吸血
【二次創作】
朝本箍様(@asamototaga)による二次創作
▶ https://kakuyomu.jp/works/16817139555474271570
【?】
ハロウィンにもちなみつつ、ラムズが吸血しているシーン
【キャラクター】
ラムズ
【訳者よりコメント】
ラムズのどこか色っぽい感じと、美しくて格好いい描写にやられました。ヒロインの心情がまざまざと伝わってくるところもとても私好みでした。すぐに読めるお話なのでぜひ!
モブ女視点 / R15
上質な絹のような目蓋が瞳を覆い隠してしまったことが不満だった。
銀糸のような髪も、巨匠が彫り上げた彫像のような姿形も勿論だったが、何よりもラムズという存在に息を吹き込んでいるのは、その瞳だというのに。
碧玉、誰の手も届かないような深海よりも手を伸ばせば届くかもと錯覚させる限界の海の色。噂に聞いたことがある、持ち主を呪う金剛石もこんな色かもしれない。
わたしの首に走る痛みすら甘美で、快感のような痺れに息を吐く。ラムズは目を開き、ほんの少し目尻を下げて碧玉を見せつけ、また行為へと戻っていく。
粘着質な水音、流れていくわたしの命。このまま全てを吸い尽くして欲しい、願いが届くのか、この夜の結末はラムズの冷ややかな手に握られている。
濁った赤が一滴、絹の顎へと染みを作った。