26 殺人アドバイザー
『ねぇ、白雪。どうして、お兄ちゃんが帰ってきたら海外に行くのかな?』
「さぁ?……で、なに?」
白雪は通常運行。
『もう!お兄ちゃん、さみしい!…』
そういうと、切り替えの早い我が家族である兄は用件を伝え始める。
『そうそう、最近ね…殺人アドバイザーってのが巷を賑わせてるんだよね』
我が家の巷とは、裏社会の事だ。
「殺人アドバイザー……」
『知ってる?』
「白雪、あれだよ。さっきのニュース。」
ふと、白雪は狼の言葉で先程テレビでみたニュースを思い出す。
今日、とある富豪の男が殺害されているのが見つかった。その男は、今回白雪と狼の仕事のターゲットだった。白雪と狼が殺す前に誰かが殺したのだ。男は、裏であれやらこれやらやっているため恨みをもつものは多い。今回、仕事を依頼してきた人物もその恨みからだ。
しかし白雪たちはどうでもいい。仕事が減った事に関しては。金に不自由はしていないが、気になるのは…
殺害方法が、素人だということ。なのに、巧妙な手口でその男は殺されていた。
「うん、あれ。…殺人はせずにその犯行方法を売る…」
『そう、それ!やっぱり頭いいね白雪!!そいつ、そっちに今滞在してるって調べたら出てきたんだよね』
「……」
『で、おじい様からの伝言』
「…おじい様…」
『そう、おじい様。…白雪、容易いよね?』
「うん」
そこで、電話をきる。
「白雪、何だって?桃さん」
「正確には、おじい様。…殺せ、」
「そう、了解。アリスもつかう?」
こくり、頷く。すると、それをよんだかのごとく、アリスこと有栖川レナ登場。
「お嬢様ぁ、およびですか?」
「まだ、呼んでないけど…仕事、《堕天使》を探して」
「ほほう、あれですか?殺人アドバイザー、我らの敵」
「うん、そう。」
狼が肯定すると、アリスは微笑んで即座に消えた。
「杜松も調べてる、そう言ってた」
「ふーん、そいつどうやって殺す?」
「あざといと思う、油断できない」
「だね、でも、……容易い」
「うん」
音木家に狙われて、生きている人間はいない。
必ず、永遠の眠りを与えるのだ。
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