第43話 想いに正直に
シーナとシーラは名前混同しますね……
「今日は随分と気合が入っていたな」
「……ハヤテに……認めてもらいたくて……」
「認めてって、皆ができるのは知っているぞ?」
「それでも、今度の戦いに俺たちを置いてくつもりじゃないっすか」
「いや、いくらなんでもパラス族がうじゃうじゃいる場所に皆を連れていけるわけ……」
「どうしてですか!? そんなに頼りないですか私達は!?」
普段そんな勢いで話さないシーナの語彙に少しびっくりしてしまう。
「いや、頼ってるけど今度の場所の危険性は……」
「でも、ハヤテは一人で行くんでしょ?」
「俺には白塊たちが……」
「俺達じゃ、役に立てませんか!?」
「ハヤテ様のお力になりたいんです!」
「ハヤテのそばにいたいの! だって、ハヤテいなくなっちゃうんでしょ!?」
「そのことで皆に話があるから呼びに来たんだよ」
ボロボロと泣き出してしまったマイアの姿を見て、やっぱり皆も思うところはあったんだなと、自分の浅慮を改めて反省する。
「まずはきちんと話し合おう。俺も全てをちゃんと話すよ」
皆が落ち着くのに少し時間は必要としたが、夕飯の後に話し合う時間をとることにした。
忙しい中メイオンことシーラも来てくれた。
四人と机を挟んで向かい合うと、真剣な表情と眼差しを一心に受ける形になる。
その気持をきちんと受け止めて、俺の考えをしっかりと伝えようと決心して話し始める。
「まず最初に、今日集まってくれてありがとう。
俺に話す場を与えてくれてありがとう、今日は全部話すつもりだからよろしくな」
皆の顔を見回すと、この星についてからの日々が頭をよぎる。
「俺は、この星の外、高い空の向こう宇宙という場所の遥か遠くからやってきた。
皆とは生まれた場所がまるで違うんだ。
そして、気がついているだろうけど、俺は君たちのような獣人ではない。
人間と呼ばれていた。
そこで俺は惑星開発業者という仕事についていた……」
それから俺は、何一つ隠し事をせずに自分のことをすべて話した。
過去、そして星についてから、そして、これからのことを……
すべての話を終え、皆を見ると、なぜかキョトーンとした顔をしていた。
「えっと、以上なわけだ。だから俺は全部終わったら宇宙に帰ることになる」
「ハヤテ……?」
「なに?」
「あなたは、その惑星? だかを見つけて大金を得て何をしたいの?」
「ん? いや、そりゃ大金を得たら、いい暮らしをしたいさ」
「アニキ……?」
「ん? なに?」
「それ、別に帰らなくても、惑星を見つけなくても、もうできるんじゃない?」
「ええ、それに聞いていると、以前暮らしていた場所でその生活をしたいのではなく、自然に囲まれた場所でのんびり優雅に暮らしたいと……それって、王国へ戻ってハヤテ様が望めばすぐに手に入りますよね?」
「……あ……」
「お、お世話します! 私、一生懸命ハヤテ様をお世話します!!」
「それに、私、ハヤテについてその宇宙に行ってもいい!」
「お、俺だってアニキについていきたい!」
「ず、ずるいですよ! わ、私だって……本当は……」
「それに、その話とパラス族との戦いに私達を連れて行かないことは別の話だよ!」
「そうだよアニキ! 絶対ついていくからな! なんと言われたって!」
俺は……バカだ。
「そうだよな……俺はもう、全部手に入れていたんだな……」
そんな簡単なことにも気が付かなかった。
宇宙船を失ったことで、取り戻さなければっていう気持ちが目を曇らせていたのかもしれない。
少し考えたことはあったけど、どこかで借金を返さないといけないって思っていた。
でも、返せないなら、仕方ないよな。
うん、返せないんだもんな。
「パラス族の巣は危険しか無いぞ?」
「今更ハヤテは何言ってるのよ、いっぱい一緒に冒険してきたじゃない」
そうだ、冒険。この星で一番楽しいことは未知と触れ合う冒険だった。
お金を得て、のんびり暮らすよりも満たされる生き方をすでに知ってしまったじゃないか……
「はぁ……俺はバカだな……」
村を自分の欲望のままに奴隷を集めて魔改造したとき、どれだけワクワクしていたか……
「もう、手に入れていたんだな……」
パラス族の巣に向かうための準備をウキウキでやっていたのはどこの誰だったか、全部ちゃんと考えていないで上辺だけで考えていたから気がつけなかった。
「俺が悪かった。皆、一緒にこの星の驚異を取り除こう、手伝ってもらえますか?」
「もちろんよ、ハヤテは私がいないと駄目なんだから!」
「俺はアニキについていくって決めてるんです!」
「今回は私もちゃんと参加しますよ!」
「ハヤテ様に尽くすのが私の生きる目的です!」
「ちょっとシーラ、何ドサクサに紛れて凄いことを、私が一番最初にハヤテを見つけたんだからね!」
「あら、別に早いもの勝ちってわけではないので、ねーハヤテ様?」
「ち、違うんです、そういう意味合いでは……はわわわわわ……」
「俺もアニキにずっとついていきます!」
「カフェルはうるさい」
「ははははははははっ!」
この幸せな時間に気が付けなかった自分が嫌になる。
それでも、こんな俺のそばにいてくれる皆の幸せのためにも、さっさと害虫駆除をしてしまおう。
大丈夫、皆がいてくれれば、絶対にうまくいくんだ!
結局この日はそのままどんちゃん騒ぎに突入したが、朝目を覚ますと、驚くほど頭と心はスッキリしていた。




