第6章 師匠登場?!
強さとは何か。
力を得ることか。
それとも――守るために使うことか。
その答えは、戦いの中でしか示されない。
――体育祭が終わり、三ヶ月。季節は夏へと移っていた。
夏休み初日。
火龍と剣は、己を鍛え上げるため、家から三時間もかかる遠いキャンプ場へと向かった。
「やっと着いたね!」
目の前には、大きな川。岩がゴツゴツと並び、自然の厳しさが広がっている。
「ここなら、楽しみながら修行できる。最高の場所だね!」
火龍は満足げに微笑む。
「お前、こんなとこで修行するのか……キツすぎだろ」
剣は渋い顔をした。
――大都会出身の剣にとって、自然環境は未知の領域だった。
「大丈夫!すぐ慣れるよ!」
火龍は明るく返した。
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「それで、修行内容だけど……」
火龍はノートを開く。
「剣の妖体術、“刀”と“炎”。どっちが扱いにくい?」
「強いて言うなら……炎だな」
「よし」
火龍は確信した顔をした。
「炎は水に弱い。だから――あえてぶつけるんじゃなくて、“融合”させる」
剣は目を見開いた。
「融合……?」
「滝の水に炎を合わせて、“水を纏った炎”を作る修行だよ」
「なるほど……!」
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「コツはあるのか?」
「残念だけど、僕もまだできない」
火龍は正直に言った。
「でも師匠は言ってた。心を静めて、自分の力を信じることが大事だって」
「師匠がいるのか!?」
剣は食いついた。
「どんな人だ!?何の妖体術だ!?」
「あとで会えるよ。もうすぐ来るから」
「は!?聞いてねぇぞ!」
――その時。
「うるせぇんだよ」
突然、水が剣の顔にかかった。
振り向くと、同年代の男が立っていた。
「喧嘩売ってんのか?」
剣の目が変わる。
「こっちはわからないことだらけでイラついてんだよ!」
剣は地を蹴った。
⸻
「”岩”ガントレット!」
男の拳と――
「”炎”烈火拳!」
剣の拳がぶつかる。
――その瞬間。
「そこまでだ」
二人の拳は、何者かに止められた。
「師匠!」
火龍が声を上げる。
現れたのは――光明老師。
圧倒的な妖力。
「こんなところで喧嘩とは、くだらん」
そのまま――
「”光”光輝衝天」
二人は吹き飛ばされた。
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「無動作で……技を?」
火龍が呟く。
老師は静かに答える。
「己の力を理解しておれば、難しいことではない」
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数分後。
剣が目を覚ました。
「頭が痛ぇ……」
「君は感情で動きすぎる」
老師の言葉が刺さる。
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「さて、修行を見せてみよ」
――二人は滝へ向かった。
座禅を組み、妖力を巡らせる。
2時間後。
火龍の周囲で水が揺れ始める。
「……来た」
一気に妖力を解放。
――水が蒸発する。
「意識して融合せよ」
老師の声。
火龍は集中を続ける。
そして――
成功。
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さらに10分後。
剣も成功した。
「一日でここまでとは、大したものじゃ」
老師は静かに言った。
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――一週間後。
修行は終わった。
「疲れた……」
二人は倒れるように帰宅し、そのまま眠った。
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3日後。
回復した火龍は外へ出る。
偶然、剣と出会い、ショッピングモールへ。
「平和だな……」
――その時。
剣が違和感を感じた。
「……なんだ、この妖力」
一瞬だけ。
だが、確かに“異常”だった。
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警報が鳴る。
「緊急警報です」
悲鳴が響く。
――そこには。
人を襲う男。
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「捕まえる」
火龍は動いた。
「“迅雷”雷神閃駆!」
一瞬で消える。
剣は周囲に指示を出す。
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火龍と男が対峙する。
「何が目的だ?」
男は笑う。
「お前らには分からない」
――その瞬間。
火龍の体が拘束される。
「”闇”漆黒の網」
圧倒的な差。
「レベルが違うんだよ」
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火龍は全力を振り絞る。
「”風””炎”合体術――烈火旋風!」
拘束が破れる。
だが――
「終わりだ」
斬撃が剣へ向かう。
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その瞬間。
火龍が動いた。
――
自分の身を犠牲にして。
「”風””迅雷”神風雷轟」
光の速度で割り込み――
斬撃を受けた。
⸻
剣を、守るために。
第6章を読んでいただき、ありがとうございました。
修行による成長、そして新たな敵との遭遇。
そして何より、火龍の“覚悟”が描かれた回でした。
守るために自らを差し出すという選択。
その決断が、物語を大きく動かしていきます。
ここから先は、さらに過酷な戦いが待っています。
次章もぜひお楽しみに。




