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27  白雪の苦手なモノ




「狼くん、準備…できた?」

「うん、よし次は白雪の着替えだね」

そういうと、狼は白雪の服をあさりにあさった。

そして、何着か選ぶと白雪に着せてゆく。

 


最後に赤いポンチョを着せると、微笑んだ。

「よし、完璧。」



白雪は、アタッシュケースに詰め込んだ銃の数々を取り出すとじっくりと見つめた。そして、選んでゆく。

「レミントンの…ん、これも…レボルバーもいいな」


「しーらゆきっ」

選ぶのに少々時間がかかり、狼が後ろから抱きしめる形で止めた。

「…ごめん、ね。終わり」

「んん、だいじょーぶ大丈夫」

にっこり微笑みあう。 



「Let's assassinate」

白雪がそう呟くと、途端に2人の表情は変わる。




****


「くすくす、この前の客は結構ハデにやってくれたなぁ。あ~楽しい」

ひとりの男がカタカタとキーボードをたたく。

「次の客には、どれにしよう?シナリオもたくさんある」


コンコンと、ノック音が響いた。

男は口元に笑みを浮かべ、ノートパソコンを閉じた。




「やぁ、いらっしゃい。今宵はこの『堕天使』に何用で?」

そういつもの通りに迎え入れた。

「…いただきに」

白い肌と深紅のポンチョのコントラストが美しい、女と隣に獰猛な獣のような印象をえるきれいな顔の男がそこには立っていた。

女はただ、いただきにと呟いたがその意味が読み取れない。

「あの…?君たちは、今回のお客様の『redhood』?で、良かったですか」



男は、問い掛けたが女は無表情のまま、そっと呟いた。

「ええ、そう…」

「そして、アナタの命をいただきに」

隣の男が野獣的な笑みを浮かべてそう言った。それを、きいた男『堕天使』はうしろへととんだ。


リボルバーを構えた女と、日本刀の剣先を向けた男。

「これは、一体?」

「分からない?『堕天使』、君をよく思ってない人もいるんだ」くくく、笑って日本刀を持った男、狼はとんだ。

「……誰だ?!俺は、」

「私の家が、アナタをターゲットにした。命、いただきにきた」


「ふはははは、そうか。どの暗殺一家かな?俺のシナリオがきにくわない?」

「それは、どうかな?それよりも、」

男を狙う、横への斬撃。それを、ぎりぎりに避ける『堕天使』


「はやく、死んでよ」

白雪は、リボルバーの引き金に指をかけた。左手で、もう一つ銃を取り出した。しかし、『堕天使』も、銃を取り出した。

「俺も、ちょっと前まで殺ってたんだよね。…殺せる?」

挑戦的な笑みを浮かべた男、しかし白雪は無表情のまま。


「私、力に驕る人……苦手」

「……驕る?俺が?」



白雪は、依然無表情のまま。男をじっと見た。




.


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