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実行 2

 前回は本当に一人のキモイ少女と変人の青年が織りなす心温まらない物語になってしまった。

 この失態を、果たしてどう取り戻そうか。

 何て事を考えていたら麗美さんが帰って来た。

「あ、お帰り。お茶入れますね」

「いいです、私が入れます」

 こんなのも女性らしい気遣いなのかなと勝手に感心する。ちなみに皆さん編集長からの特訓を受けたので紅茶を入れるのがとても上手い。正直一生ここ以外で紅茶を飲む気は無いぐらいだ。どのような特訓かは知らないが。質問したらどうなるか?この前真樹さんに聞いてみた。

「真は残酷な話は好きかい?」

 こう返ってきた。好きだけど真樹さんの目が一瞬にして光を失って声も低くなって単なるどこかの怖いおじさんにしか見えなかったので首を振っておいた。そうとうスパルタだったらしい。

 そんなこんなで真樹さんもいつの間に帰っていた。気がつかなくてごめんなさい。

「真、青色が好きなのか?」

「はい」

 確かに好きだ。今日は上も下も靴を青系の色をしている。

「そうか」

 真樹さんはいやに嬉しそうに頷いた。

「質問ですが」

「何?」

「青色、いいですよね」

「いい色だな、さわやかで」

「でも周りに仲間がいないんですよ。皆ピンクとか」

「そうか」

「布教したいんですけど」

「おお」

 さっきから返事が全部相槌になっている気がする。

「色って、目に見えないですよね」

「そりゃあな」

「生まれた時から目が見えない人に青色のよさを伝えるには、どうしたらいいですか?」

 そういうと真樹さんは椅子の背もたれに体重をかけた。

 考える時の癖らしい。

「爽やかな態度で臨んでみる、とか」

「……?」

「いや、だからさ、仲良くなって、真っていい人だねとか言われたら青色って私みたいな感じなんだよーって返したら、その子は青色を好きになるんじゃないのか?」

「なるほど! つまり自分自身が青色になればいいんですね!」

「きっとそういう事だ!」

 何この盛り上がり。

「で、そんなに爽やかになれなかったりそんなに仲良くなれない場合は」

「気にせず突っ走る」

「なるほど」

 何故か今回は会話文が多かったなと考えながら私は編集室を後にした。


 

 

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