世界終末同盟の中二病達
「――と言うわけで。お前ら召喚者は新大陸の開拓のために呼ばれたんだ」
ザインから聞いた話によると。
・最近、この世界では新大陸が発見された。
・だがそこには七二柱の悪魔がいた。
・悪魔の近くにはなぜか、この世界の原住民が近寄れない。
・そして、神が現れ、異世界から人間を召喚し各国に与える、と言われた。
・そして、召喚者が悪魔を倒した場合。その悪魔が統治していた土地を所属する国の土地とする。
・この風呂すごいだろ? 多分世界一だぜ。
「いや、最後のは余計だろ。まぁ、大体事情はわかったけどさぁ」
たしかにこの風呂はすごい。現代地球で言うスーパー銭湯なみな作りに加え、風景をARで替えたりできる。魔法の力なのか、入るだけで汚れが全部吹き飛んだ。
気持ちいい。そして風呂に入るだけでお酒を飲んだような酩酊感がある。お酒を飲んだことがある一七才高校生であった。
風呂から出ると着替えが置いてあった。
「ふーん、わかってんじゃん」
コーヒー牛乳を飲む。なぜかあった。
「それにしても召喚者がこんながきんちょだとはな。お前、一〇才前後だろ」
むむ、日本人は若く見られるという奴か。それにしても若く見られ過ぎのような。
「一七だよ?」
確かに地球でも幼い見た目って言われていたけども。
「背伸びすんなよ。九才くらいだろ」
「一七だよ?」
「ハーフリングか? まぁ、構わない。そもそもこの国は新大陸に興味を抱いていない。お前は何もせずのんびりしていれば良い」
ハーフリング? いわゆる小人族のことだろう。違うやい。
「いやー、どうせなら冒険したいなー」
前世では異世界転生物のレビューや動画投稿していたブイチューバ―のオレである。どうせなら異世界を堪能したい。
「てか、なんかオレって能力与えられていないの? それじゃないとそもそもみんな戦えないでしょ」
「ああ、それかお前の能力は――てか、お前名前何?」
「いきなりだな。田村旭だよ」
「タムラアサヒ。お前の能力は我らがクラン〈ワールドエンド〉のみなの力をわずかに使えるって魔法と――」
「なに〈はっくすきる〉て?」
「なにって、魔法のことだろ」
そういうルビ振りなのかと謎に納得したオレだった。ラノベではよくあることである。
「ちなみに魔術は?」
「魔術? だろ?」
そうそう、魔法と魔術が違うパターンね。と一人納得するオレ。伊達にラノベを読んでいない。
「して、その違いは?」
「魔術は科学、魔法はファンタジーだな」
「いや、オレからしたらどっちもファンタジーだけども」
「ハナシを戻すぞ、オレたち〈世界終末同盟〉は法律のないこの国を七人にて武力で統一している。その七人は」
・〈全能者〉のタヴ。
・〈系統樹外〉のベート。
・〈一人工場)のギーメル。
・〈百獣王虎河馬〉のダレット。
・〈不動索引〉のへー。
・〈開いてはいけない宝石箱〉のヴァヴ。
・オレ〈強大者〉のザイン。
「――だ」