第46話:試験日
「にゃ?」「さすがに今日は起きてますよ」「にゃ」「はいはい、もう翻訳しなくてもなんとなくわかります、頑張ります」「にゃ」
試験、当日。今日は晴れていた。
試験期間は2週間あり、前半は選択必須科目、後半が共通必須科目なのでセシル先輩はすでに取得した単位なのだろう。
来週は、雨。
今ならクロックタウンの天気を予報できることに笑ってしまう。
「にゃ?」「いえ、今度何かお礼したいなと」「にゃ〜」「はい。今は集中しますよ」
今日は一年生の共通科目「国語」「体育」「社会」「数学」「教養」の日。全部受験する。
来年、大学に進むなら3回目のテストには三年次までの共通は終わらせておきたい。
机の上に、少しくたびれたダリアの花があった。
修さんはときどき、花を戦利品のように置いてくれる。そのやり方含めて、イケ猫だった。
「にゃ」
ぎゅっと、修さんを抱きしめる。俺はこの世界で、生きている。「ありがとうございます」さあ、試験にいこう。
乳白色の白い壁に、陶器の管が巻かれた学園のその腹の中。
共通試験開始直前。全てのギアは没収されるが、私は異世界人のため、翻訳ギアだけは、性能を制限した状態で許可されている。
試験室内を這うエーテル管はミントの香りと淡く緑色に光っていたが、まだ旺盛な黄色い太陽によって霧散させられていた。
『キーンコーン、カーンコーン』
「試験を始めてください」
『「美しい水車小屋の娘」の形容詞とかかる名詞を選択しなさい』
『命題p=1とx=1について真偽を解きなさい』
『この星が球体であることを観測するにはどうすればいいでしょうか』
どこか懐かしい高校のテストを解いていく。
今日が一年生、明後日が二年生、金曜日が三年のテストだ。一年生のテストが受かれば、二年生のテストが受けられる。
『キーンコーン、カーンコーン』
「やめてください。鉛筆を机の上に置いてください」
「瑞樹、どうだった?」「まあまあかな」「結果は今夜だっけ?ドキドキするね」「本当に。それなりに頑張りましたけど」「余裕ありそー」
受かった前提で二年生のテスト準備をしないといけない。簡単な食事を買って、家に帰って食べる。
「っうっし!!」「にゃ?」「合格、合格しました。次!」「にゃ〜」
修さんとご飯を食べていたら、合格連絡。
まだ、まだ夜が暑かった。




