表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
私の人生の意味  作者: みらいろ 美羽
18/19

最期の時《ユイナ視点》

救急車に乗ったのは何回目だろう。


ピアが救急車を呼んでくれた。

ピーポーとサイレンがなる。ピアも一緒に救急車に乗っている。

心配そうに私のことを見てくれている。




誰かが、私を必要としてくれている。



それが嬉しかった。


私は多分、今日のうちに死ぬだろう。

前の私だったら、


あぁ、死ぬんだ。

そのくらいしか思わなかったと思う。


でも、ピアと出会って変わった。


……もっと生きたかった。


ピアと色んなことを経験して、一緒に大人になって、色んなことを経験して、遊びたかった。


もっと、ずっと先まで、一緒にいたかった。




大好きな、ピアと。


あ、着いた。


私は担架で運ばれる。


ピアが話す。



「ねぇ、ユイナ……君は幸せの時間があった?ずっと辛いままの人生なんて、つまんないじゃない。少しでも、その、辛かった人生に、幸せがあった?」


幸せは、あったよ。

ピアと過ごしたことが幸せだった。

ずっと幸せでした。


口は動くけれど声が出なかった。


「心の中で答えて」


ピアが優しい声で言った。


ピアの優しい声、明るい性格に私はどれほど助けられただろう。


それらがなければ、私は幸せになれなかった。


ピアが話した。



「あなたは、幸せでしたか。その心の傷が、少しでも治ることを願っています。君に出会えて良かった。ユイナのこと、大好きです。また、いつか違うところで、会おう、ユイナ」


私は泣いた。最後の時は、絶対に泣かないって、決めてたのに。泣くはずなかった。でも、ピアは私の運命を変えた。


ピア……!大好き!大大大大大大大大大大大好きっ!

その性格、その声、その顔、その格好、まるで恋する彼氏が目の前にいるかのように、ピアが輝いていた。


「……う……ん……だ……い……す……き…………ピア……」


ほとんど喋った時も意識は無くて。

あぁ、死ぬんだ、私。

もっと生きたかったな……

せめて、高校生くらいまで。


それから、私の脳はもう二度と機能しなくなった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ