返り血の似合う剣客の女を簪にしたら
↓以下、小説のネタバレを含みます。上記のURLの小説を読まれた上でこちらのエッセイも読まれることを強くおすすめします。※作者様には掲載のご許可をいただいております。↓
律華 須美寿さん作
朱殷の椿
https://kakuyomu.jp/works/16817330647931698004
モチーフキャラクター:キハル
こちらはXにて募集した第一回『#RTした人の小説を読みに行き登場キャラクターのモチーフアクセを作る』という企画の中で作らせていただいたモチーフアクセです。
物語の舞台は伽之国ヤクモはユキメの町。ある朝、団子屋の少女アサヒちゃんの目の前に行倒れかけた不思議な女性キハルさんが現れたところからはじまります。
始終和風な世界観が丁寧に綴られており、勧善懲悪のストーリーにも水戸黄門を見ているような安心感がありました。
特筆すべきは戦闘シーン。丁寧な描写ながらも、勢いが最後まで衰えることがありませんでした。残酷な描写もありますが、しっかりと爽快感やカタルシスを感じられたのはきちんと状況の説明が書かれていたからに他なりません。
キハルさんというキャラクターについての第一印象は『ギャップ萌え』でした。……ギャップ萌えってまだ死語じゃないですよね?
登場時の行き倒れている感じや団子屋で働く姿はドジっ子気質というかどこか頼りなさげで可愛い感じなのに、一度スイッチが入った時の豹変ぶりが堪らなかったですね。可愛いもカッコいいも堪能できる良いキャラだと思います。
さて、モチーフアクセ制作のお話をば。
タイトルの『椿』は絶対にデザインに取り入れたいなあと思っていたのでメインのパーツに採用。
花言葉は「控えめな優しさ」「誇り」とキハルさんの人となりを表すのにも申し分なく、花が丸ごとポロリと落ちて散る様も彼女の剣客としての姿にも重なりと……作者さんのネーミングセンスが爆発されていますね。そして椿は朱殷色に。朱殷=乾いた血のような色とのことで、レジン液の調色が難しかった思い出です。
可愛さとカッコよさのどちらも持ち合わせているキハルさんですが、やまちの中では団子屋で楽しそうに過ごしている彼女の方が印象的だったので可愛さの方に軍配が上がりました。なので、デザインも可愛めになってます。
椿のパーツからつながるチャームにもそれぞれ意味を込めておりまして、テーマは『キハルさんが今まで斬り落としてきたもの』です。赤は言わずもがな血肉、緑と白はカラーセラピー的にどちらにも共通して『癒し』という意味合いがあります。キハルさんはそういったものをすべて斬り捨てて生きてきたのではないでしょうか。
本当はこれで完成でも良かったのですが、作者様からアサヒちゃんのイメージも取り入れてほしいとの最高のリクエストがあったので、太陽のチャームを加えています。
太陽のモチーフには「生命力」「力強さと成功」という意味があるので、アサヒちゃんとの出会いがキハルさんに生きる活力を与えたことは間違いないと思うのでぴったりなんじゃないかなと。
これを椿のパーツのすぐ横に配置しなかったのも実はこだわりでして、『斬り捨てて来たものの先に太陽(=アサヒちゃん)があった』という過程を表現したかったんです。写真では分かりづらいですが、太陽のチャームだけチェーンがちょっと長めの仕様です。
ちなみに簪を贈るという行為は「あなたを守ります」という結婚指輪的な意味を持っていたそうな。
本編から数年後とかにキハルさんが街で買ったとかでアサヒちゃんにプレゼントして、簪を贈る意味を知ってても知らなくてもどちらかだけが知っててもエモいなぁと思った次第です。
ご希望いただき、作者さんの元にお迎え頂きました(*´ω`*)
ありがとうございます♪大切にしていただけると嬉しいです!