冒険者ギルドがない!? だと!
「さて・・・・・・」
くぅ、とオレのお腹が可愛らしく鳴く。
「腹減った」
そういえば、今日、昼飯も夕飯も食ってない。
「そこの腹減った、あなた! ガイド通りにきな!」
ギーメルの声で、放送が流れた。
監視されてんの!? 怖っ!
目の前にはきれいな装飾を施されたガラステーブルの上に置かれた――
「四百円クラスのレトルトカレー!」
ギーメルが料理を出す。
今までの、ここの暮らしに比べると――
「しょぼい・・・・・・」
「そう! あえて、しょぼい物にしました! といっても転生前のボクからいったら到底手が出せない代物だがねっ! そして、ザイン料理長! わー、ぱちぱち」
何故かテンションの高いギメールとあきれ顔のザイン。
「え? もう調理されてるけど?」
目の前には完成済みのカレーライス。
「強大化」
ぽつりとザイン。そうすると香り含めカレーがとてもおいしそうになり。
「うまい!」
――小学生並みの感想を吐くオレ。
「なんと! ザインが! おいしさ、味、食感、香り等々! 強大化したのです!」
豊かな胸を張り自慢げなギーメル。
「・・・・・・なんでお前が自慢げなんだよ」
その後風呂に入り食事をし、眠くなったオレは、いろいろありすぎた疲れで早めにふかふかのベッドで溶けるように眠った。
次の日♪!
「とりあえず。自立しろ」
おいしさを強大化してもらった納豆と御飯と味噌汁を食べている(もう! ほんと! めちゃくちゃうまい!)とザインに言われた。
てか、この人中二病の塊みたいな外見しているのに、やっぱり面倒見が良いな。そんな相手に自立しろと言われたら、自立するしかない。
「自立とは?」
「手に職つけろってハナシ」
そういえば、前から気づいてたけど、この人「ハナシ」って語尾に付けるキャラ付けみたいだな。
「具体的に何が向いていると思う?」
「そりゃあ、球体が関係する仕事だろ」
球体が関係する・・・・・・仕事? なんだそれは? と思ったので。
「なんだそれは?」
と聞いてみる。
「知らん」
ときっぱり言うザイン。そりゃそうだよな。
とりあえず、異世界ファンタジー的なことをしてみたい。
「冒険者ギルドとかある?」
定番である。
「ない」
「ないんかいっ」
「冒険者は勝手に冒険している。他の国には類するモノはあるかもしれないが・・・・・・他の国行くか?」
うーん?
「まだこの国で良い・・・・・・」
「傭兵ギルドというのならあるが?」
「なにそれ!?」
ザインに詳しい話を聞くと、なんということかそれは、なろう系で想像する冒険者ギルドとほぼ同じモノだった。
「それにする!!」
「・・・・・・おう。乗り気だな・・・・・・?」
そりゃ異世界と入ったら冒険者ギルドである。
「〈千本の刃〉というギルド名でダレットが幹部だ。ギルドメンバーに格付けがあってFからSまでのラテン文字が割り振られる。そうだな・・・・・・お前ならCランクくらいからスタートしても良いかもしれない」
ダレットを呼ぼう、とスマホを取り出すザイン。
しばし後、ダレットがやってくる。ダレットは、
「おお、おう。き、昨日裸見て悪かったな」
顔を若干、朱に染めながら、しどろまだらなダレット。
「いや、気にしてない、てか悪いのオレだし」
オレが女子高生としては変人で、男風呂に入ったのが悪い。しっかし、女子高生というのがオレにはしっくりこないんだよなー。見た目的にも性格的にも。トランスジェンダーというわけでもないが。
「おめー、あんな体で欲情でもすんのか? ロリコンだな」
「ち、ちがう!」
ちなみにオレが17才と言うことを信じてもらおうと頑張った結果。オレはハーフハーフリング、いわゆるハーフの小人族ということになってしまった。てか、ハーフハーフリングって何? ハーフって二回ついてるぞ。
「そいえば、おめー、ギーメルもそういう目で見てんのか? 援助貰えなくなるぞってハナシ」
「いや、ギーメルはさすがにそんな目で見てはいない」
「じゃあ、やっぱロリコンか。貧乳が好きなのか、おい」
ザインがダレットをからかい話が進まない。
「それより、ギルドのCランクにしてちょーだい」
話に割り込む。
「あ、あぁ。そうなると思ってギルドカードはもう用意してある」
なんか、虹色に光る線が走った黒いドックタブをもらう、赤色にCと大きく真ん中が発光している。
「いつも気が利かないお前にしては、珍しいな・・・・・・相手がロリだからか?」
――その話、まだ続けるのかよっ。




