表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

40/47

第40話 衝撃発言

「百眼臨戦モードに移行してくれ、日常のことはこちらで行う」


「了解いたしました」


 このままではダメ人間になる。

 俺は百眼を日常の世話から外す。臨戦モードにすると百眼は白塊、黒塊と連携して周囲の警戒、情報統合、それと現状に必要な作業に集中する。


「すこし、惜しいけどな……」


 まるで高級レストランのシェフが作った様な食事を口にすると、決意が鈍りそうになる。

 ほかの四人、特にマイアがブツブツ言っていたが了承させた。


「皆ありがとう、帰ろう」


 百眼たちが建造した飛空艇に乗り込む。

 百眼、白塊、黒塊がそろってしまえば、もう軍事生産拠点を手に入れたことと同等だ。

 脱出艇が二つあれば高機動艦艇が完成する。


「こ、今度はどんなことが起こるんですかー?」


 シーナが怯えている。


「帰るんだよ、飛んでな」


 同時にふわりと船体が浮かび上がる。

 そして周囲の風景がぐんぐんと後方へと飛んでいく。


「……」


 流石のマイアやカフェルも口を半開きで思考停止して体を座席に預けている。

 シーナは真っ青な顔で固まっている。


「ハヤテ様、目標施設の破壊を実行しますがよろしいですか?」


「ああ、もう着いたのか。よろしく頼む」


「実行します」


 その返事と同時に山間に存在していた洞窟に、レーザーが射出された。

 轟音と共に一帯がクレーターのように抉れた。


「うわ、やりすぎじゃないの?」


「すでに地下探知も行って最小限に被害は留めております。聖脈と呼ばれる流れにも干渉がないように調整してあります」


「そうか、ご苦労。資源の回収は」


「既に実行中です」


 気がつけば艦艇はクレーターの側に寄せてあり魔石などの鉱石類を回収している。

 このように、百眼は星の意思の話を理解してすでにタブレットの情報を解析し、パラス族の巣の位置や聖脈の流れなども把握している。

 つまり、もう、試合は終了している。

 各地の救助艇を回収して回り、パラス族の巣を破壊してめぐり、資源を利用して軍備を拡充させる。

 俺が帝国で店先バイトをしているだけで百眼はそれらの膨大なタスクを行っていってくれた。


「メイオン様、すみません。もう帝国での仕事終わっちゃいました」


「え? ハヤテ様は帰ってきてからずっとここで働いてましたよね?」


「あの紹介した百眼が自力でやってくれて、すでに村に船は運んでくれています。

 帝国内のパラス族の巣は殲滅したので、もしよかったらそれ交渉カードに使ってください」


「え、あの、ハヤテ様はどうされる感じで?」


「頼まれてるんで、パラス族の本拠地を潰して、あとは、その帰ろうかと……」


「帰える? 村にですか?」


「いえ、元のいた場所に……」


「ちょ、ちょっとまってください、急すぎませんか?」


「いやー、仲間が優秀すぎて……」


「ま、待ってください。ちょっと、落ち着いてお話をさせてください。

 まず、村へ戻りましょう。私も準備しますから」


「ああ、もう急がないので合わせますので」


 あとは星の言っていた【ジパルス共和国の遥か南東、終わりの滝の先、空に伸びる塔の最下層にいる】という親玉を倒すだけだ。

 たぶん、激しい戦いになるだろう……

 すでに偵察艇にて敵本拠地の情報は入っている。

 塔って言われた物はそのラスボスの外殻によって作られていて、直接星の中心に向かって穴をあけて巨大なエネルギーを得ようとしていて、その構成物質は解析不明、現状の装備、科学力では破壊が不可能という結論が出ている。

 塔の下部にたぶん呼吸用と思われる孔が存在しており、この内部にいるラスボスを倒せる可能性があるとすれば、そこから内部へと侵入して最上部に存在するコアを破壊するしかないという。


「まるでRPGゲームだな……」


 どっかで見たような設定に少し気恥ずかしくなるが、やるしかないのだから仕方がない。

 さらに小型偵察機で内部を探ろうとしたが、中にはパルス族があふれていて、すぐに発見され破壊された。その大量のパルス族を排除しながら、敵のコアを破壊する。

 なかなかに難しいミッションと思う。

 現在村ではすでにそのミッション用に様々な装備の開発が進んでいる。

 

「どうやらパレス族自体もはるかに強固だったりするみたいだからな……しかも総数もわからない」


 頭の中でシミュレーションを重ねていく。


「兄貴ー、なんかメイオン様がめっちゃ慌てて出てったよー」


「おお、カフェル。そろそろ村に戻るつもりだって伝えたんだよ」


「もうここでの用事は終わったの?」


「ああ、ここでって言うか、全部終わったよ。あとはパレス族のラスボスを倒して帰るだけだ」


「そうだね、全部終わればアニキも村でゆっくりできるな」


「えっと……俺、終わったら……その、住んでたところに帰るよ?」


「え? アニキってどこに住んでるんすか?」


「えっと、空の向こう……?」


「え?」


 カフェルは回れ右して部屋から出て行ってしまった。


「ハヤテー、なんかカフェルが死んだような顔して歩いてたよー?」


「おお、マイアかいやー、その村に帰るって話を」


「帰るの!? やったー! 久しぶりだねー。

 なんでそれでカフェルはあんなになってるの?」


「いや、パレス族の最後を倒したら帰るって話をしたら……」


「帰るって村にでしょ?」


「えーっと、その、俺の故郷というか、空の向こうというか……」


「え?」


 しばらく固まった後にフラフラと部屋から出て行ってしまった……


「ハヤテ様……なんかマイア様がフラフラと……」


 本日の4人目の犠牲者が訪れた。

 




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ