二足歩行ロボは男のロマンだよね♪
そのままギーメルさんの所へと向かう。
「か、回復球が重い」
袋に入った球を地面にひきずりながら言うオレ。
「てか、この本拠地? って広いね。今まで意識する余裕なかったけど東京ドーム何個か分あるんじゃないの」
しかし、俺は東京ドームに行ったことなどない!
中世ヨーロッパ風なところもあれば現代風なとこもあるし。う、腕が疲れましたー。
ギーメルのいるところが近づくと。通路はメカメカしく、SFチックになっていく。そして到着だ。
「き、祈祷戦士カンタムだ!!」
ギーメルさんがいるらしき部屋には、白をベースに青が入りポイント的に赤と黄色が入っている巨大二足歩行型ロボットだった。
「祈りの科学でビームを放つ祈祷戦士カンタム!! やっぱ巨大ロボは男のロマンだよね、ね、キミ」
「いや、オレに聞かれても」
「ノリ悪いなー」
いきなり話しかけてきたのはふわふと浮くメカメカしい椅子に座ったフルフェイスヘルメットの女性だった。ぴっちりとしたボディースーツの様な物を着ている。おそらくこの人がギーメルさんだろう。
「しかし、ギーメルさんは女性では?」
「うんにゃ? ボクは男だよ?」
「しかし、りっぱなおむねが」
Dカップぐらいありそうだぞこれ。
「ああ、これ、そぎ落としても良いんだけど、ギルドのみんなが嫌がってさ。ボクも一時期悩んだことあったけど、ま、いっかてことで」
「つまり、どゆこと?」
「キミが知っているカンタムがこの場にあるように、ボクは転生者で転生前は家に積みプラ大量、給料を全額超合金につっこむメカオタ〈男〉だったってことさ」
つまりTS転生ものというわけか。
「ちなみにこいつ男風呂に入るから、見ようと思えば全裸拝めるぜ。普段は見せねぇが、顔も悪くない」
「ふーん」
興味なさげオレに対し「ガキにはまだ早かったか」と呟くザインの言葉が聞こえた。いや、オレ17だって。
「そうそう、さっきだるるんから聞いたけど君、球使いらしいから。索敵用のボール型ドローンと、自立式レーザービーム発射ボールドローン取り出しといたよ」
だるるるとはへーのことらしい。確かにだるだるしている。そこに自立式(?)四足歩行メカが歩いてきた。上にはアタッシュケースのようなモノが五つほどおいてある。
「もう持てないよー」
「それの中に入れて持ってって、自動でついてくるよ」
「これいくら蹴っても起き上がろうとして楽しんだよな」
「ボクの子供をいじめるなー!」
「後これ、アップルジュース」
ほい、とギーメルが水筒を渡してくる。
「飲んで」
飲んだ。おいしい。凡庸な感想。
「あ、それに大量のナノマシン仕込んどいたから、いろいろと助かるよ」
「いきなり何飲ませんじゃー」
「傷とか一瞬で治る」
ああ、さっきもらった球の使い道がなくなった。
と、そこにいきなりなん前触れもなく全身白に包まれた、宗教の聖者みたいな人が現れた。