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第33話: 恋模様と梅雨の空

「プラムってさ、美人だよな」「ねー」「なんでお前、仲良くなったの?」「いんにゃ、幼童舎からのつれなうだよ」「あれ、エド、金持ち?」「さあ?でも、ここは特待生だよ?プラムも僕も」「まじかよ!」


農業実習用ギア作成の私達の班は私とエドとアドルフだった。私もエドガーもアドを知らなかったが、気さくな少年と青年の間ぐらいに感じていた。


「なんで留年したの?」「いやさ、世界って見てみたくてバイトした金突っ込んで、世界中、バイトしながら回ってたんだよ」「やっちもないな〜」「すごいな」


「調査用ギアとか、修了論文に良さげじゃない?そういう年間見据えて考えるやつ、嫌いじゃないぜ!」


そういって現れたアドルフは画家志望らしいが、それで食べていけるとは思ってないらしくエーテルギア技術者で保険をかけているらしい。


前世の私はただただ、がむしゃらで、小さな箱の中に入り、物語を演じるという夢を叶えてから、少し違う世界を見てみたくなり、役者を続けながら、当時まだ始まったばかりの半導体素子技術者になった。


「これって?」「ん?ああ、紫陽花の花です。このエーテルギアは紫陽花を模してます」「アルカリの代わりに地中のエーテル質に合わせて花の咲き方や色が変わるのは面白いけど、センサーの作りの複雑さと、耐天候性、長時間耐え得るバッテリー設計に小型化。この設計図見た時に、考えた奴、酔狂だと思った」


私はエドと2人、笑ってしまった。エヴァンス先生からも作成難易度と作成意図が卒業レベルだと驚かれた。


「これ、青いエーテルコンダクター?」「いえ?ただ青いエーテルの循環系を真似てます。出力と入力はやはり既存の緑ギアの安定にはかないませんし」「青いエーテルギア、か。憧れではあるんだけど、高すぎてなー」「ふっふん」「あぁ?って、エドのメガネ、まさか!?」「僕のメガネ、青いエーテルギアだよ!視力と記憶力を司る器官をエーテルでブーストしてるんだ〜」「メガネなかったら?」「あ、普通に視力は1.2あるよ。覚えるのが疲れるかな」「メガネなしのエド、意外と美人さんでしたね」「瑞樹、意外は失礼だよ〜。まあ、テスト中は外すからね〜。」


わいわいと実習時間を使って、試作機一号が完成。残り15分。急いで裏庭に向かった。


「あ、プラム!」「そっちは?」「順調ー!そっちは?」「今から試作実験!」「はや!?」


今週午後はこの実習。月曜日に試作機の我々は非常に早い。私としては部活の時間は確保したいから、急いでいる。それに今週後半は雨だと「確定」している。


「センサーそのものは動くな」「うん。光も出てるけど、エーテル質の腑分けが上手くいってないかな」「入力が安定しませんね。雨が降るまでにある程度完成させて、あとはイレギュラー調整したいんですが」


花壇に植えた小さな紫陽花ギアを男三人で囲んで真剣に分析している。周りを見ればあちらこちらで土をひっくり返したり、花を植えたり、水が空を舞ったり。


「瑞樹、なに笑ってんだよ」


水龍型のポンプからの水が誤作動を起こし、大きな虹とプチパニックを起こしている地上の優しい時間に笑いが止められなかった。

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