これがわたしの誓い
人生の先輩たちは言った。
成功の秘訣は継続することだと。
人生の先輩たちは気が付いた。
継続だけでは成功しないことを。
成功の秘訣は何を選ぶかだと。
何を選ぶかということは何を捨てるかということだ。
先人たちの血肉をかけて見出したその秘訣を胸にわたしはこの日、大きな決断をした。
男としての尊厳は棄てようと――。
男としての尊厳、それは髪と男らしさ。
わたしはこの新しい人生において、捨て去る決意をしたのだった。
かっこよくいってみたけど、結局何が言いたいかというと。
「おねえ」としての自分を受け入れたのだ。
違う、受け入れたなんて消極的だ。わたしはその道を人生をかけて極めてみせる。他の追従を許さないほどに極める覚悟だ。
元女性だったプライドにかけて、誰よりも素晴らしい「おねえ」になってみせる!
顔をあげて、前を見て、ひたすら進むのだ!
たとえ人から誹謗中傷を受けようとも、わたしの心には嘘をつけない。
たとえ人から後ろ指を指されようとも、わたしはムダ毛が嫌いなのだ。
この顔で、この頭で、この体形で!
わたしは国王の前に出たら誰よりも美しいカーテシーを披露して見せる。
この覚悟をいつまでも胸に持ち。
たとえ誰からも理解されなくても、己の道を突き進む。
たとえ自分よりも強靭な敵が立ちふさがろうとも、己の道を突き進む。
魔獣だろうが、魔族だろうが、魔王であろうが、わたしの道を邪魔する奴には容赦しない。
わたしにはこれしかないのだ。
令嬢として人生の幕を下ろしが前世が、意識高い系お局ともいえるOLであったわたし。
この世界のおっさんであり続けることができない。
できないのであれば、できる道を選ぶしかない。
たとえ茨の道であったとしても、「おねえ」街道をただひたすら進むのだ。
さあ、見ているがいい。
これがわたしの転生シーズン2だ!
ちょっと恥ずかしい始まりです。