表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

44/47

第44話 訓練訓練訓練

「シミュレーションパターン1043、開始します」


 百眼と白塊、黒塊によるシミュレーターでの戦闘訓練、俺たち5名によるチームは次々とクリアしていく。

 シミュレーションナンバー1000台は現役の特殊部隊でも苦労する難易度になっている。

 単体でのナンバー1000クリアが特殊部隊入隊条件でもある。

 俺自身は一応単体で14までクリアできた実績はある。

 しかし、そんな特殊部隊がチームを組んでも30番代をクリアすることは困難を極める。

 噂によると1100までミッションはあるらしいが、難易度的には軍隊運用とかそういうレベルだと聞いている。

 しかし、今、俺達は43番までミッションを進めることが出来ている。

 正直、現役の頃の俺よりも動けている実感がある。

 成長の限界は感じていたが、まさかその先があるとは自分自身でも思っていなかった。

 なによりも、みんなの力を過小評価していたことを深く反省する日々だ。


 あの日、話し合って、帝国から王国へ帰ってきてから、俺達は村の地下にこもって、毎日毎日来る日も来る日も訓練を続ける日々を送っている。


「クリア、クリア、室内オールクリア!」


「ゴーゴーゴー!」


「敵兵力を確認、当該戦力で制圧可能、指示求む」


 まるで軍に戻ったような気分になる。

 個々の専門的な戦闘訓練から戦術教練まで、全員が凄まじい速度で理解、実行していった。

 コレほどの傑物が5人もいることに俺は心の底から驚いた。

 もしかしたらこの星の人間たちを鍛えたら、恐ろしい部隊が完成するんじゃないかと震えたほどだ。

 最先端の重火器の仕様は厳重な監視のもとこの五人だけに訓練している。

 万が一にもこの世界に重火器を広めることは無いように、最大限の注意を払っている。

 引き金を引くだけで命を奪う代物を、いたずらに広げるような恐ろしいことをしたくない。

 ただ、それだけの俺の、わがままみたいなものだ。


 しかし、ともに戦う5人には近接戦闘も遠距離戦闘も全てを教えている。

 それがチームとしての生存率を高めるし、そして個人の生存率を高める。

 かなり過酷な訓練内容だが、5人はしっかりとついてきてくれている。

 ついてきているどころじゃないな、皆の頑張りによって俺も一段と高い場所へとたどり着くことが出来た。


「損耗率が30%を超えました、シミュレーションを中止します」


「ああ……また同じところで……」


「あそこは鬼門ですね……、ひとつひとつ試していくしか無いかと」


「その前の地点もっと前に出たほうが被害を小さくできるかと」


 訓練後には栄養を完璧に考えられた(百眼が考えてくれた)食事を取りながら、各々が問題点を上げてディスカッション、睡眠時間はきちんと取る。こういった濃密な時間を過ごしている日々は飛ぶように過ぎていく。

 

「全シミュレーションクリアです。おめでとうございます。皆様のチームは全宇宙で唯一にして最高のチームです!」


 百眼の言葉に全員の目に自然と涙が流れた。溢れ出る感動は波のように広がり、戦友たちと静かに握手を交わし、そして抱き合ってその偉業を成し遂げたチームを讃えたのであった……


 完。


 ではない、ようやく全てのシミュレーションを終えることが出来た。

 百眼の分析では1000番台をクリアできた時点で今回のミッションはクリアできる予想だったのだが、なんとなく最後までクリアしたいなーという皆の適当な意見のおかげで、半年に渡って血反吐を吐くような訓練をすることになった。驚いたことに、5人全員が達成感を求めるドMだったようだ。


「やったぞ、ついにやったぞオレたちは!」


「アニキ! 皆! やったな!!」


「何度諦めそうになったか……ハヤテ……やったね!!」


「皆さんのおかげです! 本当に、全員で手に入れた勝利です!」


「ハヤテ様! 皆様! シーナは今、感動しています!」


「やったぞ! 俺たちは! やれたんだ!」


 それからしばらく、全てのミッションを終えたことに酔いしれて、喜びを分かち合う。

 そして、冷静になってしまうのだった。


「……なんで、ここまでやったんだろう?」


「……そこにミッションがあったからですよ、アニキ」


 そういうことにしておこう。

 超一流の軍隊でも困難なミッションをクリアすることができるようになった俺達は、すでにたった五人で精鋭のチーム、意思疎通もなく、ただいたずらに襲ってくるようなパレス族に遅れを取るはずもなかった。


 万全の準備を敷いて挑んだパレス族の本拠地攻略、そして、マザーと呼ばれる全てのパレス族の生みの親にしてこの星に流れるエネルギーを吸い上げていた悪の権化、たとえ強大な敵でも、俺たち5人のチームの、そして百眼白塊黒塊の全能力を開放した俺の前では、約束された死を迎えるしか無いのだった……

 確実性を取っての戦闘は、死闘にもならなかった。淡々と一人ひとりの役割を完璧にこなしていく、マザーの強靭な部下、精鋭たちは一体一体と削られ、マザー自体の体も跡形もなく殲滅するのに長い時間は必要としなかった。


 こうして、この星から全てのパレス族を排除することに成功したのであった……

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ