25 白雪の本気
「やっと、やっと、見つけた!音木白雪!」
ビシッと人差し指を、白雪に向けてさすイケメン。
そのイケメンを真顔で見る、白雪。周りはざわざわと騒ぎ立てる。
白雪本人は、彼の事を分かっていないのかただジッと見るだけだ。
「音木さん、知り合い?超イケメン」
「音木さんの…?なんか探してたみたいだよな、転校生」
「音木白雪、俺はあの日から変わってない!」
つかつかと白雪の机の前まで来ると、そう言った。
「音木、知りあいか?」
そう担任が問いかける。がしかし、白雪は彼を知らない。
「……さあ?」
コテンと頭を傾げる仕草に萌えを感じた数名。
その答えに落胆を見せる転校生。しかしすぐに立ち直り、
「俺!小学校の時転校してきた、最一樹!」
と、高らかにいう。その名前で思い出した白雪は、心の中で舌打ちをした。なぜ、彼がここに?この日本での最大の敵が。
「俺は変わるとあの時はいった!でも、探して探してその間も変わらなかった!だから、今返事を!」
「私はあの時も今も変わらない。愛してる、ただ一人を」
その言葉に目を見開いた、最一樹。そう、あの日もいまみたいに優しい表情を浮かべていた。愛してる、そう言うとき本人を浮かべているのか。
「えー、本当それ?!音木さんずっとあの彼一筋なんだ!」
「うん、出会ったとき恋に落ちた。それは、運命。ずっとずっと続く、想い。宿命」
「なーんか、ロマンチックだね!」
「うそ、だろ?!まだまだ!」
最一樹は、落胆した。
****
はじめて見たとき恋に落ちた。
人とは違う雰囲気を持つその少女に惹かれた。
彼女は、誰がを想い、俺はフられた。
次の日、少女は転校していなくなった。
それからもずっとその少女が気になって、探して探してやっと、見つけた。あの日より大人になって、でも雰囲気は変わってない。ああ、俺の運命の人。
でも彼女は、今も誰か知らない人を思ってる。
「…探せ、音木白雪の想い人」
諦めない、絶対に。だって、彼女は俺の運命の人。
「ねぇ、コソコソ嗅ぎ回るのやめて。イヌッコロ」
最一樹は、これでもかと目を見開いた。なんで、彼女がここに?いや、あんなところに?
「───死にタイ?それならとめない。」
赤を基調とした服装、そして両手に握られた銃。
「坊ちゃま!」
「どこのものからだ!言え!」
慌てて駆けつけるSPたち。
「さぁ?得意、でしょ。調べれば」
SPがかまえ、放つ。それに慌てる俺。
な、なんで、…言葉が出ない。
放たれた弾をいとも簡単にひらりと避け、5階のこの部屋のベランダから下へと落ちる。それに手を伸ばしかけるが…
「坊ちゃまは下がっていてください!」
銃音が微かに聞こえたかと思えば、壁に何かがのめり込む。落ちたと思った彼女が背後から現れる。
「わざと外した、次は本気でいく。逃げるなら、今のうち」
そう彼女は告げると、銃を持つ手を逆手にする。持ち替えをするやいなや銃を放つ。
「次は、本気でいく…」
たっと軽快な踏み込みの音がなる。すでにそこには彼女の姿はなく、「追える?」
ただ、無表情でそう告げると今度こそ下へと落ちた。
「まっ…」
「坊ちゃま、下がって…!」
頬スレスレに何かがとんだ。「…わざと。次は、脳天…」
上から落ちてきた彼女は、二丁の銃をSPのひとりと俺に向ける。だが、SPは複数いるため彼女の背後に回る。
「一人だけど、甘くみないで」
ふいた彼女の表情は伺えない。
とたんに後ろのSPが後方へとぶ。「ぐっ…!」
前、つまり俺側のSPも。な、どうなっているんだ?
「私、銃だけじゃない。体術もできる」
回し蹴りをかますと、後方へ飛んで先ほど飛ばしたSPが起きかかりそうなのをとめる。
「…起きるの早い」
そう言うと、ゲシッと頭をけり失神させる。
「覚悟、して。探りすぎるのも、身の危険。私に関わってしまった…」
そこで俺の記憶は途切れた。
次の日、音木白雪は消えた。
****
「海外にとぼう?狼くん」
「そうだね、白雪」
そう言うとキスを一つ。
「それにしても、しつこい男だね?白雪も情けをかけすぎだよ?」
「あれのバックが面倒。次は、もうないよ…」
あれだけ脅した。次も懲りていなければ、先は死だ。バック諸共銃殺する。
.




