第3話
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「陽津見さん、どうしたの?」
隣に立ち、できるだけ優しい声を意識して声をかけてみる。
「え?有海くんか。どうしたの?」
彼女は涙を流したまま、なんともないかの様に返事をしてきた。
「どうしたのって。陽津見さんが泣いてるのがみえたからさ」
彼女は驚いたように目元を擦る。
「うそ。わたし泣いてたの」
泣いていることに気づいていなかったらしい。
もし自覚なしに泣いていたとしたら、心が壊れかけてしまっている。
少し、慎重にかかわらないとまずいのかもしれない。
この時僕は、厄介な状況に足を突っ込んだかもしれないなと思っていた。
こういうことがめんどくさいから、人と関わらないようにしていたのに。
関わらなかったら何かあるかもしれないし、関わったらこういうことになる。
だから、人間関係はめんどくさくて、ままならない。
「うん。だからだいじょうぶかなって。話したくないなら大丈夫だけど」
踏み込み過ぎるのはよくない。
だが、心が壊れてしまうとまずいことになってしまうかもしれない。
普段から話さないのだから、簡潔に話を切り上げて立ち去ればいい。
でも、そうはしなかった。
「私なんで泣いてたんだろう。でも、心当たりはあるかな。」
無かったら泣いてないだろう。僕は黙って話を聞いていた。
「わたし、昨日まで1年付き合ってた彼氏がいたんだよね。有海くんと同じクラスの、岩瀬くんなんだけど。岩瀬くんってね、バンドやってて、歌うまいんだ。私が好きになって告白したの。」
陽津見さんの彼氏さんのことは知っている。同じクラスのいかにも陽キャっぽい奴だ。
「最初は一途にすごく愛してくれたの。でも、バンドを長くやっていくうちに変わっちゃった。私よりもバンドメンバーと遊ぶことが多くなって、連絡もくれなくなった。最初はね、しょうがないなと思ってたの。」
まあ、よくあることなんだろうか。小説ではテンプレートの様に使いまわされた話だが、現実で遭遇するとは思っていなかった。
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