3.リレーション2
3.リレーション2
「ごめんね、急に泊まるなんて言っちゃって。しかも布団まで用意してくれて。」
「いやいや、布団は俺。お前はベッドだ。女の子なんだし。」
「そんな!悪いよ。ゆーちゃんの家だし。」
「他人の家とか、今更言うのかよ。朝は勝手に入って来てるのに。」
「ぐっ!そ、それは…あはは。」
「それで、話したいことって芹ちゃんのこと?」
「あ、うん。えっとね、芹ちゃんと話すとき、零太さんのことは遠回しに言ってほしいの。」
「そっか。分かった、気に触ったらパーティーできないもんな。誕生日のことはお互い気にしてるはずだしな。」
「そういうこと!明日の内に仲直り出来たらいいけど…。」
翌日、いつものように登校し、いつものように授業を受けて昼休みを待った
零太さんが居ると思う食堂の2階へ水守と行く
「あら、遅かったわね。話はまだしてないわよ。」
「ゆーちゃんと私は体育だったのよ。仕方ないよ。」
「はなし?俺に?」
「はい!えっと、明日は空いてますか?」
「えっと、うん。空いてるよ。何かするのかい?」
「はい。私主催でゆーちゃんの家でパーティーをします。」
「パーティーか。それには芹も参加するの?」
「はい。そのつもりです。」
「そうか…。参加してみようかな。」
「本当!?ありがとう!零太さん!」
「………。」
「どうしたの?優真。具合悪いの?」
「え?あー、大丈夫。体育で疲れただけだよ。…さて、俺は芹ちゃんにパーティーの話をしてくるよ。」
「うん!よろしくね、ゆーちゃん。」
俺は3人に手を振って歩き出した。早くこの場から離れたかった
「やぁ!優真君、こんにちは。」
「うわっ!?せ、芹ちゃん?」
食堂を出たところの渡り廊下で芹ちゃんに会った
「そ、そんなにビックリしなくていいじゃん!!食堂に寄ったら優真君と水守ちゃんがお兄と会話してるのを見かけて、悪いと思いながらも聞き耳を立てたの。そしたら、優真君があたしを探すために動きだしたから、わざわざ探させるのは悪いなって思って…待ってたの!」
「そ、そっか。てか、聞いてたのか。」
「うん…。」
「なら、話が早く済むね。それで、パーティーには参加する?」
「…明日、お兄の誕生日なのよ。」
「うん。水守から聞いたよ。実は“ただ”のパーティーじゃないんだよ。」
「え?どういうパーティーだって言うの?……あ、まさか!」
「そう、そのまさかだよ。零太さんの誕生日を祝う水守主催のパーティーなんだ。」
「で、でも。どうして、水守ちゃんや優真君が?」
「水守はさ、誕生日とか祝い事を大切にするんだ。いつからかは分からないけど。」
「そうなんだ。…サプライズなの?でも、あたしがお兄のこと嫌ってるのは知ってるよね?」
「うん。じゃあ、なんで嫌いなんだ?」
零太さんのことが嫌いな理由を聞こうとしたその時、昼休み終了のチャイムが鳴り響いた
「そのことについては、放課後にでも話すよ。」
「わかった。水守も一緒でいいかな?」
「うん。じゃあ放課後にね。」