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魔王城に着いたけど

 それから杉留すぎるたち一行は各地に散らばる魔王の配下のしもべたちを圧倒的力で倒し続け、ついでにルックスが完璧な残念な青年もじっくりなぶり殺し、遂に魔王城まで着くことに成功した。

「これが・・・魔王城か」

 魔王城はあまりにも普通だった。

 通常魔王城は天には黒雲が空を覆い、雷鳴が鳴り響き、その城は禍々しく悪魔的デザインがされた物を皆は思い浮かべるだろ。

 ところがこの魔王城はあまりにも粗末過ぎた。

 というか城ではなかった。

 そこにあった「魔王城」とでかでかと巨大な看板に書かれた原始人が住むような竪穴式住居があった。

 魔王軍の部下はその辺の草原で豚形の魔物を狩っていた。

 その魔王軍の部下たちもどっからどう見ても猿でしかなかった。

 しかもその猿たちは手に時代に合わない光線銃を握られており、それで狩りを行っていた。

「なぁ、一つ聞いていいか。アップル」

「はい?何でしょう?」

「魔王軍ってあれ?」

「たぶん・・・」

 杉留すぎるはそのあまりにも異世界過ぎる光景が信じられずレモンにも、

「あれ、魔王軍じゃないよな?」

と聞いた。

 レモンは呆然としつつも、

「た、たぶんそうじゃないかしら・・・。地図もここで合ってるし」

「・・・行くか」

 彼らはトボトボとうなだれながら、魔王城へと向かった。

「待たれよ!何故我に聞かれぬか!」

「お前はNG」

 漢マグロは杉留すぎるに文句を言ったが、即返された。

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 魔王城まで行く途中、猿たちはこちらに見向きもしなかった。

 そのため、すんなりと「魔王城」に入ることができた。

 魔王城は思ったよりも普通の竪穴式住居であったため、余計に粗末に見えた。

「よーし!じゃあ魔王城に入るわよ!」

「オーッ!」

 レモンとアップルは空元気にその場に振舞って魔王城に入ったが、杉留すぎるはがっくりうなだれながら、

「もう少しさぁ、こう夢あるデザインにしろよ。まったく」

と珍しく本音をぶちまけながら、中に入った。

 ただ漢マグロだけは感動の涙を流しながら、

「おおっ、遂に魔王城か!我らの旅も終焉を迎えようぞ!」

と気合十分で城の中に入った。

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 魔王城の中は広かった。

 というか、何故か普通に城の中っぽい感じだった。

 中に入った杉留すぎるたち一行はその外側から確実にありえない広さと内装に非常に驚いた。

 部屋の中は中央に紅い絨毯じゅうたんがひかれており、その両端には禍々しいガーゴイルをかたどった像があった。

 部屋の先には扉があり、その先を誰も入らないように4体の魔物がそれを遮っていた。

 魔物たちは杉留すぎるたちを見るや、

「よくここまで来たな」

「だが、貴様らは魔王様に会うことはできない」

「何故ならば!貴様ら!」

「ここで我ら四天王に倒されるのだから!」

と4人分割してお決まりの台詞せりふを言った。

 杉留すぎるは溜息をついてぼそっと

「やっぱここ魔王城かよ」

と呟いた。

 四天王たちは一番右の魔物から順に自己紹介を始めた。

「我は土のデカオケラ」

「我は水のオクトパス」

「我は炎のサラマンドラー」

「そして、頂点に立つ風のダレコイツだ!」

 しかし、杉留すぎるは彼らの自己紹介中に

「うるせぇ」

と手に持っていたロケットランチャーを4発放った。

バン!

キィーン!

ドカン!

チュドーン!

 ロケットランチャーの弾は全て四天王に当たった。

「グワアァァァァァァ!魔王様!」

 四天王たちはあっさりと倒された。

「あ、あ!こ、これで前に進めますね~」

 アップルはその光景にしばらく呆然としていたが、とりあえず前の道が進めるようになったことだけ皆に伝えた。

「よ、よーし!後、魔王だけね!あんたたちとは・・・もう少し旅を続けたかったな・・・」

 レモンは意外にもしんみりした雰囲気で答えた。

 アップルもそれに対してうなずき、

「そうだね、今度は冒険する時はもう少しゆっくりとしたかったね」

と答えた矢先から、漢マグロは体当たりで扉を突き破っていた。

「今こそ我らのたびに終焉を!」

「「え~!感動的な展開はなし!?」」

 杉留すぎるも少しばかり素直に答えたかったが、マグロの行動に少しイラっときた。

(今度転生したら、あの怪魚真っ先に殺そう)

 そう物騒なことを思いつつも、彼らは部屋の奥へと進んだ。

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「グハハハハハハハ!よく来たな勇者よ!」

 玉座に座って待ち構えているのは魔王鈴木卓郎だ。

 何でもあらゆる人をだます能力持ち、それで多くの「人」をだましまくって魔王になった男だ。

 杉留すぎるはこの男を見るなり、手に持ったリボルバー銃で魔王の眉間を打ち抜いた。

「グハァ!ちょ、早くないっすか」

 魔王は死ぬそうになりそうにつつも、杉留すぎるに言った。

 しかし、杉留すぎるは冷徹な顔で魔王を見つめていた。

「敵、敵は殺す」

 彼はそう冷酷に言うと魔王は慌てて、

「俺を殺せば世界は滅亡するぞ!」

と言った。

「何?それは本当なのか」

 杉留すぎるはその手に持っていた銃の引き金を思わず止めた。

「ああ、本当だ。だから殺すな」

 彼は少し考えた後、後ろでのんきにお茶している仲間達を方を向いて、

「おい、お前らはどう思う」

とそれぞれに聞いた。

「う~ん、たぶんだけど私は本当だと思うな、レモンちゃんは?」

 レモンはぼりぼりとクッキー食べながら、

「あーあたしもそう思うわ」

と答えた。

 しかし、マグロはその場で大きく跳ね上がり、魔王の体に思いっきりのしかかった。

 杉留すぎるは彼の行動にに驚き、

「化け物!何している!」

と叫んだ。

「こやつは嘘をついておる!だまされるな!」

 彼(彼女?)は懸命に訴えた。

 杉留すぎるは彼(彼女?)の真剣な態度に本当だと感じ取り、

「わかった!」

と言い、彼(彼女?)ごと魔王を撃ち殺した。

「グホォ、我もか」

「馬鹿な血も涙もねぇ・・・。このなれば・・・邪神様!後は任せた、グフッ」

 魔王はそういうと力尽き、同じく漢マグロも死んだ。

 すると、天から一匹の邪神が現れた。

「あ、邪神様だ」

 魔王は既に幽霊になっているのにも関わらずのんき言った。

「こうやって銃あげると喜ぶぞ」

 そういうと魔王は懐から拳銃を取り出してそれを邪神に与えた。

「ウホウホウホウホウホ!」

 邪神は喜んでいる。

 そのまま邪神は銃の引き金を引いて魔王の幽霊を撃ち殺した。

 ターンッ。

「ウッ」

 魔王は成仏した。

「・・・これが邪神?」

 杉留すぎるは呆然と邪神を見つめたが、奴はそのまま同じように彼に対して銃を発砲した。

 ターンッ。

 見事杉留すぎるの心臓を貫いた。

「ウッ」

 杉留すぎるは死んだ。

 後、世界も滅亡した。

杉留:ああ、またこのオチか。この作者は他のオチを思いつかないだろうか。


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