1話【溺れ】
……綺麗だ……
そう見惚れていたとき、合図は鳴った。
鳴り響くホイッスルの音…水中からでも分かる、激しい水の音
隣を見ると1人の少女が必死に水をかいていた。
そんな彼女はまるで女神だった
泳ぐ姿は鳥のはばたきのようで…
横顔は澄みきった青空のようだ…
そんな彼女に私は夢中になっていた………
気づくと私は水中で溺れてしまっていた。
(助けて…苦しい……)
そう思った矢先彼女は手を差し伸べてくれた
「大丈夫かよ!?」
彼女は幼なじみの葉月凉音。
彼女はそっと私の手を引き、プールサイドまで連れていってくれた。
「ほんとに大丈夫か?夏希が溺れるなんて珍しいな〜何かあったのか?もしかして恋!?笑」
言えない、彼女に見惚れていたなんて…
今すぐにでも好きと伝えたい気持ちをぐっと抑えながら私は言った
「違うよ〜笑恋なんてそんな凉音じゃないんだから〜笑あ、凉音、恋愛したことないんだっけ?笑笑」
私は冗談混じりに返した。
「なっ!ち、違うし!私は私に似合う男子が居ないだけだもん!」
凉音はそう言いながら私にお茶の入ったペットボトルを投げ渡した。
「ほら夏希、これあげる!奢りだかんね!」
凉音はそう言うと颯爽と更衣室へ向かった
プールサイドには私1人、私はそっと胸を撫で下ろして呟いた……
「緊張…しちゃった……」
そう一言呟いたあと、私は貰ったペットボトルのお茶を1口飲み、更衣室へ向かった。
更衣室に着き、ドアの前で息を整え、扉を開けた。
「凉姉〜聞いて〜」
「ねぇねぇ!凉姉!」
「ちょっと聞いてよ凉姉〜」
凉姉とは幼なじみのあだ名だ。
扉を開けると、そこにはさっきまでの殺伐とした空気とは大きくかけ離れて、とても騒がしい空間があった。
「あ!夏希さん!」
「大丈夫だった?」
「さっきの大丈夫だった!?」
皆が私の方へ寄ってくる……
「あはは〜平気平気、全然大丈夫だから」
私は緊張を紛らわすように皆に言い訳をした。
すると凉音の声が聞こえた。
「夏希〜!一緒に帰ろ〜!」
私はそそくさと着替えを済ませ凉音の元へ向かった。
凉音と話しているとなんだか安心する。
さっきまでの緊張が嘘だったかのように私は悠長に話続けた。
この作品を読んでくださりありがとうございます。
私、しずくと申します。
アカウント作成と投稿が同時なのでまだまだ分からない事だらけの初心者ですが温かく見守ってくださると幸いです。
文章も苦手で絵も描けませんがぜひ作品への感想を教えてくださればなと思います。
改めまして完結までよろしくお願いいたします!




