最期の時〜あなたは幸せでしたか〜
「ユイナ……大丈夫?」
「う……ん……」
「……これが最期とか、言わないでよ……?」
「……わかんないよ……?」
そんなことを話す。
「ね、この前言ったよね、生きる意味について」
「あ、ぁ……そんな、話、した、よね……」
声がかすれている。
話すのも難しい、そんな感じの話し方。
私は既に涙を浮かべていた。
そんな時話し始めたのはユイナだった。
「あの、ね……、私、生きる意味が、分かった、気がする……」
「……そう?分かった?」
「……う、ん……あの、ね、私、お母、さんが……倒れ、ちゃって、絶望、してた……んだ、だけど、ね……だけど、ピアが……あの時、声を、かけて、くれた……」
その時、ユイナが苦しそうにした
「大丈夫!?話さなくて、いいよ……」
そういった時、ユイナは私に封筒を手渡した。
「これ……なあに?」
「後で、読ん……で……」
「……うん、分かった……」
後で、というのは……多分……
私はその考えを必死に打ち消す。
「ねぇ、ユイナ……君は幸せの時間があった?ずっと辛いままの人生なんて、つまんないじゃない。少しでも、その、辛かった人生に、幸せがあった?」
ユイナの口は動くが聞き取れなかった。
「ごめんね、聞こえなかった……でも、心の中で、答えて。」
私は少しの間をはさんで再び口を開く。
「あなたは、幸せでしたか。その心の傷が、少しでも治ることを願っています。君に出会えて良かった。ユイナのこと、大好きです。また、いつか違うところで、会おう、ユイナ」
「……う……ん……だ……い……す……き…………ピア」
私は泣いていた。声を発する暇もなく。
涙を流して。
最期に話をしてから30秒くらいでユイナは眠るように静かに息を引き取った……
多分次の次で終わりです。少し伸びてしまってごめんなさい……