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40 殺戮人形




ギラリとした紅い瞳。猫のようなその瞳を向けられたブラッセリー家の次男と三男は、何故か身震いをした。

「……なに、」

二人は顔を合わせ、またその瞳をみた。


「………殺しちゃう。簡単に壊れちゃうのは、ダメ…だよ?」

クスクス笑って、美少女は鋭い瞳を二人に向けた。笑っているが、瞳は笑っていない。

「アハッ、………なーんで震えてるの?恐い?」

突如後ろから声が囁かれ、飛び上がる二人の背に銃口を突きつけた白雪。

「……行っちゃだめ、あかずきん!」

叫ぶ狼の声は届かない。

「恐い?もっと、楽しませてよ。ねぇ?」

普段あまり喋らない白雪は、つらつらと言葉を発する。その時点でおかしいことに狼は気づいていた。が、瞳は普段通りだったために放置していたが。まさか、このような状況になるとは。




「………死んじゃえ」

パンっ、と銃音が響く。咄嗟の所で逃げ延びた二人は、今まで感じたことのない恐怖を覚えていた。

「あはは、そうだよ、もっと、楽しませてよ!」

そう言って、銃口を向けたのは…狼にだった。

「………堕ちちゃダメだよ。ねぇ?俺を忘れちゃった?」




****



「まさか!あっちが本物ぉ?楽しそうだねぇ、あっち行っちゃおー」

「行かせるかよ、ばぁか!」

桃は、白雪を心配しつつも相手と対峙する。だめだ、これ以上標的を増やさせては。白雪を、白雪をこの手で殺さなくてはいけなくなる。

………狼、絶対に乗り越えろ。そうじゃなきゃ、一生俺の奴隷にしてやる。一緒に死なせたりなんかしない、絶対に。



「アハッ、知ってる?cat's-eyeの紅い瞳の時に殺しちゃうと瞳も紅いまんまなんだよ」

「…それが?」

「どっかの物好きが欲してるんだよね。たかぁく売れちゃうわけ」



物好きめ、んな奴らは皆殺しか?


「ちなみに、メルヘンの首も高いんだよね。素性も知られてないのに、美形揃いって噂が多くてさ。俺らの首よりもっともっと高価すぎて逆に嫉妬しちゃうなぁ~」

そう簡単に首なんかやれない。あぁ、もう!白雪も気になるのになんで!



「黙ってよ、その口うざいからさ…殺しちゃうぞ?」


いや、殺すんだけど。

殺戮人形と化した白雪は、銃を考えナシに撃ちまくる。このままじゃ、悲惨なことになる。だめなんだ、可愛い大切な妹をこの手で、




きっと、出来やしないだろう。



.

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