よくある異世界転移(コピー)、所見殺し
――蒼空サンドボックスからアースサンドボックスへ。認可求む。
――アースサンドボックスシステム。了解――承認。
――蒼空サンドボックシステム。再始動。
草の香りが心地よい。背中に当たる大地の感触が気持ちよく、暖かい。日差しが微笑ましい。オレが目を開けると。まぶしい太陽と風になびく雲、その合間にドラゴンらしいのが飛んでいるのが見えた。
「ファンタジー異世界かぁ」
今日、高校の授業中にメールが届いた。
〈あなたたちにはこれから異世界に転移してもらいます。頑張ってくださいまし〉
「まじ、で来ちゃうとかなぁ」
とかなんだかオレが思っているとドラゴンの影が自分に近寄っている気がする。てか、まじでオレの方に向かってきている。
とかなんだか思っている間に、重い音と、土塊を飛ばしながらドラゴンが目の前に着陸した。
「わぉ、早速ゲームオーバー」
のんきに思いつつ立ち上がるオレであった。元々自分の命にたいして執着していない自分だった。
ところが、突然後ろに人影を感じ、振り向く。そうすると全身黒で固め(所々に赤のラインが入っている)た背中に2本の剣を差した青年がいた。中二臭い!
けど、凛々しい20才くらいで鋭い目つきに高い鼻、イケメンだ! その青年が落ちていた土塊を拾い、ドラゴンに軽く放る。
土塊はドラゴンの頭にコツンとあたり何の損傷もなかったように見えた。が、その後ドラゴンは爆散した。ドラゴンの血肉を全身に浴びるオレ。
「うわ。気持ち悪ぅ」
反応が鈍いオレだった。普通の日本人だったら気絶しそうな状況である。
「オレの名はザイン。クラン〈世界終末同盟〉の七番を預かる者ザインだ。通り名は〈強大者〉よろしくな」
「いやもっと先に言うことあるでしょ。てか、風呂貸せ!」