手紙・毒・本当は
【二次創作】
むぎ様(@mugikomugi_0531)による二次創作
▶ https://twitter.com/mugikomugi_0531/status/1568191173600358403?s=46&t=iMYxst_YC1rcWlxeG8eqkQ
【?】
〇前半
手紙,毒,本当は,というテーマで書いていただいたssです。珍しい宝石を相続した女の子、その女の子の幼なじみ男、ラムズの話です。
〇後半
むぎ様の自創作キャラクターから見たメアリの描写です。クロスオーバー作品として載せております。
【キャラクター】
ラムズ,メアリ
【訳者よりコメント】
前半のストーリーは、短いにも関わらず台詞やシチュエーションが原作ラムズすぎて、また愛殺らしいストーリーで大好きです。どこか西部劇のような雰囲気が出ているのがとてもよく、彼らの状況がありありと目に浮かびました。
メアリに対する理解の高すぎる描写が素敵でした。むぎさんのキャラクターそれぞれの解釈も含めて楽しませていただきました♡
海の底まで届いた月の光のような銀の髪。ひとつの傷も見当たらない白皙のなめらかな肌。そして、湧き水のような青さの瞳。その容姿からひとつもぬくもりを感じない男の目の前に、深い青の蝋で封をされた手紙を滑らせる。この男が、彼女に寄越した手紙だ。
「家族を亡くして弱っているところにつけ込んで、財産でも奪おうって算段か?」
「つけ込んだなんて人聞きの悪い。タイミングを計っただけさ」
「言葉遊びをするつもりはないんだよ」
男は軽く肩を竦めて、開封されていない手紙を拾い上げる。爪のかたちまで整った、細い指だった。
「いいか。二度とあいつに近寄るな」
滑らかな大理石のような指先で封蝋を撫でる男に言い捨てて酒場を出る。どこかの店から、呪詛の詠唱のような抑揚の歌が聴こえていた。
愚かにも俺はこのとき、彼女をあの男の思惑から守ったつもりでいた。
本当は俺の行動など無意味で、この男の甘やかな毒は、すでに彼女の全身へとゆっくり回り始めていたのに。
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*花蓮
澄んだ海の浅瀬のような、綺麗な色の心をした女の子だった。その感情をそのまま宿したような瞳と長い赤毛が、お互いの鮮やかさを高め合っている。店の出入口からきょろきょろと辺りを見渡す気の強そうな目元に彼女の気性が表れているようで、思わず頬をゆるめた。
*紫苑
そいつは店の出入口にいて、周囲を見渡していた。そこにいたのは女だった。隙なく警戒しているようで、興味を隠しきれていない青い視線が忙しなく店内を巡る。腰まで流した赤毛は美しいと言って差し支えないだろうけど、それでも潮風に煽られることが多いのか手触りは少し硬そうだった。
*庵
高い足音を引き連れて店に入ってきた女の瞳は、秋の空のような彩度の高い青だった。何か機嫌を損ねることでもあったのか、むっつりとその抜けるような青さで俺たちが座った店内を睥睨している。店に吹き込む風が、その女の長い赤毛を揺らした。
むぎ様のキャラクターについては、Twitterの固定ツイに飛んでいただけるとわかりやすいかと思います。
むぎ様の言葉を借りて簡単に説明しますと、花蓮ちゃんはお人好しな愉快犯、心の読める少女です。紫苑くんは幼い暴君、愛されたがりのダウナー系です。庵くんは強すぎる責任感と情の厚さに苦しむ少年、自分の目にコンプレックスがあるそうです。
みなさん高校生設定です。




