戦略的な勝利
アリロスト歴1781年
ロヴァンス卿からクロエが作ったと言う麦茶を貰った。
「小麦を焼いたそうなんですが口に合えば良ろしいのですが。」
心配そうな顔で俺を伺ってくるロヴァンス卿だった。
素焼きを茶筒みたいな形にして緩い蓋を外せば、懐かしい麦茶の香りが鼻孔を擽った。
俺は謝意を告げると安心した顔をしてロヴァンス卿は執務室を出て行った。
早速に麦茶を入れて貰おうとして俺は気が付いた。
「ティーポットじゃ駄目なんだよ、急須で無ければ。」
俺はすぐさま紙に急須を思い出しながら描き、ルネに陶器職人へ依頼するように伝えた。
クロエも急須を注文したのだろうか。
後でロヴァンス卿に聞いてみよう。
そんな益体も無い事を考えてカメリアへ送った兵を想う。
今回は実習も兼ねた予備兵(市民兵)も送り約1万5千名を戦場へと出した。
先に辞めて行った元帥たちが5千名で出兵したので約2万、エーデン兵が約1500名、出来れば逐次を避けたい為に出兵可能数を最大にした。
後は国境や本国に16000名を残した。防衛は基本だよね。
まあ多いのは兵站部隊と軍医もいるからだ。
ラゼ中佐の教えを実施させて貰った。
かなり本気で戦おうとするのはナユカにある増強したニッシュ軍港をグレタリアン帝国に獲られる危険性が高いだろうと今は約100名の海軍と植民地ナユカの州兵たちが守っている。
寒くて広い土地だ。
俺は寒いのが苦手だから出来れば南カメリアが魅力的だと考えてる。
だが、それはモスニア王国でも同じだった。
グレタリアン帝国に宣戦布告して暫く経つとモスニア王国がフロラルス王国との同盟国であることを鑑みてカメリアに援軍を布告、序でランダ国がカメリアに資金協力を宣告した。
(嘘ぉー、同盟国だったのか?モスニア王国が?)
元々が王党派連立でプロセン王国がグレタリアン帝国に援軍を出す事を改めて布告した。
約1万8千を追加で出すそうだ。
あーあヤダヤダ理性的な狂戦士の団体何て。予備兵の皆、危険なら逃げろ。
やっぱり代理戦争みたくなったよ。
さて兼ねてより懸案事項だった銀不足により造幣が出来辛い現状だった。
此の侭で通貨不足に為れば著しいデフレになって景気なんてぶっ飛びます。
経済学部でも無いのにデフレやインフレを説明する俺のチキンハートを労ってくれ。
まあ人為的な理由で作り出されるのがデフレなの。
デフレは人ならざる神の手など一切働かないよ。テストには出ません。
そう言う訳で純度3割の金貨だよ。ホンとは俺が紙幣にしたかった。
銅と混ぜて作る金貨は≪2千リブール=1エル≫、≪1万リブール=5エル≫に為ります。
じじい陛下の横顔と裏側にはオレンジの実など鋳造技術の結晶で作ってる。(嘘だけど)
もう1つはじじい陛下はガロア人や新教徒に人権宣言した。
ロックを解除した。
「フロラルス王国内での王国法を順守する限り、法の基の平等は保証される。不当に権利を奪われた諸君には新たに約束しよう。フロラルス王国内に存在するガロア教徒、新教徒たちの住居、仕事、移動、宗教を認めるものとする。ロックは解除された。」
建前はアンロック記念金貨とか言ってますが立派な通貨ですよ。
エル金貨は債務の返却や金融取引など大きな金額で支払います。
其処ら辺の仕組みをトーマや銀行家ジョン・ネフレに任せ作った。
当然に俺が作ったモノではありません。
でもこれからはガロア教徒、新教徒がフロラルス王国で活躍してくれるでしょう。
アリロスト歴1782年 3月
じじい陛下と会議室(談話室)でベルイル軍務卿からの戦闘報告を受けている。
モスニア王国とは相変わらずでベラ諸島からモスニア海軍が南リダ島とフロラルス海軍がギリア地域を目指してグレタリアン帝国の植民地を奪っている。
ほら、やっぱり連動したり無理じゃん。
待ち合わせ場所に集合すると言う作戦行動が出来ない。どうよ、それてって。
とまあ、こういう報告だけじゃありませんよ。当然ね。
ジシニア岬の海戦
独立戦争の南部戦線では戦略的に決着の付かない状態が続いてた。チェイサー湾の戦略的重要性にカメリア軍司令官のジャンが気付きフロラルス艦隊へ救援を依頼。
そしてフロラルス艦隊を率いるリシュー大佐は慎重に航行し、お陰で発見されず。
リシューはロード島植民地のヒートにいた僚友のローレン伯に数週間も前に正確な到着予定日を連絡していた。
ローレン伯はこの情報をダイア包囲戦の準備をしていたジャンとロシャー伯に伝え、二人は8月14日にその報せを受け、リシューが与えた絶好の機会を認識した。ジャンは南部への急行軍の準備をすると共に、ローレン伯にはヨーク包囲に必要と考えるフロラルス軍の大砲など軍需物資をヒートからチェイサー湾まで小さな戦隊で運ぶよう依頼した。リシュー大佐は28隻の戦列艦でほぼ予定通りの8月29日にチェイサー湾に到着し、ラゼ中佐指揮下のフロラルス正規軍3個連隊も連れてきていた。ラゼ中佐は即座に上陸して、ファエット子爵指揮下の大陸軍がウォリス軍の内陸への撤退を阻止する任務を支援した。
1781年10月19日 これによりヨーク包囲網が完成しウォリス軍約7000名が降伏した。
恐らく今回の敗戦はグレタリアンにも大きな一打になるかな。
そしてこの際だー、みたいなノリでグレタリアン帝国がイラドに或るフロラルスとモスニアの植民地にも攻め込んで来た。勿論に追い払ったよ。
それにこの戦いはファエット少佐がロビー活動を頑張ってくれたので戦費的には楽だった。
食料、医薬品、銃弾や火薬を大人買いしたので約6000万リーブルは掛ったけど予算内。
まあ心配なのは死傷者の保証かな。
予知夢のアルフレッドが13億リーブルも掛ったのって絶対にボラれてると思うわ。
しかし税金を払おうってお願いしたら首チョンパされるくらい嫌がったのにファエット少佐がカンパお願いしたら顎が外れる位に集まるし、ファエット少佐も自分の資産ガバガバ使って軍隊を鍛える。
何なんでしょうね、あの人。




