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第35話:お家に帰るまでが遠足

『パチパチパチパチ』「ニジマス、うまいな」「祐二、これなに?」「ん?ああ、きのこのマリネか。この時期のこのきのこはうまいからな。レオンのレシピだ」「カレーのいい匂い。」「レオン、手際良すぎない?」「二泊あるからな。栄養が取れる節約レシピは得意なんだ。工藤がきのこ狩りして来たし」「あれ、レオンって」「ああ、特待生だよ。親から独立したいって。お兄さんとは仲良いみたいだけど」「ふうん。訳あり多いな」「瑞樹ほどじゃないよ」「なんか、私、ディスられてます?あ、ニジマス焼けました」


昨夜はみんなで飯盒炊爨をし、星を見た。

人工物のない空は圧倒的な強さで、私たちには小さな焚き火ぐらいしか、なかった。


農業実習で「オンパラ湖」に来た翌日、午前中は早速ギアの改良を始めた。プラムたちもあのギアは悪用可能性もあり、開発方針からやり直し始めた。しかし、材料がない。


「よっしゃ!」「え?瑞樹、キャラ変?」「なんです?それよりほら、大きいでしょ?」『すっげー!!』「昨日からワタルン無双中」「釣りすぎないギアだっけ?安全リリース機能付き小魚スルー」「それでアレとか」「湖資源があいつに取り尽くされないか?」「だから小魚スルーなんだろ、あのチームは釣り吉しかいないぞ?」「み、瑞樹のも大きいよ!」「いいんです、プラム」


午後はみんなで釣りをした。そう、今回はギアの材料もチーム持ち込みで、そういう計算まで実習に含まれていた。私たちもわかってはいたが、実際にはいろいろと足りず、諦めて食材調達に移行した。


-まあ、遊んだことしか、覚えてないんです。この日の夕飯は確か、レオンのカレーとプラムの中華料理でした。-


野菜に魚にきのこに。キャンプ中であることを忘れてしまうほどの料理が並んでいた。レオンが計算しているため、栄養バランスもよく、見た目も鮮やかな中華料理に、つい食べ過ぎてしまう。


「祐二は?」「ああ、ワタルンのとこ。お魚もらったからお礼の料理届けに行った」プラムと祐二の班も一緒で10人の大所帯になったが、私としては大人数の方が楽しいと、なんならワタルたちもくればいいと思っている。


「お邪魔します」「あ、ワタルンだ」「いよ、夕飯のヒーロー!」いえ、なんとなく負けて悔しい気もしてきました。「あ、橘さん、お邪魔します」「いえいえ、お気遣いなく。お魚ありがとう、さあ、こちらへ」


ワタルは腰の低い好青年で、負けても仕方がない。「工藤さんにきのことかも頂いたのでうちのチームからお返しに」「これは、チーズですか、どうも。祐二は?」「うちのチームメンバーと夜釣りに」「ガチだ、釣りガチ勢だ、、、」「ざわ、ざわしかない」「あの、ワタルさんは?」「ああ、さすがに誰もお礼に行かないのはと、チームリーダーとして来ました」


行きたかったんだ?と言いたいのをぐっと飲み込めたのは、前世があったからだろう。アドが若干引いたのは、常識人だからだろう。


「ほら、デザート食べるか?」「僕も手伝ったよ」「プラムは?」「みんなとお皿洗ってる」「段取り早くない?」


デザートより先に皿を洗い始めるプラムのせっかちさに、思わず、隣を見たらワタルと目が合った。


「あ「ははは」」


ああ、今夜もいい夜だった。

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