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【完結】終わらない物語の終わりに

アリロスト歴1788年   




  6つ目の駅まで線路が引けた。線路だけ。

 じじい陛下が税として領民に労役を命じたら、もっと早くノンディ港まで開通するなどと、フザケタことを抜かすのでハッと鼻で笑ってやりました。

つか農作業に人手が要るだろうがっ!

幾ら王家直轄領には俺が思い出し作らせた農機具を真似て作成出来るようにしたと言っても所詮、人力が無いとピクリともせんわ。(領地内コピー化+補助金)

 自体の異常に気付いた各領主がやっと真面目に大麦、ライ麦、ジャガイモを育てる様になった。

まあ気付かなかったのは凶作なのに支払われる税が同じだった所為ですね。

どんな過酷な徴税人の取り立てだったのか知りたくない。

その領主には虚偽報告の徴税人に厳罰を課すように命じてもらった。

農民たちに対しじじい陛下が無税にしているのに何やってるんだか。



 後、つくづく思うのはパルス民て貴族やブルジョワジーにしか興味がねーなー。

俺の言う所の庶民は手工業だけど工場な。

その工場に勤める労働者や小売店とか工房での職人たちとかには意識が向いて無いだろうな。

と、レコの話を聞いてて思った。

「農民が無税なら我らも無税で良いはずだ。」てな意見で盛り上がってるらしい。

良いんじゃないんですかね。

自分が住む所や行く所の道も全部自分で作って下さい。

何か遇ってもポリスは使用不可。無税なら乳母案内所も使えませんよ。

ミルクポット代わりに乳母を雇うのに賃金未払が余りにも多いのでポリスと併設させた。

支払わない場合はポリスが護送するよ、雇い主を。



 魔界都市パルス。

開いたら俺のSAN値が0に為りそうなので上辺を聞いてソっ閉じ。

あー、俺が生きてる間に技術が出来てもパルスには絶対に上下水道は引かん。

遣るとしたら第二都市ヴリーでする。


人や家も増えてきている。

或る程度一杯に為ったら又次を作る簡易下水道を各屋敷に付けさせてた。


初めにルールありき。

俺が作って俺が許可出した2つの不動産会社が頑張ってる。

レコ関連とゴドール関係でなかなか良き人が会社を廻している。

もう1社はボルド関係。

一応国営なので誰かがちょっかい出したら絞めるよ。

基本的にはこの2社で不動産は回す。住宅機構ぽいやつかな。

住民税は取るよ。其れに文句言う人は貴族でも住めないよ。

旅行でどうぞ。


こうやって成金オヤジみたいにガバガバと金を使うのは土木建設は大人数に通貨を巡らせるのに便利だからだ。流れを止めていた徴税人と法服貴族を大きく間引いたのでスムーズで良い。

こっちでは需要ないかもだがペンション風ホテルも作った。

一軒一軒別に為ってるロッジだ。

俺が泊まれる場所を造るが最大のテーマ。

ロッジっても広いから老いたら此処に住むぞ!と間取りを描きつつ決意。

もう歩くだけで疲れるような宮殿なんぞには住まん。

起きて半畳寝て一畳、人間なんてそんな規模の大きさなんだぞ。

大体、側付きならルネ1人で事足りる、つかルネ以上に万能な奴いねーし。




寒冷期で寒いが景気が良いので「王家の強権が」と文句言いつつも宮廷貴族は機嫌がいい。

そしてじじい陛下に第二都市ヴリーで別邸を建てたいから土地を貸して欲しいと言う。

不動産売買は基本はしない。

領地なのにそこだけ他の人の領地に為ったら領主的に困る。

なので賃貸契約なんだけど、貴族が毎年払う訳もなく購入代金みたいなモノ。

領主から借りるって結局は売ってくれ、だよな。


「ヴリーは貴族でも税金を課されるぞ。良いのか?裁判所で誓約書にサインすれば認可した会社がソチの元へ行く。ヴリー都市法はかなり厳しいからな。」

「・・・」


貴族でも住民税を払っていいって人は現在、邸宅を建設中です。

ルイーズ公妃やアンリ大公、なんつー大物だよ。

そしてゴドール候、レコ公爵、お前公爵だったなー。妻ラウラの所為だけど。

つか、ゴドールの知り合い貴族が多くてびっくり。

やっぱり蒸気列車でパルスから約1時間で着く場所は魅力なのかな。温泉地もあるし。

まだ定期運航は出来ていないのが残念だ。今は試作途中なんだよね。未ださ。

じじい陛下の領地に或る炭鉱輸送の貨物列車が走るレールはもう直ぐヴリーに繋がる予定。

そして何とラゼ大佐、実は子爵だったのだ。連れの2人も当然建ててる。

そして彼方此方で建設ラッシュ。


と言ってもパルスみたいにゴチャってした街並みじゃあ無いっすよ。

きっちり計画的に区画を割ってるからな。

駅から街への主幹道路には煉瓦を敷いてる。


区画購入が決まると主幹道へと煉瓦が敷かれて行く。

実は家から主幹道までの道整備の値段は建築代金に含まれるのだ。

ゴドールが絵を描いて来てくれたけど赤や赤茶、クリーム色、黄土色と家々に合う道が草木の緑を走っていて綺麗なんだよね。

もう住んでるガロア人たちの屋敷や庭も風景に馴染んでいる。

実はルネ・オーシェ伯、オーシェ伯爵領には火山灰が地下に堆積してたから古代コンクリートでも作って貰て、それで道をなんて思ったけど止めた。

やっぱ港が先だよね。

てな訳で現在ルネはお金持ちである。

海軍で買って(国庫)港整備に古代コンクリを使ってるのだ。

パルス大学でコンクリ作成協力して貰ったら地層学者やら科学者らが大喜びしたそうだ。

後から土木学会から古代ローマの事なら先にウチに来るのが筋だとお冠だったらしい。

レコ、すまん。

つい、何か在ったらパルス大学と思い込んでた。



何か1つを始めるとそれと同時に色々な事が動き出し、様々な場所で人手が取られる。

工場が何ヶ所か潰れそうだと苦情が来たらしいのだ。

どうも給金が安くて労働者が次々辞めるらしい。

知らん。

工事現場の賃金が今のパルスの最低賃金だ。

それ以下しか支払って居なくて潰れるなら自業自得だ。

碌で無しな雇用主が退場したら職工たちは俺が面倒見るから安心しろとレコに伝言を頼む。

労働者の収入増やす為にやってる施策だと早く気付いてね。


しかし考えて整備や建設してるのに何でこうも人が足りないのだ。

  「いやアルが次々に何かを作るからだろう。俺から視たら何時も3つ以上は同時発案だぞ。」

  「うそー、レコもルネも注意してくれよー。」

  「ルネは注意してるけど暫くしたらまた、コレを遣って貰ってくれってアルが言うだろ。」

  「ぐつっ、そうだったのか。夢中に為ると駄目だな。反省する。」


そう俺の所為かも知れないが、人手不足なのである。

軍人を動員したいほどに。

なのにグレタリアンはカメリアに攻撃するしランダ国はまたカメリアに援助とか馬鹿な事を言うから攻撃された。ランダ国の商船がグレタリアン海軍に。

でもって今回はグレタリアンは陸上戦をせず海軍だけでカメリアの港や海賊船を潰して行った。




アリロスト歴1788年      4月





そこで現るは女帝カテリーナ。


「武力中立同盟国を助ける。」


グレタリアンに宣戦布告。

モスニア王国、オーリア帝国、東ポーラン王国、ギール国、ポガール国、エーデン王国。

心底、行かせたくないけど、フロラルス王国が皆揃ってグレタリアン本土へ攻撃と相成った。

ランダ王国とカメリアも当事者なので当然参戦。

プロセン王国はグレタリアンへ傭兵出したかったが前回の支払いが未だだったので不参加。


ええー、皆は兵站マジ大丈夫?

本土にはあんまり無いと思うよ、穀物。

勿論ノリノリなファエット大佐が行きますよ。



俺は病気療養中なのでじじい陛下とジョルジュロヴァンス卿から報告受けて喋るだけのお仕事。

何故か海を渡るのにジョルジュが戦争へ行くと言う。


「この戦いが終わったら王位継承するんだ。」


おいコラ、フラグ建築するんじゃねえよ。

今まで確りと公務を熟せてなかったからって話すが、俺はジョルジュが役割を立派に果たしていたのを知ってるし、エトワル宮殿の人間たちにはジョルジュが切望されているのも知ってる。

危険だと俺が止めても「兄上は止める権利ありませんよね。」と反論封じ完遂。

じじい陛下も納得済みだった。


「ジョルジュ、海に落ちてもパニックにならずに冷静にな。」  

と余り役立たない言葉を掛けるのみ。









アリロスト歴1789年      3月





 移動時間を除いてグレタリアン本土戦は首都ロンドの港を占領され、ロンドが包囲され即終結した。

モスニア艦隊が容赦なし。

港を20隻に及ぶ(ランダ、フロラルス、オーリアを含む)戦艦で大砲を一斉放射。


 いやー首都ロンドを攻撃する前に皇帝が降伏してくれて良かったよ。


 年が明ける前にジョルジュが帰国してくれて兄ちゃんはホッとした。

しかし呼び掛け宣戦布告したルドア帝国は本土攻撃間に合わず。

降伏調印してる頃、港に到着した模様。

当然、ルドア帝国は戦後賠償のテーブルには着けなかった。


 カメリア連合国は北に或るナユカからのグレタリアン完全撤退を申し入れ。そして賠償金。

ナユカ国はこれによりカメリアとフロラルスによる分割統治となった。

フロラルスのナユカに於ける植民地は西へと広がった。ジョルジュ、仕事してるな。


ランダ王国は勿論、賠償金。そしてハリキの南に或るグレタリアン植民地ジェノバロ王国を譲渡。

相変わらずエグイ。大きいんだよなジェノバロ王国。


オーリア帝国は一緒に来ていたギール国の保護国を解く事。イラドでの交易権。


モスニア王国は南カメリアの領有権。


他の国は賠償金とグレタリアン本国に自分たちの大使館を置く事。

まあ他の国は30人から50人の小隊でオーリア帝国とエーデン王国の戦艦に同乗させて貰って同盟国数を増やす為に来ただけだった。


 フロラルス王国は初めナユカにあるナディア地方の自治権をグレタリアンに求めただけだったんだが、交渉成立後、カメリアからメ―フル地方とオーロ地方もどーぞどーぞとの話に為ったそうだ。

その代りにグレタリアン軍やグレタリアン系住民が完全に撤退するまでカメリア軍と一緒に監視団として一個連隊を貸してね。ロハで。とのことだった。


カメリア連合国軍としての軍を作っているが道半ばで、現在は各州の州兵を借りて今回も圧倒的な兵力不足で防衛も難しい。海軍は言わずもがな。

国土安全の為にはナユカは欲しいが資金も人手も無さ過ぎて統治は無理だと、判断してのフロラルス王国への打診だったそうだ。


 此方も元兄嫁を押し付けてる手前もあり無下にできなかった。(交渉してる人は知らない話だが)

俺の所為でジョルジュよ、すまぬ。


 そして7年戦争でグレタリアンに大敗してイラドでフロラルス王国は一切の軍事力を持てなく為っていたので、この度、現在商館を置いてあるマリド王国にのみマリド王国保護と商船保護の為の軍を置けるように為った。

1部の帯剣貴族(ヒャッハー軍人)たちには、此のイラドでの件は大いに不満な内容だった。

まあ彼らとしたら以前自分たちが手にしていた地域を取り戻す好機だと写ったのだろう。

有り得ないから。

俺が日々、どんな思いで穀物流通経路をチェックしてると思ってるんだ。

フロラルス王国にある東西南の大きな港を結ぶ主幹道路建設完成を急がせてるかを考えろよ。

いざという時に君らの領地にも穀物輸送をする為なんだよ。

君らの中の数人は予知夢で農民暴動で殺されてるからな。


 後から入って来た報告ではルドア帝国に自らを「正統な血筋の皇帝だ」と語り農民たちを扇動し、女帝カテリーナが住む宮殿を目指し大移動を始めた暴徒鎮圧に手間取った所為らしい。

まだ完全な鎮圧は為されていないそうだ。

 隣接した国々はルドア帝国からの暴徒流入に備えて国境警備を強化している。

 フロラルス王国はポーラン王国が在るから直接流入はないがルール地方の警備兵が警戒している。



 この動乱も予知夢では無かったな。




アリロスト歴1789年      8月




バカンスシーズンに入ってコソコソ(無理だけどな)と、俺たちは淡々と領都ヴリーにある俺の屋敷へ向かった。

温泉が在るし病気療養の為だ。

そしてバカンスが明ける9月には王太子はジョルジュに為る。


王侯貴族の役割である戦さでの指揮もジョルジュは無事に果たしたし成果も確実に持ち帰った。

じじい陛下が63年に大敗して以来の快挙に世論でもジョルジュ人気が高い。

1部の貴族を除いて社交が出来、王族としての使命を果たしたジョルジュ支持者が増えた。

慣例主義の保守派には望ましくない空気みたいだが。

(王位は嫡男が継ぐべきだ派)

だが万人が望む世界何て実現不可能なので不満な方には我慢して貰うしかない。


俺は新しく出来た屋敷でフェリクス、レコ、ルネ、ゴドール、ボルド、トーマ、ラゼ、ニコラ、クルレールたちとジャガイモ酒で引っ越し兼新築祝いをした。

娘のレティは明後日に到着する。


俺はエル公爵となり姓からフロラルスが外れた。

此れからはアルフレッド・エル公爵となる。

本来王籍から抜けた者はエルの名を返上し新たな名を賜るのだがじじい陛下が却下した。

俺からエルを外すとフロラルス王国を飛び出しかねないと言ってエル家の血で縛っておくと告げた。

(内心ギクリとしたのは秘密だ。陽ノ本が俺を呼んでる。)

まあ俺の代だけなので、フェリクスが後を継ぐ時にはエルの名は王家に返上され、別な名をジョルジュ陛下に賜る。じじい陛下には100歳まで健康で生きていて欲しいよ、マジでな。



 一先ず、王太子エル・アルフレッド・フロラルスでの話は今日で終わる。


 1769年始まった俺とアルフレッド(予知夢)が断罪回避する為に闘い続けていた長かった20年間。

大きく何かが変わったようで実は何も変わってはいないフロラルス王国。

気候も寒冷期で冷え込んだ侭だし、日照時間は少なくなっていて病人も増えている。

教会が育てている医者は相変わらず瘴気を出す為に瀉血治療をしているし、エトワル宮殿ではじじい陛下が便所を不足なく増やしたのに誰かが気儘に庭園で肥しを置いている。


まあそれでも、じじい陛下が今日も元気に誰かに愛を囁いていると思うと、俺は此処に来て良かったと思うのだ。


 5杯目の水割りをルネから貰い、俺は明日を想った。


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