に置いてある物の幅は仕切りがなく、別々で幅が大きいもの少ないものそれぞれ置いてある。大体の物は大中小の袋や大中小の箱があり、真ん中当たりには剣が鞘に刺さってるもの、一番右上には本、左下には宝箱が、一番下には・・・
私が確認しようとした際に、黒い布で覆われた
「時間です」
砂時計の砂が下に溜まったのを私に見せ、もう一度砂時計をひっくり返す
「さて、今回は何を選ぶんですか?」
(剣にするか、それとも勘に任せるか、いや、剣だなだけど場所が曖昧だそれだと・・・)
ミツキが何を選ぶか迷って思考してると同時に砂時計の砂が残り少なく、数秒で無くなってしまうほどに迫っていた
「C3です」
私は、三段目の左から3番目を選んだ。
ナナシが布を取り、私が選んだ場所に手を伸ばす。
そして、手に取ったのは剣の横にある大きい袋だと思っていたものは中くらいの袋が重なって置いてあり、C3の場所にあった中くらいの袋を取り、私に放り投げ牢に幽閉された
では、また会う日までとにこやかに言い隣の青年の所で歩く音が止まった。
「こんにちは、ようこそプレーヌス・コロシアムへ」
ナナシの話声が聞こえる
「あなたの名前はなんですか?」
「レ、レンだ」
「良い名前ですね。レンさんさっそくですけど『生者の特権』です」
ナナシはレンに先ほど私がやった方法通りにレンに説明した。そして、レンは何かを貰った
「次にレンさん。あなたのここでの生活をお知らせします。」
一つ、コロシアムで生き抜くこと
一つ、勝者には報酬を授ける
一つ、ナナシの命令は絶対である
一つ、強くあり続けること
たしか、こんな感じだったはずですねぇ〜っと間延びした声で言った
「では、早速コロシアムで生きて貰いましょうか。次はあなた一人での戦いですよフハハッ」
ちょっと、待ってくれっとレンは答えたが、ナナシは聞いていなかった。さらに、こうナナシは付け加えた
「あなたがこの通り戦えれば私もちょっとしたお金を出しましょう。」
レンvsモンスター
五分以内に討伐 15PG
十分以内に討伐 1PG
十五分以内に討伐 4PG
十五分以上に討伐 1PG
・・・・
PG:プレーヌス・ガルン
ガルンはこの世界でのお金の単位である
1ガルン=一円
そのお金はここでしか使えませんけどねっと付け加えた
「報酬が欲しいなら頭を使って欲しいものです。」
もし、露骨にやりすぎて観客に不審に思われればどうなるかなんて、頭のいいレンさんなら分かるでしょ
「それでは、一時間後に」
そういったら、3人は立ちさようとした
「本当に待ってくれ、俺の腕に付けた盾が取れないんだが、どうしてだ?」
「呪われていますから」
さらりと答え、その後にモンスターの前に盾に喰われないようにして下さいねっと言い笑っていた
そして、八重歯を舌で舐めた
「あぁ、そうでした戦いが終われば食事がでますよ・・・・生きていればね」
思い出したようにナナシは呟いた
最後にその言葉を残してナナシたちはいなくなった