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第 二 回
住み心地がいい、犬小屋ではあったが馬鹿にされた。
「ギャハハハ。馬小屋ならまだしも犬小屋はネタでしかナイだろう」
二つ年齢が上の、性格の悪い敵方の使用人だった。
「ダサい、ダサ過ぎてヤバいだろ」
「そんなことは、言うな」弘は、それだけハッキリ言った。
「なんだよ、結局は権力にすがりついているだけなクセに」
「そんなことはない。王様は明日を、連れてくるぞ」
「本当に?」
スチャーノ・弘は『王様タイフーン』で飛び立った。
手を縦に足を横に動かして、ダイナミックさを出す弘の、得意技だ。二十センチ弱ぐらい、一瞬、少し飛ぶ。
弘は自信が無かった。今、性格の悪い使用人とやりあっても正直、むなしいだけだ。現在の現状から、弘は訳の分からない方向にジャンプした。優しさとは…逃げることも愛に換算されると信じたかった。
続く