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序章 1

 



 誰かが作った世界の中で

 きっと私は死ぬんだね













 今日の弁当は、生温かくて不味まずかった。

 やはりコンビニの菓子パンの方が良かったのだろうか。

 次の瞬間に浮かんだのは、『値上がり』という名のどす黒い文字。

 必死に首を振ってそれを追い出す。

 足は、自然にあの場所へと向かっていった。

 七瀬真ななせまこと。 それが私の名前。

 特に紹介されるべき能力も、尊敬されるべき思考も、期待されるべき特技もない。

 ただ単に、本とパソコンが好きでマイナス思考のくたびれた中学1年生女子とだけ覚えてもらえばいい。私の事なんて知っても意味なんて無いから。

 後は、少々変人の方々とお近づきになれてるというぐらいかな。

 少々は抜き取った方が良いのだろうか。

 抜き取って置こう。

 両親は共働きのため、日曜以外は8時まで帰ってこない。

 今は金曜日で5時ジャスト。 

 片道徒歩20分だから、たぶん大丈夫。

 何気なく付けたニュースのお天気コーナーには、引きつった笑顔のお姉さんがいた。

 明日からの3連休はずっと雨らしい。

 窓を見る。

 ボンネットを叩くしずくの音が、鬱陶うっとうしい。

 なんでこんなに降るんだろう。

 今は10月下旬。梅雨はとっくに過ぎたのに。

 今日は本当は文化祭の日だった。

 新型のウイルスが流行はやったなどの理由で中止になったらしいが、どうなんだろうか。

 この地区での感染者は一人もいないのに。

 予防? でも弱毒性で死に至る事はまずないと聞いた。

 こういうのもミステリーと呼んでいいのだろうか。

 とかいろいろ考えながら、20分の旅支度。

 交差点を抜け、大通りに入る。

 100円パーキングの隣が目的地だ。

 警備員さんに挨拶。この人の名前は知らない。失礼かもしれないが、興味も無い。

 そのまま鍵すら掛かっていない地味なドアを開けて進んでいく。防犯装置セキュリティーという言葉は、ここで働いている皆さんには通用しない。

 引き戸を開ける。お世辞にもロマンティックとは言えない音を出しながら開けた空間内には、いつも通りのあの人がいつも通りに本を読んでいた。視線を一瞬こちらに向けてから、また本に戻る。

 この人との間柄あいだがらは、考えた事すら無い。


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